第五百九十五話 Shining SOUL
〇前話
えんぱいあな日々(本編) 第五百九十四話 IN PERFECT 後編バハーラク:
ウマクサマンダ、ボダナン、バク!
バハーラク:
どうですか?変化ありました?
ミーナ:
何もないかな…
ティシュル:
はぁ~(溜息)
ボルール:
やはりポンコツ治療師では無理か。
バハーラク:
ポンコツとは何よ! そもそもこういうのは魔具賢者の領分でしょ? 私は治療師よ!
ボルール:
使え無いのは変わらない。
ティシュタル:
どうにかしてペルセポリスに戻るしかないかな
ドルリ:
皆さん、コーヒーを淹れましたので一旦気分転換をしましょう。
ティシュル:
本当に覚えて無いですか?
ミーナ:
はい。正確にはこの星界のことは一切記憶にないです。先ほど説明して頂いた通りなら、皆様が言う物質世界、地上での記憶というのは寝る寸前まで生々しく覚えております。
ティシュタル:
生々しいんですか…
バハーラク:
お話の通りなら、地上でのミーナ様というのがこちらの電脳女神スプンタアールマティ様の地上の肉体であるのは間違い無いとおもいます。スプロール連合総会の研修会に出た時の説明通りなので。ただその場合でも電脳神が普段身につけている魔具、インテリジェントデバイスにこちらの記憶があるので普通は融合するはずなのですが‥‥
ミーナ:
AURORAの機能、あまり地上でも私使ったことなくて…苦手でてへっ…
ドルリ:
お茶の時間くらいは少し休みましょう。気分転換になりませんよ? 良い考えも煮詰まっていると出ませんし。
バハーラク:
ゴメン
ボルール:
ドルリ随分コーヒー美味しくなったな。苦みが減ったな
ドルリ:
えへっ。砂糖を寄進で頂いたのでたっぷり入れました。
ミーナ:
たしかに濃いかも? エスプレッソぽいよね。 濃いコーヒーが苦手ならミルク入れてラテぽくすると良いかも。
ドルリ:
えすぷれっそ? ですか? ミルクはヤギの乳とか?
ミーナ:
えっと、エスプレッソとは地上のイタリアって場所での飲み方でエスプレッソの意味は「注文ごとにとか、一杯つづ特別に」という意味です。 濃いコーヒーなの。それとミルクは牛さんの乳かな。 ヤギさんの乳もあるかもだけど…私は飲んだ事ない。
ドルリ:
なるほど! ペルセポリスに帰れば手に入るので今度やってみます。
ボルール:
それなら私でも美味しくいただけそうだな。
ティシュタル:
地上世界にもコーヒーがあるんですか?
ミーナ:
うんあるよ。 それも色々なコーヒーの飲み方や豆がある。 電脳世界、星界にもコーヒーがあるってびっくりした。
ドルリ:
ティシュタル様、コーヒーは元々地上での飲み方でオリュンポスGRIDの勝利の電脳女神ニケ様が星界でアポローン様の為に再現してそれがアテナイのアクロポリスで評判になって、全星界で広まったものですよ。
バハーラク:
コーヒーもオリュンポスGRID連合が発祥なの? さすが大国。 うちみたいな小国はとは違うわ。
ミーナ:
ねえ、そのオリュンポスの勝利の電脳女神ニケ様って、ニケ・ヴィクトーリア様の事?
ティシュタル:
いまドルリが言ったニケ様は、まさにその、ヴィクトーリアは勝利の女神の意味です。そのニケ様もしくはニーケ-様とお呼びするときもあります。
ミーナ:
あのさ、そのニケ様、もしくはオリュンポスGRIDの電脳神の誰かでも良いだけど連絡とかつける手段ある?
バハーラク:
ペルセポリスの本神殿には大神ウーラノス様が設置して下さったポータルがあるので神官と聖戦士以上はAVALONGRIDに接続してますので、オリュンポスGRID連合のアテナイアクロポリスのパルテノン神殿とアルカディアGRIDのメガロポリスのパンティオン神殿へ行く事が可能ですが。
ミーナ:
ポータルってテレポータみたいなものだよね? 転移、シフトとか言うんだっけ?
バハーラク:
まさにそれです。今では各GRIDをそれが繋いでいてとても便利になりました。
ミーナ:
ニケ様と幸様とカイルスの解説の通りだ…あの時は意味わからかったけど…解った。大神ウーラノス…ご主人様だ…
ティシュタル:
ご主人様? まさかカイルスってウーラノスGRIDの電脳女神にしてオリュンポスGRID連合至高電脳神ディオーネ様の騎士電脳女神のカイルス様?
ミーナ:
ねえペルセポリスって遠いの? すぐ行けない? さっき言ってたポータルとか‥
ティシュタル:
けっこう遠いですね…うちの国は小国なので神殿同士をつなぐポータルの設置とか予算的に頼めませんし。 移動は徒歩ですから…まあそれ以外にも色々問題がありまして。
ミーナ:
問題?
ミーナ:
その余暇で作っている絨毯を担保にすれば神殿から産業融資を出す事が可能です。
村民:
そうですか!
ミーナ:
それにそのお話ですと仲買流通業者が輸出に前向きだと言う事なので地域特産物としてGRID間輸出をしてみては?これだけの絨毯は勿体ないですし、いまの産物より付加価値が高いです。余暇の時間で生産している物が利益を生むならそのままプラスになるわけですし。 自分達だけで使うより満足感も大きいと思いますよ?
村人:
マティー様、そう言われてもな一介の村人のワシらではGRID間輸出の商人との交渉など…法律や手続きも難解だし…
ミーナ:
でわその商人との交渉や輸出手続きなどはペルセポリスのうちの神殿で代行します。そちらはうちへ納品していただき、代金を受け取る。 輸送はしてもらう事になりますが。 うちがGRID外で特産物として売る。手数料はとりますけどね。どうですか?
村人:
それとてもありがたいお話だが。納品はペルセポリスに運べばよろしいのか? ならいけると思うが
ミーナ:
はい。そういう風になります。こちらの方で本神殿へ戻ったら頂いた仲買人に連絡をしてみます。 お互いウィンウィンな商談だと思いますが?
村人:
マティー様、是非お願いいたします!
ティシュタル:(小声)
本当に記憶ないだよね? というより前より超優秀なんだけど…私、補佐するの文章出すくらいしか無いんだけど‥‥
ボルール:
基本生真面目な方だったが‥‥ここまで執務に熱心というか生き生きしてるのを見ると‥‥ちょっと引く…。
ミーナ:
次の方、お待たせしました。 貯水池の農水の組上げ施設が老朽化したので整備をしたいと。
ミーナ:
ティシュタル、その貯水池の過去の施工事業の詳細と、かかった経費や施工業者? それと工賃の支払いの記録。あと治水関連の地方法律で関係しそうな部分を出してくれるかな?
ティシュタル:
はい只今! すぐ用意いたします!
バハーラク:
全部異常無し! とっても健康に育ってますよ。
ドルリ:
良かったね!
バハーラク:
次の検診は学校の入学前検診になりますのでペルセポリスに来てもらう事になります。
ミーナ:
妖魔ですか?
バハーラク:
獣とかただの野盗じゃないの?
マフター:
襲われた行商人の以外にも複数の目撃者がいるそうで。 今ラーダンが聞き込みをしております。
村人:
相当な数の家畜が襲われておりまして‥‥
ティシュタル:
はぁ‥‥
ボルール:
ラーダンが戻って来てきてから情報を整理して対応策を検討します。
村人:
お願いします。
ミーナ:
冒険者の酒場兼宿屋みたい!
バハーラク:
電脳女神様をこういう所に泊めていいのか…
ティシュタル:
出張神殿を出せる広さの広場が無いんだし、マティー様も喜んでるし! 村長さん達の御厚意だし! 貸し切りだし!
ミーナ:
御厚意は素直に受けるべきですよね!
マフター:
各出入り口や非常時の脱出経路の確認行ってまいります!
ボルール:
頼むぞ。
ドルリ:
兵長~でわ私達は二階の宿泊部屋の確認済ませてしまいましょう。
ミーナ:
ねえドルリってボルール兵長の事好きなの?
ティシュタル:
マティー様が色恋沙汰に興味を!
バハーラク:
解ります? 好きなんですよ完全に恋してます!
ミーナ:
兵長、カッコイイものね! でもまだ告白して付き合ってないと?
バハーラク:
そうなんですよ~勇気が無いみたいで♪ こういう話ができるって超嬉しいです!
バハーラク:
聖戦士三人は聖戦士の誓いが優先とか言ってお堅いですし。このティシュタル様はネンネですし! 寂しかったですよ
ミーナ:
えっ? ティシュタルはそういう話しないの? 女の子なのに?
ティシュタル:
あの…恋愛とか‥そんなのまだ…早いですし…
ミーナ:
えっ! 全然そんな事ないよ! 好きな男性とか女性とかいないの? まあこの世界は地上のうちの周りと一緒で女の子同士でも付き合うって教えてもらったから引かないから!
ティシュタル:
いえ‥そんな…
バハーラク:
マティー様、攻める時はグイグイ行きますね! ティシュタル様も真っ赤になって可愛いい!
ラーダン:
あれは間違いなくゴブリンの巣だと思います!
ミーナ:
ゴブリン…
ミーナ:
ゴブリンといえばRPGでいえば雑魚だよね?
ティシュタル:
あーるぴーじーっていうのは知りませんが、ゴブリンはそこそこ強いですよ。魔法などは弱いのものしか使ってきませんがシャーマンはいますし。 体力や筋力は人間の三倍以上あります十分脅威です。それに群れで生活しているので…それより本当にゴブリンの巣なの? 野犬の巣とか…
ラーダン:
あ~お姉ちゃん私の目を信じてないんだ! アレはゴブリンの巣だよ! ちゃんとゴブリンシャーマンの結界の骨を確認したもの!
バハーラク:
兵長、そんな近くにあるなら、この村を襲う為の前哨基地でしょうね。
ボルール:
そうだろうな。 放置はしておけん。
ドルリ:
だよね。
ボルール:
だがしかし…
マフター:
我々はできるだけ早くペルセポリスに戻りマティー様の為にオリュンポスGRIDと連絡とる事が重要ではないか?
ミーナ:
何を言っているんですか! 民間人の事案が優先です。 それは最初に決めましたよね?
ティシュタル:
「みんかんじん」というのは民の事ですね
ミーナ:
それに今回は民間人に危険が及ぶ可能性がある事案です。ここは率先して行動し民間人の安全を確保すべきです。
ミーナ:
ボルール兵長! それくらいの自由行動権はこの小隊にございますよね?
ボルール:
貴女様とティシュタル様の護衛の為の神殿聖戦士隊だ。指揮権は貴女様にあります。
ミーナ
ティシュタル副長、意見を。
ティシュタル:
副長? そうですね…ゴブリンでも野犬でも実際に行商人が襲われ、家畜に被害が出ているのは事実です。 この村の安全確保するのは、村を管理する神殿の務めだと思いますので、ゴブリン討伐に賛成いたします。
ミーナ:
解りました。ありがとうございます。
ドルリ:(小声)
兵長より隊長ぽいです。
ボルール:(小声)
貫禄あるな‥
ミーナ:
兵長お願いがあります。破損の為の予備の武具があると思います。 私に剣とナイフを貸していただきたいです。
ボルール:
それは予備の武器はあるが…
ラーダン:
マティー様もお戦いになる御つもりですか? こちらの記憶が無いのでは?
ミーナ:
星界ではの話です。 地上世界では私はエンパイアクラブミリタリアの下士官です。それなりに訓練と実戦を積んでます皆さま達の足手まといにはなりません。
ボルール:
下士官? 地上でのマティー様も戦士でもあるのか?
バハーラク:
まさに文武両道の我らが電脳女神様だね。
バハーラク:
マティー様、武具についてですが…すでに貴女様は御持ちです。記憶が無くてもコマンドワードを唱えれば呼び出せるはずです。
ミーナ:
持っている?
ラーダン:
マティー様のデバイスとても神々しいですよ!
〇翌日
ミーナ:
こういう恰好ができるなら早く教えてくれたら良かったのに。あの恰好だと歩きづらいし…
バハーラク:
その恰好はリソースをですね使いますし、武器がむき出しですし…いちおう謙遜と慈愛と慈悲の電脳女神の神殿ですからその主神様が普段からその恰好は…
ミーナ:
慈悲をくれてとっと楽にしてあげれば良いんでしょ? この剣で…
バハーラク:
いや…そういう意味では決して…ひぃ‥‥
ティシュタル:
うわぁ‥‥武器持つと性格変わるのは変わらないんだ‥
ラーダン:
皆さん! そろそろ相手の哨戒区域に入ります! ご準備を!
マフター:
コレはどういう事だ?
ラーダン:
あれ~昨日は見張り居なかったんだけどな~もしかしたら私が知らない間に結界の一部を壊して警戒されたとか?
ティシュタル:
気配消しの魔法をつかっているとはいえ、これ以上の接近は相手に気付かれますからね!
ボルール:
見張りが二人では奇襲は無理だぞ…正面突破するしか
ミーナ:
いや奇襲しましょう。 まず確認が二つあるの。 ラーダン、一人は任せられる?
ラーダン:
二人同時は無理ですが一人ならこの距離なら外しません。
ミーナ:
バハーラク、本当にあの状態になった電脳意識市民を治す方法は無いのね。
バハーラク:
はい。 あそこまで意識の汚染が広がり形態まで変質してしまった者を治して元に戻す方法はありません。早く楽にしてあげるのが慈悲であるかと。
ミーナ:
解った。ヤリましょう。
ボルール:
しかし見張り一人はラーダンが片づけたとして、もう一人残れば中に敵襲の知らせが、たとえ二人を倒しても音で確認の兵が来るぞ。
ドルリ:
私が背後からしかければ…一人は行けるかも?
ミーナ:
ドルリ、それは危険すぎる。 私に任して。
ドルリ:
マティー様?
ミーナ:
Marty.Intelligent.Neuron.Agent=MINA デバイス、ライフルフォーム!
シャキン!
バハーラク:
なんですかそれ!?
ミーナ:
構造を細かく熟知している武器なら構造を再現できるとわかったの。 こちらから見て右の標的は任せるわ、私は左の標的をヤルから。
ラーダン:
…はいマティー様‥
ミーナ:
ティシュタル、こっちの発射音は消せるのよね?
ティシュタル:
はい、この周囲2mの音は聞こえなくなってます。
ミーナ:
ラーダンできれば、相手の喉より上に命中させることはできる?
ラーダン:
はいもちろん。
バハーラク:
なんか滅茶苦茶慣れているんですけど‥
SE:
うぃーん!
ミーナ:
こっちは相手の頭を吹き飛ばすから‥。いくわよカウント5。。
SE:
ビュン!
SE:
タンっ!
SED:
ボンっ!
ミーナ:
MINA!ブレイドフォーム! ブラスターワン! ドライブ!
SE:
ドンっ!
他:
!? あっ…
タタタッ!
ゴブリン:
?!
ザクっ!!
ゴブリン:
ゴ…うっつ!
ビクビクッ!(痙攣する)
ずるぅ…(もってそっと堕ちさせる)
マフター:
まるで流れるような動きで確認しに来たゴブリンを始末した…
ラーダン:
すごい…けど…
ドルリ:
ナニアレ…?
ボルール:
アレはかなりの手練れだ…
バハーラク:
たしかに痛みとかを感じる暇もなく‥死んだだろうけど…苦しまなかったと思うけど…慈愛? 慈悲? なのかな…
ティシュタル:
うちの神殿っていつから暗殺教団になったの?
ミーナ:
今よ照明弾お願い!
バハーラク:
光よ!
ドルリ:
我がダガーよ力を運んで!
ゴブリン:
ヒギャァダ!
ミーナ:
ゴメン、遅れた! 大丈夫?
ラーダン:
はい大丈夫です!
ティシュタル:
目標確認! 聖なる焔で! 清め賜え!
オン! シュラ! ソワカぁああああ!
聖火炎舞!
どかーん♪
マフター:
ひぃぃぃい!
ボルール:
おい! ティシュタル様! アタシ達まで焼き殺す気かぁ!
ティシュタル:
思ったより威力が…
バハーラク:
密閉空間でそんな大砲撃ったら! 地形考えて下さいよ!
ドルリ:
崩れたら、みんな生き埋め‥
ティシュタル:
スイマセン…
ミーナ:
みんな! まだ終わって無いよ!
ボルール:
嘘でしょ?あの爆発で生きてると?
マフター:
あぁ‥
ミーナ:
強化機動甲冑なみて事ね。装甲と火力ではこっちは分が悪い。
ミーナ:
なら機動力で勝負するしかないか。 ボルール兵長、マフター、ラーダン、三人は聖戦士として電脳女神ティシュタルと我が神殿の神官二人を命を懸けて御守りしなさい! 私はアレを倒します!
ボルール:
マティー様待って下さい!
ミーナ:
この小隊の指揮権は私にあるんですよね? 電脳女神として命じます! 兵長お願いします。
ボルール:
はい、わかりました!
ボルール:
マフター、ラーダン防御陣形! 我が電脳女神様と神殿神官達を命に替えても御守りしろ!
マフター・ラーダン:
はい!
ミーナ:
ドックファイト以外でこれを使う事になるとわ!
お互い「怪物」同士、遠慮はいらないですよね。 でわ闘いましょうか!
ミーナ:
ブラスタースリー! ドライブ!
大ゴブリン:
ヒギャアア!
ヒュン!ヒュン!
ティシュタル:
ナウマクサンマンダボダナン・ビソホラウン・ソワカ!
星王滅魔結界!
ボルール
オン・マケイ・シヴァラヤ・ソワカ!
聖護金剛盾!
カキン! カキン!
ボルール:
念を護盾術式に集中させろ!
マフター・ラーダン:
はい!
ティシュタル:
この距離でこの威力って‥‥至近で当たったら…マティー様…
バハーラク:
ティシュタル様! 今は結界維持に集中を!
ティシュタル:
はいっ!
ミーナ:
ショウ・サンマンダ・ポダナン・チョウ・サラバビギナン・ソワカ!
ミーナ:
聖鷲火翼斬!
シュタッ!
ドンっ!(大ゴブリンが倒れる音)
ミーナ:
ふぅ…
他:
…………
ミーナ:
みんな無事?
バハーラク:
はい! 全員無事です!
ミーナ:
?! ちょっと何? いきなり跪いているのぉ!
ドルリ:
ありがたやありがたや…アフラ様だ…どうか恋愛成就をお願いたします…
バハーラク:
私も、お願いしよう…どうか恋愛成就お願いいたします。今後はより一層神殿にお仕えしますので…どうかお願いいたします!
ミーナ:
ちょっと拝まないで! 祈祷しないで下さいよ!
ティシュタル:
あの…そのチャクラとフラワシの翼はですね…
ティシュタル:
我らが失われし至高電脳神アフラ神の権威とチカラの象徴なのです。
ミーナ:
ちゃくら? ふらわし? あふら? ナニソレ?
バハーラク:
今度こそどうですか?
ミーナ:
変わり無いかな…
ティシュタル・ボルール:
ポンコツ治療師
バハーラク:
だから!私は治療師でこういうのは魔具賢者の領分だと…
ティシュタル:
そんな悠長な事を言っている場合では無くなったの。ガロー・デマーンGRIDが全権管理電脳神であるアズタ・マフラがいなかったからこそ。ディーヴァ・ローカGRID連合の下位GRIDとして組み込まれて小国とはいえ侵略されなかったけど。メインソースからリソースを引ける新たな至高電脳神「アフラ・アールマティー」が顕現したとなれば、ディーヴァローカ側だって黙って無いわよ?
その時に矢面に立つのはそのアフラ・アールマティーのマティー様よ。
まさかそれが「星界の事は記憶ございません」。とか言えないでしょ。
ミーナ:
あの秘書がやりました。 あとは秘書に聞いて下さい…私は記憶にございませんので…
ドルリ:
秘書って補佐電脳神のティシュタル様に丸投げ…
ティシュタル:
イヤですよ、ディーヴァ・ローカGRID連合の至高電脳神にして調和神のヴィシュヌ様は本当に恐ろしい方なんですから。あのディーヴァGRIDの軍神インドラ様でさえヴィシュヌ様の前では飼い犬同然ですから。まあ軍用犬?
マフター:
一度遠くから拝見した事しかありませんが、神々しい御方ですよね。
ミーナ:
至高電脳神ヴィシュヌ様‥ってディーヴァ・ローカGRIDの地上全権大使のヴィシュヌ様?
ティシュタル:
地上の事は他の電脳神に任せられないから自分が直接やるとか元老会で揉めたと聞きてますね。
ミーナ:
ならスプロールGRID連合大使館にいるヴィシュヌ様だ。
ティシュタル:
あのマティー様? ヴィシュヌ様を地上でご存じなんですか?
ミーナ:
うん。私は地上ではご主人様付きの専属メイドなのでヴィシュヌ様にもとても良くして頂いてます。お仕事でお会いすることも多いですし、仕事以外でもうちのお屋敷に遊びにも時々お土産のケーキもって来て下さるのでその時は私のコーヒーを美味しいって喜んで飲んでくれます。
とっても優しい穏やかな方ですよ。お綺麗ですし! うちのご主人様を「トモダチ」って抱きしめてましたし。前に梨音先輩とご主人様と喧嘩したのに引き分けですごく強くて、お互い認めあって仲直りして、なんか少年漫画みたいな説明を、私にとてもにこやかに楽しく話して下さいました。
マフター:
あのヴィシュヌ様と喧嘩したというお話は…まさか…レーテー(忘却)の野でのオリュンポスGRID連合軍とディーヴァ・ローカGRID軍が衝突した中で、ディーヴァローカ側が壊滅する一歩手前で停戦を申し込みに行ったヴィシュヌ様をオリュンポスの戦電脳女神アテーナー様と天王電脳女神ウーラノス様が迎えうち、打ち取られる寸前になったという…
ミーナ:
そうです。ヴィシュヌ様から説明うけたお話はまさにそういうお話でした。 梨音先輩のこの世界の名前がアテーナ様、私の地上のご主人様の花路すみれ様のこの世界での名前がウーラノス様だと説明を受けてます。
あと同じすみれ様の専属メイド仲間だと優萌がメーティス、フロリーがフォルトゥーナ、優奈くんがタルタロスで、星美がアナンケー。ほかに同期には幸様がディオーネ、カイルスはカイルス…トモダチに…(以下略)
他:
…真っ青
ミーナ:
ドン引きするよね…だからあえて説明しなかったんだけど‥‥やっぱりそういう反応だよね。 呆然自失な所悪いだけど。 二つ教えて。 一つは…これふわふわ浮いて動きづらいから、この背中と脚の羽みたいの取る方法は?
バハーラク:
デバイスに「パージ」を命じれば。部分的に解除できます。
ミーナ:
ありがとう…それでもう一つは…
ミーナ:
地形は同じだけど…明らかにこの洞窟に入った時と風景違うよね? こんな草とか木とかなくてもっと荒れた感じの土地だったよね? あの石の柱とか無かったし?
ラーダン:
前はこのGRIDはこんな感じの場所だったんです。 豊かで平和な場所。前アフラのアフラ・マズダー様が亡くなると状況は一変しました。土地はやせ、野生の動物の気性が荒くなり、家畜を襲うようになり。人は意識が闇に汚染されると妖魔に変身するような場所に。
バハーラク:
維持できなくなったガローデマーンGRIDはディーヴァローカの傘下に入ることで最低限維持できるだけのリソースを供給してもらう事になりました。属国として生きながらえることに決めたのです。スプンタ・マンユの各神殿が地域ごとに管理する体制を行う自治は認められています。とっていっても今は貴女様のスプンタ・アールマティー神殿以外は無くなってしまいましたが。リソースが乏しいので子供もあまり生まれませんし。AVALONGRIDが繋がったので希望者は他のGRIDへ移住を決めて移った人も多いので。
ティシュタル:
しかしマティー様がこのガロー・デマーンGRIDの至高電脳神として顕現しスプロールコアからのリソースが回復したから以前のこのGRIDの本来の姿に戻ったのです。
今は農作地も肥沃に戻り、家畜を脅かす獣もいなくなり。電脳市民に意識不具合が起き妖魔化するなどこれで起きません。
ミーナ:
ふむふむ、大体解った。 零細企業のガロー・デマーン社の前の社長が無くなって後つぎももなくて従業員は困ったあげく、大手企業のディーヴァ・ローカグループの下請けになることでどうにか生き残った。 会社運営の自由はあるけど、倒産寸前、会社も従業員も生活困窮だった。 しかし! 大手取引先と資金を大量にもった社長がガローデマーン社に登場!企業価値が爆上がりした! 魅了的に変貌したガローデマーン社はもしかしたら今のグループ企業からの強制買収が行われ、従業員の自由が失われたり、今の従業員が解雇されたりする企業戦争に巻き込まれるかもしれない!
ここは零細企業の社長になぜかなったこの私がどうにかこの危機を乗り越え、会社の発展!従業員の生活の向上!そして買収などが行われない企業としての強さをもった企業に導くしかないってことですね!
ティシュタル:
マティー社長…そうですね。商いでいえばそうなりますね。
ミーナ:
ティシュタル副社長! まずは何事もこの世はコネだ! コネは借りれるときに借りた方が良いと私のご主人も良く言っている!
ティシュタル:
はぁ~まあ村へ今回の報告の後、ペルセポリスに向かうのですね。
ミーナ:
そう! でわフラワシユニット! パージ!
ミーナ:
カモン! フラちゃん!
フラちゃん:
くわぁあああ!
ミーナ:
従業員の諸君! 私の大事なトモダチや先輩! そしてご主人様にどうしたらいいかすぐに相談しに行こう! 零細企業の一つくらいどうにかしてくれるよ!
まずは村へゴブリン討伐の報告によってからだけどね。
ティシュタル:
それに乗るんですか?
ミーナ:
背中に乗れると解説ドキュメントに書かれていたから大丈夫です‥多分!歩くよりは速いと思います!それに楽だし! でも本神殿があるペルセポリスまでの道案内はよろしくお願いします! ナビとかついてないのかな…
ドルリ:
あれに乗るの?
マフター:
みたいですね…
ティシュタル:
記憶失う前もそうだったけど、うちの主神様って大人しそうな見た目なのに意外と大胆不敵というか計画ややることが大雑把というか。
バハーラク:
そうですね。
ティシュタル:
まあ従者だから従うしかないけどね… そうですよね? ボルール兵長
ボルール:
さあみんな行こうか…アレで飛ぶのか…
ミーナ:
ランディングするよ!
ドルリ:
楽しかった!
他:
……(真っ青)
ミーナ:
フラちゃんご苦労様! 偉い偉い!
ドルリ:
可愛い! ふわふわだし! 頭良いしぃ! いいこいいこ!
ラーダン:
お姉ちゃんは飛べるから腰抜かさないのはわかるけど…なぜドルリがあんな元気なの?
ティシュタル:
わからない…私だってあんな高く速く飛んだことないし…怖かったよ…
ミーナ:
でわ! フラちゃん! チェンジ! ミニマムフォーム!
フラちゃん:
くわっ!
フラちゃん:
くわっ!
ドルリ:
か‥‥かわいすぎる!
ミーナ:
じつは花恋様、こちらの世界だとオリュンポスGRIDの電脳女神のアルテミス様の地上で御付きのピヨ吉さんの色違いのぬいぐるみ、お人形ねを、余りに私が事あることにピヨ吉さんを「可愛い」って言ってたら花恋様のお付のメイドのエリシア先輩がプレゼントしてくれたの! それでそれに「フラちゃん」て名前つけてたの。この子もフラワシだから同じ「フラちゃん」でしょ! 普段はこのデザインで一緒に居る感じにしたいなっと! でもフラちゃんもドルリを気にいったみたいだし一緒に普段は居れば?
ドルリ:
良いんですか? フラちゃん良いの?
フラちゃん:
くわぁ!
ドルリ:
フラちゃん! 私と一緒にマティー様にお仕えしよう!
ボルール:
神獣だよな? この格好で良いのか? というかトリなのに丸いぞ?
ドルリ:
この丸いのが可愛い! あとホッペが可愛い!
ミーナ:
そう! その丸さが良い! 抱き心地良いし!
ドルリ:
うん! ふわふわで抱き心地良い! 一緒に寝たい!
ギティ:
本当にマティー様達です。
リラー:
あの怪鳥は何処に消えた?
ギティ:
お帰りなさいませマティー様、ティシュタル様。 そして皆様、お勤めご苦労様でした。
リラー:
良くご無事でお帰りになさりました! 聖戦士団一同本神殿へのご帰還を感謝いたします!
ティシュタル:
只今もどりました。
マティー:
あの…この方達は?
ティシュタル:
貴女様のスプンタアールマティー神殿のギティ神官長と、このガローデマーンGRIDの神殿聖戦士団の団長のリラー団長です。
ドルリ:
神官長、団長、只今もどりました。
ミーナ:
神官長てことはメイド長みたいなもので…団長は総隊長ってことだよね。
留守の間、ありがとうございます! ご苦労様です。 只今です。
リラー:
あっ…はあ…
ギティ:
はい。
ティシュタル:
あの、神官長、団長、早急に大事なお話が…
ギティ:
あのこちらも火急的にご報告したい事が‥‥
リラー:
それでお前らはどうした? 大丈夫か?
バハーラク:
腰が抜けてしまって…私が治ったらっみんなを治療しますので…しばしお待ちを…
ミーナ:
操縦荒すぎたかな…久々に飛べたので嬉しくて…ゴメンね
ドルリ:
治療魔法苦手で…
ティシュタル:
私も…
ギティ:
でしたらわたくしが治療魔法かけます。
バハーラク:
神官長自ら…でもお願いして良いですか? お手数おかけいたします…スイマセン‥
ミーナ:
ここが‥私の神殿…
梨緒:
うぅ~ん…うむ?
梨緒:
あれ? あっ! なぜ梨緒は素っ裸で布団も掛けずに寝てるの? そういえば昨晩は奥様と…ああぁ…でもここは…どこ?
梨乃:
あ~起きちゃった。もうちょっと見てたかったのに。 質問1、なぜ裸でシーツも掛けずに寝ていたのかは、梨乃が梨緒の裸を見てたかったから。
梨緒:
まあ…全部梨乃奥様に梨緒は奪われてしまいましたし、そもそも梨緒は奥様のメイドですから…観て下さって良いですけど…そこまでどうどうと言うのは‥。 たしか奥様と別室でシテた時に気を失って‥‥
梨乃:
質問2。 ここも梨乃のお部屋。お姉さま達の部屋の別室と同じで これからは梨緒との部屋にもなるけど。
梨緒:
はぁ…「ココも」奥様との部屋? !!!
梨緒:
窓の外が…宇宙? 地球が‥‥
梨乃:
Well come to Cyber Space LIO! 電脳世界 スプロール超高次元GRID群コアソース。コアGRID、梨乃達の世界へようこそ梨緒!
梨緒:
サイバースペース…電脳世界…スプロール‥‥電子の中のもう一つの現実‥‥梨乃奥様達の世界‥
ここが星界…?
梨乃:
ポテトのソース、バーベキューで良かったかな?
梨緒:
はい。そうじゃなく! アレなんですかぁ!
梨乃:
アレはアステロイド鉱物採掘用艦艇を工作部で新造しているらしくてそのアバター。物質世界でもあの部分まで作業が進んでいる。
梨緒:
物質世界の現身(うつしみ)って事ですが。本当に表裏一体なんですね。
梨緒:
まさかフライドポテトもあるとは…学園帰りに食べるカスタムバーガーのポテトと余り味が変わりませんね。ちょっとこっちの方がしっとりしていて塩味が薄いかな? でもホクホクしてて美味しいですけど!
梨乃:
ソースをつける前提だから。ポテトだけだと味が薄いの。
梨緒:
あ~なるほど。 しかし電子世界でも食事の必要が?
梨乃:
梨乃や梨緒は地上に肉体があってそこからリソースが供給されるけど、肉体が無い大部分の電脳意識市民はこういう食事や飲み物の形をしたアバター=化身を摂取することでリソースを供給して意識を維持しているし、食事の味などは意識を創り出す記憶を構成する為には必須。
梨緒:
味の記憶って大きいし美味しいモノを食べると幸せになるし…それも体験と結びついていますのものね。
梨乃:
さっき梨緒がいってた学園帰りの梨緒達と一緒に食べるカスタムバーガーの味の記憶には、学園のトモダチとの楽しい会話の記憶が結びついている。
梨緒:
そうですね。こうやって同じようなモノを食べて、奥様といると「あーここも梨緒の普段の現実」なんだって少しおちつきましたし。 フライドポテトなのに。
梨乃:
そういう沢山の記憶が複雑に結びついて「ココロ」を創り出すための基本になっている。
梨緒:
そうですね。記憶から気持ちとかも生まれますし。
梨緒:
それでこれがスプロールの地図? 大使館でデメテル筆頭大使の後ろに表示されていたやつと同じですね。星界の地図?
梨乃:
これはスプロール全体地図で、星界はその真ん中の球の部分の光が濃い所。 星界は正確には「星辰界(せいしんかい)」と言って、スプロール全体の管理をするための高次元GRID群と超高次元GRID群を足した世界だから、全体の一部なの。
梨緒:
なるほど。 それでここは? コアGRIDって名前の国? まあ場所? と言われましたがどの辺りですか?
梨乃:
その地図のまさにど真ん中の光の中心。星界の中心。だからコア。核。
梨緒:
なるほど。
梨緒:
ついでに、とても基本的な質問で申し訳ないですが、この星界に住んでいる電脳意識市民って何人くらいいるんでしょうか? そんなことも知らなくて…
梨乃:
うーん現在でざっとで二百億人くらいかな。 まあ完全意識体として存在しているだけでの数で、簡易意識体を除いての数だけど。
梨緒:
二百億? いまの地上の人口の倍?
梨乃:
そう。 だって実際に地上の今の人口を支えるにはそれくらいの電脳システムが必要でそれを構成している部品だから。
梨緒:
部品?
梨乃:
この八年で爆発的に地上の世界は発達した。だからこそあれだけの戦争をしても世界は壊れないばかりか、紛争地以外の環境は劇的に改善し人口が増えさらに経済は発展した。 それを実現したのはアステロイドベルトから供給される希少金属やバイオメイドの管理による超効率大規模食糧プラント。 そのどれも電脳空間の爆発的な発展があってこその成果。
梨緒:
それは学園でC組の梨緒でも習いました。
梨乃:
でわその電脳空間。サイバースペースって何?
梨緒:
それはこのスプロールの事じゃないですか? 地球の回りに沢山浮いている人工衛星群のこと。
梨乃:
それは「ハードウェア=物質」としてはね。でわ「ソフトウェア=実際に動く為の本体の機能を実現している構造」としてはどうやって実現しているの?
梨緒:
習って無いですし…意味がわかりません、説明お願いします。
梨緒:
あっ一瞬で現れた!
梨乃:
まあ普段つかっているし! これは解るよね?
梨緒:
はい普段みんなでやってるゲーム機ですよね。
梨乃:
これは物質世界では、これは物=物質だよね? 機械だよね? ハードだよね?
梨緒:
はいハードっていいますね。
梨乃:
実際にゲームをするには、電源をいれて「ゲームソフト」を起動して、トモダチやチームとするにはネットに接続して遊ぶ。 さらにゲームソフトを換えると別のゲームができる
梨緒:
そうですね。
梨乃:
ハードは「そのための機械」でもゲームを実現させるのはそのゲームソフトやそれを使うためのオペレーションシステム。 OS=オーエス。だよね?
梨緒:
はい? そうですね。
梨乃:
電脳空間を創り出して地上の人々の社会を今支えているスプロールだと、このゲームハードが人工衛星。そしてオーエスが沢山の電脳意識体の集合体。 ゲームソフトが電脳意識体が行っている仕事。
梨緒:
えっ? はっ?
ヴァルマ:
梨乃、さすがにそれじゃ解らないと思うぞ?
梨乃:
えっ‥梨乃これでも一生懸命考えたのに…ダメ?
梨緒:
あれ? ヴァルマくん?
ヴァルマ:
ああ。二人の保護観察中の保護観察官に任じられたんでね。 ゴメンちょっと色々あって遅れた。でもこのラウンジに来てからの二人の会話は遠隔で聴いてたし観てたから!
梨乃:
何かあったの?
ヴァルマ:
うん、ちょっと場所を変えよう。
梨乃:
まあ良いけど。
梨緒:
保護観察と言う事は私達罪を犯したんですか?
ヴァルマ:
罪といえば罪かな? 手順をすっ飛ばしてしまったからね。 どっちかというと犯罪を起こさないために監視したり手助けする感じ
梨乃:
手順って‥結果が同じなのに。まあヴァルマくんが手伝ってくれるのは嬉しいけど。
梨緒:
あのヴァルマくんってここにいるってことは、ネットダイバーとか電脳神とか?なんですか?
ヴァルマ:
そうだね地上ではスプロール大使館の各大使の補佐をする職員さんで、本来はこのスプロール監視機構の監視官で赴任地はアルカディアGRIDの行政監理官と今回新たに起動したアスタルトGRIDも一緒に行政官をする事になった。
梨緒:
スプロール監視機構?
梨乃:
地上における国連の事務所みたいなものだと思えば良い。基本各GRIDは地上でいう国とか地域で、その連合がスプロールGRID連合。そしてその事務や行動を実際に行うのが、ヴァルマ君が属している組織。
梨緒:
連合職員。だから大使館の職員さんでもあるですね、あれはスプロールGRID連合の大使館だから。
そのアスタルトGRIDですか? 何かアスタルトって言葉が頭に残って…
ヴァルマ:
それはそうだろう。梨緒、君が治める事になるGRIDだからね。電脳女神アスタルテ様。
梨緒:
えっ? 梨緒が? 治める?
梨乃:
それは電脳女神って事は役目があってアスタルテはアスタルトGRIDの管理をするのが「機能」でこの世界でのお仕事。 まあ補佐は梨乃とこのヴァルマ君が電脳女神アナンケー星美と電脳女神メーティス優萌の「ついで」にしてくれる!
梨緒:
ついでですか‥‥
ヴァルマ:
ついでとは…酷い言い方だな。
梨乃:
ついででも悪いとは思う。アルカディアの行政見学行ってみてびっくりした。星美も優萌も全部ヴァルマくん丸投げ‥
ヴァルマ:
まあ覚悟してたしそれは良いから。 さっきの梨乃の解説だけど。 ボクが引き継ごう。
梨緒:
これは何ですか?
ヴァルマ:
ポータルというものでこのコアGRIDから他のGRIDへ移動するための装置? かな
梨乃:
RPGでもあるじゃないテレポートポータルってやつ。あれと同じ
梨緒:
ありますね。
ヴァルマ:
実際に見てもらって体験して理解した方が楽だから。 行こう。
梨緒:
はい。
ヴァルマ:
シフト!
梨緒:
えっ? アレ? ここは?
梨乃:
梨緒、どうしたの? ぼーとして。
ヴァルマ:
大丈夫?
梨緒:
ここは白森駅‥
梨乃:
そうだけど? バス降りたんだから当然。
梨緒:
これから…
ヴァルマ
学園終わったから新作映画見ようって来たんだけど。梨乃がボクもその作品好きだし一緒に見ようって誘ってくれたからだけど?
梨緒:
えっ夢を見てたの?
梨緒:
夢? 今まで起きてたのに。あの一瞬で?
ヴァルマ:
調子悪いなら、上映一本送らせてカスタムバーガーで休んで行く?
梨乃:
ちなみにどんな夢みたの?
梨緒:
それがですね…起きたら‥スプロール内の梨乃奥様の部屋で…そのあと食事でハンバーガーとポテト食べて…スプロールというか星辰界? 星界の事を説明うけたり、そこにヴァルマくんが来て。梨緒と梨乃奥様が保護観察処分になったて言われて…。 さらにGRIDっていうんですか?あっちの国の一つを梨緒が治める?ことになったって‥それを奥様とヴァルマくんが補佐してくれる‥‥でもとりあえず星界やスプロールの事がぜんぜん梨緒はわからないから、奥様の代わりにヴァルマくんが説明してくれるって…
ヴァルマ:
ずいぶんと詳細に覚えている夢だね。
梨緒:
はい。まさに現実みたいな夢だった。
梨乃:
そもそも梨緒が言う「夢」と「現実」ってどう違うの?
梨緒:
それは夢は寝てる間に脳の中だけで見るもので…現実は起きている間に実際に体験して…
ヴァルマ:
それ脳にとっては変わらないよね?
梨緒:
いや…それはちがいます。たしか夢は脳が記憶している体験?などから創り出している妄想で…
ヴェルマ:
それはまさにこういうモノだよね?
梨緒:
あっ! ナニコレ!
梨乃:
これは構成するデータを剥きだしにして解りやすくしたもの。さっきまでの風景は梨緒の体験記憶から創り出した「白森駅前」の風景だし、今梨乃達が着ている制服も同じ。それを、梨緒と梨乃とヴァルマくんで共有体験している。
ヴァルマ:
ゴメン、悪意で騙したんでは無いんだ。体験するのがわかりやすいから。
梨乃:
夢は脳にとっては記憶という情報から創り出した疑似体験でしかないけど。体験ではある。違いは事実のデータをリアルタイムで体験していない事と他人と共有していないこと。
電脳空間、電脳世界とは、電子頭脳がみているデータから創り出される夢を共有する空間。それが電脳空間。
梨緒:
電子頭脳が見ている夢?
梨乃:
さらに電子頭脳だから夢の中に物質世界の操作機構を再現すれば物質世界の実際の機能を動かす事もできるし、肉体の脳につなげれば、物質世界で活動もできる。梨乃やヴァルマくんみたいにね。
ヴァルマ:
殆どの電脳意識市民は肉体が無いから、夢の中でしか生きていない。ここがキミの夢の中の世界だとするなら。梨緒にとってスプロールの世界とは夢の世界に来ているがボク達にとってはこっちが現実。そして梨緒がもともといる物質世界が夢の中。 どちらも現実というのはこういうものだし、スプロールの根幹の機能は約200憶の人工意識市民が共通でみている電子の夢がオペレーションシステムの基本になっていると言ってよいかな。
電脳意識市民の仕事には地上世界の仕事が多くて…まあヒトだから。 だから地上で「何々をしとけ」と地上の人は命令するだけで「どうやってやるか? それがちゃんとできているか? それにひつような知識は? 結果はどうなるか?」に携わなくても「結果」だけ得ることができるようになった。 そういうのは全部、電子の夢の中の人々が代わりにやるからね。
梨緒:
……………
ミーナ:
あぁ~
ギティ・ティシュタル:
ひぎゃああ!
フロリー:
この度の御ディーヴァ・ローカGRID連合へのご迷惑は、元凶であるこの我が主、ウーラノスの首を刎ねる事でどうか詫びとしてお納めいただきたくお願い申し上げます!
梨音:
インドラ様がこの下賎な首を刎ねるが汚らわしいというなら、命じて下さればこの戦乙女アテーナーが喜んでこの首を刎ねさせていただきます!
すみれ:
ひぃぎぃぃ!
インドラ:(注)
皆さん!落ち着きましょう、ねっ? 詫びとかそういうはいりませから!
注:インドラ
デーヴァ神族に属する雷霆神、天候神、軍神、英雄神
特に『リグ・ヴェーダ』においては、最も中心的な神であり、ヴァルナ、ヴァーユ、ミトラなどとともにアーディティヤ神群の一柱とされる。また、『ラーマーヤナ』には天空の神として登場する
漢訳では、因陀羅・釋提桓因・帝釈天・天帝釈・天主帝釈・天帝・天皇などと書かれ、特に仏教における帝釈天の名で知られている。
インドラ神のルーツは古く、インド=イラン共通時代までさかのぼる軍神であり、紀元前14世紀にヒッタイトとミタンニとの間で結ばれた条文の中に名前があることから、アーリア人の移動とともに小アジアやメソポタミアなどでも信仰されていた神であったことが確認されている。
インドラ:
ヴィシュヌ様! どうにかして下さい!
ヴィシュヌ:
あのディオーネ殿、当方としましては詫びなど求めないばかりか、弊連合の1地域の住民が今後は幸せに…
幸:
いや、これは立派な弊連合からそちらへの内政干渉になりますから。戦争や賠償金や領土割譲など求められても当然の事です。しかし状況が状況の為、当方としてはできるだけ穏便にすませたいのです。よってここはウーラノスの首一つでどうか収めていただけませんか?
ヴィシュヌ:
当方しましてはそんな事を求める事はいたしませんので! どうかウーラノス殿の命をとるなど。
フロリー:
ヴィシュヌ様。ウチの組としましてもこんだけの事を仕出かしてケジメをつけないわけにも、いかねえんですよ。 この天空大邪神のタマを受けって下せいや。
ミーナ:
ふ~んやっぱりコチラへ飛ばされた元凶はご主人様か。
ティシュタル:
コ…コレナンナンデスカ…ヴィシュヌ様にインドラ様に、ディオーネ様、ウーラノス様に、アテ-ナー様、あれは運命の女神のフォルトゥーナ様…タマ差し出すって…クビ!
ミーナ:
地上では「いつもの事」だから。
ティシュタル:
イツモなんですか?
ミーナ:
私に考えがあるからちょっと待ってて。
その前にさすがにこの格好では、あの方達の前ではが失礼になるわね。
ミーナ:
衣装チェンジ! こんなもんなかな?
ギティ・ティシュタル:
あぁ…
ミーナ:
行って来るわ
ティシュタル:
はい。
ミーナ:
ディオーネ様、ヴィシュヌ様。 弊ガローデマーンGRIDに起こし下さり誠に光栄で御座います。
ヴィシュヌ:
ミーナさん、いえアフラ・アールマティー殿、押しかけてしまい申し訳ございませんわ!
なんて可憐で神々しい! これは民の人気はマティー殿に取られてしまいますがディーヴァローカGRID連合は新生女神アフラ・アールマティー殿により一層民の結束と忠誠心は上がる事間違いなしですわ!
幸:
ミーナ、いえアフロ・アールマティー殿お綺麗ですよ。 まさかオリュンポスGRID連合に引き抜くわけにも…
ヴィシュヌ:
ディオーネ殿ダメですよ! それこそ戦(いくさ)になりますわよ!
幸:
わかってますヴィシュヌ殿♪
ミーナ:
インドラ殿、お初にお目にかかります。アフラ・アールマティー、地上ではミーナと申します。何分この世界に来たばかり、ご指導の方よろしくお願い申しあげます
インドラ:
ディーヴァGRID電脳神並びにディーヴァローカGRID軍総司令官をしているインドラと申す。
突然こちらの世界に来てすぐにGRIDの立て直しを臣下と共に成したと聞いておる。その活躍はまさに英雄。そのような英雄電脳女神と同じ連合に居れることを感謝している。 盟友として今後ともよろしくお願いする。
ミーナ:
こちらこそ、我が民共々よろしくお願いいたします。
インドラ:
それでですな、よかったら我がディーヴァGRIDに招きたいのだが‥
ヴィシュヌ:
ほうそうですの~♪ しかし残念ながらマティー殿、地上ではミーナ殿は天王ウラーノスどのに仕えておる。ウーラノス殿は強いですし、ミーナ殿は本当に女として忠誠を誓っております。インドラごときが落とせる安い女ではありませんわよ。まさに高嶺の花どこか星天の花
インドラ:
そうなのか…まあ他心なく案内したいので一度ディーヴァに視察に来てくれ歓迎いたす
ミーナ:
ありがとうございます。 臣下と相談してお返事いたします。
インドラ:
良い返事を期待しておるぞ。
ミーナ:
そ・れ・で。やっぱり私がこの世界に飛ばされたのってご主人様のせいなんですね?
すみれ:
はい。すみれとダイレクトリンクしたせいで、ウーラノスGRIDと繋がってそれが衛星アールマティーと接続して…天空至高管理電脳アフラの機能をアールマティーに与えてしまったらしく…
ミーナ:
良くわかりませんが、私はこちらに来て、こっちのマティーの記憶も無くて大変だったんです。これから色々しなくちゃいけないので、ご主人様…「できるだけ」手伝って下さい。
フロリー:
えっこっちの記憶が融合してないの?
梨音:
部下と一緒にアレースが送り込んだ潜入部隊を壊滅させたって聞いたよ?
ミーナ:
アレースってのはしりませんが村近くのゴブリンを三十匹くらいは前哨基地になっていた坑道ごと全滅させました。たしかに最後の首領は強かったので部下に任せると危険なので私がタイマンで終了処分しましたが‥
インドラ:
単騎でデビルアンカーを‥?
ミーナ:
たしかに機動外骨格なみだったし閉鎖空間だったので手強かったですね。坑道の構造がもろくて機動力でどうにかしましたけど。
梨音:
それは手強いね
ミーナ:
それで梨音先輩、ご主人様はウーラノスGRIDのこともあるので「タマ」取るのは勘弁してください。かわりにフロリー、電気拷問の電圧あげていいから。
梨音:
うん…まあ残念だけど…
インドラ:
えっ? 電気拷問?
ミーナ:
それでわたしのマティーの記憶って治るの? 治らなくても必要な知識の分とかは…
フロリー:
たぶん、基本フォーマットがアールマティーとウーラノスでちがって‥吹き飛んだかも。残っている記憶はたぶん今でも自然につかってるはず?
ミーナ:
あーりんご系のPCのディスクなのに窓系のPCでフォーマットしちゃったみたいな? 服の換え方とか自然にできたし…そういうことか…
フロリー:
そういう理解でいいかな…
ミーナ:
ご主人様のせいで吹き飛んだということね。
梨音:
やっぱりタマ取った方が良いって
すみれ:
うっ‥‥
ミーナ:
ご主人様、身を粉にしてこのGRIDに当分泊まり込みでミーナと我が民にご奉仕して下さい。
すみれ:
はい…すみれはミーナさま、アフラ様の忠実な飼犬です。 なんでも言う事聞きます。
梨音:
他の主人の飼い犬のタマ取るわけにはいかないからしかたないか
インドラ:
ヴィシュヌ様はやっぱり最高です…こんなに怖くない…
ギティ:
何そのアレースのデビルアンカーが率いる先遣隊を前哨基地ごと全滅させたって…何をティシュタル様たちしてきたんですか?
ティシュタル:
色々ありまして…デビルアンカー…強かったわけだ…それは聖火炎舞が効かないわけだ…魔族だし。
ミーナ:
弊GRIDを中心にガロー・ディーヴァ・ローカGRID連邦の樹立を目指したいと?
ヴィシュヌ:
そうですわ
ミーナ:
ご主人様、今のディーヴァローカは連合ですよね? 連合と連邦ってどう違うんですか?
すみれ:
実は明確な違いというのは決まって無いないだけど、行政・司法・外交などをばらばらに行うのが連合。一か所にまとめて行うのが連邦。オリュンポスは「連合」と言っているけど現在アルカディアのメガロポリスに行政機関をまとめて、連邦制に移行中だからそれと同じような感じにヴィシュヌ殿たちもしたいんじゃないかな?
ティシュタル:
なるほど。でも中心はうちである必要は無いのでは?
梨音:
ここが首都になっていれば、まさかうちが攻め込むことはないからな。なあインドラ殿。
ミーナ:
なるほど…
インドラ:
首都がオリュンポスとの窓口になっていれば前回のような事態になることも今後は無いだろう。
それにこう明言しておけばマティー殿がこのGRIDを整備しなおし各地にちっている元住民や移民者を受入れ連邦特別区に相応しいGRIDにするまでオリュンポス連合が侵攻の牽制となり他の勢力からの攻撃を牽制できる。
ミーナ:
お話を聞いた通りなら地上世界と同じで血の気の有り余っている者達が多いですからね…
ヴィシュヌ:
それに、このGRIDを立て直し発展させた先に何があるのかを決めておき民に示す事は大事だと思いますわ。
ティシュタル:
たしかに民の士気もあがり、帰還者や移民者も集まりやすいと思います。
ミーナ:
それに大国二国間の貿易拠点となれば経済効果は莫大なモノになります! 商人達の投資も受けやすいと思いますし。
ヴィシュヌ:
現在の連合の元老院にマティー殿も参加しておりますし、特別区の行政権は保持したままとなりますので発言権も大きくなります。 外政と軍事のインドラ、司法と調整のわたくし、内政と経済のマティーとなれば理想なのですが。それを目指したいと思います。
その為にこのGRIDを導いて下さい。盟友アフラ・アールマティー殿
ミーナ:
はい。
インドラ:
ヴィシュヌ様、マティー殿も長旅で疲れております。本日の所はもどりましょう。
ヴィシュヌ:
そうでした…こういう所がわたくしは。 マティー殿、ティシュタル殿 本当はまだお話したいんですけど…
インドラ:
ヴィシュヌ様! また来れば宜しいじゃないですか? 連合内はポータルですぐなのですし
ヴィシュヌ:
また来ますのですわ!
ミーナ:
此方の方からもお伺いいたしますので!
ティシュタル:
本日はありがとうございました。
ヴィシュヌ様:
でわ皆様、ごきげんようですわ! 転移ですわ!
幸:
私達も本日は戻りますが、支援できることはなんでもしますので何でも言ってね。
フロリー:
「コレ」置いていくけど、女官とか絶対に気をつけてね。大丈夫かな…何かったらすぐに遠話を! 飛んでくるから!
すみれ:
何で気を付ける必要が‥
ミーナ:
ご主人様、ご自分の胸に手を当てて考えてみて下さい。
梨音:
女官だけじゃなくティシュタル殿、貴女も甘言に惑わされないでね、コレ邪神だから喰われるよ。
ティシュタル:
邪神!
幸:
くすすっ♪
梨乃:
梨緒怖くない?
梨緒:
いえとても楽しいです!
ヴァルマ:
ここでいったん停止!
ヴァルマ:
センパイ! お待たせしました! 庁舎内の見学と基本説明、梨緒のデバイス受け渡しは一通り終了いたしました。
レスフィーナ:
ご苦労様。
梨乃:
レスフィーナ先輩、お邪魔しております!
梨緒:
レスフィーナ先輩?
レスフィーナ:
二人とも良く来たわね。
梨緒:
その制服ってことは先輩もここの職員さんなんですか?
梨乃:
それもとても優秀なの! 若手のエース!
ヴァルマ:
私の直属の上司になりますレスフィーナ上級監視官殿です!
レスフィーナ:
食事しながらでごめんね、朝からずっと指揮所詰めで食べてなくて。
レスフィーナ:
まずは梨緒、コアGRIDというより私の職場の印象はどうかしら?
梨緒:
すごい所ですね…正直に言うと目を回してます。
レスフィーナ:
それはそうよね♪
ミーナ:
ナンデコンナコトニ…ご主人様、私の気持ち解りますか?
すみれ:
とっても良く解るよ!
パリー:
お帰りなさいませ、マティ-様。
あの…このパリ-は…何て言ったらいいか…
ミ-ナ:
あっ貴女は?
パリー:
貴女様、アールマティー様付きの専属侍女をさせて頂いております。神殿神官見習いのパリーと申します。
お力が顕現され地上世界の肉体と融合した影響でこちらの世界の以前の記憶が無くなったと聞いております。
改めて…貴女様の侍女としてお仕えできればと思っておりますが‥気に食わないなら他の者を選んで下さってもかまいません…
ミーナ:
私付きの専属侍女…
すみれ:
これだけの神殿の主電脳女神様だもんね、それは専属侍女の一人や二人や三人くらいいるよね。
パリー:
あのウーラノス様。マティー様の専属侍女はパリーしかご指名を受けておりません、ハーレムなども作っておりません…光栄にも以前はわたくしだけです。
すみれ:
ほう、二人はそういう関係。
ミーナ:
あぁ‥‥た…しかに‥好みの容姿でこの礼儀正しさと、健気なしぐさ‥これは…以前のこの世界での私の‥侍女と言われても納得できる…こんな子に尽くされたら…確実に手を出してるのを否定できない…
パリー:
いえ…その事は気にしないで下さい。パリーはあくまで…貴女様の侍女です…気にせず捨てて下さって構いません。パリーは今までで十分幸せを頂きましたから…。
ミーナ:
あぁあああ‥‥ご主人様…ど…どうしましょう!
すみれ:
健気だね。まさに専属メイド…いや専属侍女の鏡だね。 これはどうなのかな? すみれがミーナをパリーからN・T・Rしたということ? まあすみれが後だから潔く身を引くけど。
ミーナ:
それ私がご主人様に捨てられるって事ですよね! こういうのはあの誓いの想定外ですよ!
ミーナ:
ねえパリーさんだっけ? お茶とか用意できるかな~? ご主人様の分も!
パリー:
畏まりました。すぐにテラスの方へご用意いたします。
すみれ:
ソウダネ。お茶でも飲みながら今後の三人の事について話し合おうか‥ミーナくん。
ミーナ:
ひぃ…
レスフィーナ:
超長距離転移完了です!
梨緒:
ここがオリュンポスGRID連合の首都ポリス、アルカディアGRIDのメガロポリス! その星美と優萌のパンティオン神殿!
向日葵:
梨緒、良く来たね
梨々衣:
オリュンポス連合へようこそですわ!
優萌:
我らがアルカディアGRIDは電脳女神アスタルテ殿を
星美:
歓迎します…良く来た!
梨緒:
向日葵様、梨々衣マネジャー、優萌、星美!
ヴァルマ:
只今です!
星美:
お帰りヴァルマ行政監理官!
レスフィーナ:
梨緒、今回は超長距離転移だからフル装備で飛んでもらったけど、通常の転移や戦闘などでない普段の時はデバイスは外した方が良いわ。
ヴァルマ:
電脳神のデバイスは回りのリソースに影響を与えるし、なにより動きづらいしね。
梨緒:
はい、外すのはたしかパージでしたよね?
梨乃:
やってみよう
梨緒:
はい! パージ!
梨緒:
取れてますよね?
梨乃:
できてる!
梨々衣:
ちゃんと面倒をみておりますわね
向日葵:
はい梨緒の事は梨乃は本当に面倒見が良いです。ご主人様というより仲のよい姉妹みたいです。
星美:
ヴァルマくんもいるし
優萌:
これなら大丈夫そうですね。
梨々衣:
そうですわね。
パリー:
どうぞ…
すみれ:
結構なお点前(てまえ)で…
ミーナ:
何ですかそれ…まだお口つけてませんよね?
すみれ:
何を言っているですかミーナくん。茶を淹れる動作一つ一つが洗練されている。それにもましてもしかしたら、このお茶が主への最後の給仕になるかもしれない…そんな思いからせめて最高のお茶をお淹れしようという想いが動作から滲み出ている。メイドにとって侍従にとって給仕とは心。想い。願い。それだけでもう十分すみれはココロを味合わせて頂き…感嘆したわけです。 パリー良いお茶の香りです。 貴女のミーナ。アールマティー殿への想いを頂く事にするわ。
パリー:
どうぞウーラノス様。
ミーナ:
メイドにとって侍従にとって給仕とは心。 さすがご主人様。勉強になります…。 パリーさん頂きます。
ミーナ:
あっ! 美味しい! 私、地上世界では英国にいたからレモンティーとか飲んだこと無かったけど、このレモンに似た果実のスライス、とても美味しいかも? 気にいった!
パリー:
マティー様ありがとうございます‥‥
すみれ:
そ…そんな‥‥貴女から大事な主を奪えないよ…(嗚咽) そんな所詮私は添え物だって‥そんな事ないから…
パリー:
ウーラノス様、私にとって一番大事なのは我が主(あるじ)の幸せなのです…いま主は、ウラーノス様を心より慕っているように見えます。 私の事はお気になさらず…
すみれ:
そんな事、すみれはできない‥
ミーナ:
あのっ! ご主人様、何を泣いているんですが! ドンビキなんですけど。 二人ともお茶だけで何会話しているんですか!
これが本当のメイド、侍従同士ができるという給仕で全て行うという会話‥‥
すみれ:
パリーの言う通り、すみれはミーナの主人になれても、侍女になれない。
これからのこの世界でのミーナに必要なのは、補佐のティシュタルであり、聖戦士と神官で構成される聖騎士団でありそして、忠実な侍従。
パリー:
はいウーラノス様。別にパリーで無くて良いのです。マティー様に専属の侍従を付けるようご進言下さい。 お願いいたします‥‥。
注:一般的な侍女とメイドの違い
本来は「侍女は高貴な人(王妃や貴族の姫など)の世話する女性の事で、メイドは、一般家庭に住み、掃除や料理を作るという仕事する女性」の違いがあるが、うちの作品内ではメイドの中に「侍従」も入っている。
この場合は「XXX付メイド」「XXX付侍従」などと表記しています。
この時のミーナの肩書は「エンパイアクラブ・カリブルヌス・花路すみれオーナー付き専属侍従メイド」です。
すみれ:
わかった。
パリーに命じる今すぐ我、天空大邪神ウーラノスの侍女となれ! 望みはできる限りかなえるぞ! ただし断るなら今すぐこのペルセポリスを天の炎で焼きつくし破壊してもよし! 先ほどの会談でヴィシュヌとインドラは油断しておる。今ならこのディーヴァローカ全土を征服、住民を隷属! 我の贄にしても良いぞ! 己なら我の言葉が実現可能だと知っておるだろう?
パリー:
あのぉ…インドラ様が率いるディーヴァローカ連合軍を壊滅寸前まで追い込んだ我がリラー聖戦士団長とボルール兵長が本陣で観たというヴィシュヌ様がどうにか防いだ天から星が撃ち込まれるという‥‥。
ミーナ:
ご主人様、ちょっと待ってください! それ脅迫ですよね? なに私のメイドに手だそうとしてるんですか! ご自分のメイドからNTRする気ですか?! パリーはあげませんよ!
すみれ:
衛星アールマティーと融合して。 パリーが、ちゃんと電脳女神アールマティーの専属メイドだって認識しているじゃない。 意識できたなら登録情報みてごらん
ミーナ:
あっ…私のメイド? それにこれティシュタル、ボルール兵長、バハーラク、ドルリ、マフター、ラーダン、リラー団長、ギティ神官長…他にも沢山…これ神官見習いとか準聖戦士の方かな? 私の臣下?
ミーナ:
ご主人様! でもご主人様との誓いが!
すみれ:
すみれが受けた誓いは「永劫に尽きることなく、 我、ミーナ・エルレアは御身のみの忠実な僕なり。 我が女王陛下。 私は二君には仕えません。」であってミーナのメイド、というより臣下を持たないって誓いではない。もし「アナタだけの女になります」だったら断っているし。 そう言わなかったから聖約を受け入れた。
王は別の王にだって剣を捧げるんだよ? アーサー王の円卓の騎士には、王様もいるし。
ミーナ:
あ‥でも…ご主人さまだけのメイドという…
すみれ:
地上で、これからもお弁当作ってくれたりすみれの補佐はしてくれるんでしょ?
ミーナ:
もちろんいたしますが…
すみれ:
そうだな、もし心苦しいというなら…よければミーナさんに協力してもらいたい事が…
ミーナ:
協力ですか?
すみれ:
お待たせしましたギティさん、パリーヤー、どうぞ…
パリー:
お姉ちゃんいつオリュンポスの天王宮から帰ったの?
パリーヤー:
今さっきご主人さまと、お供の神官兼侍女として来たの。
それで…マティー様、御無沙汰しております。 と言いますか覚えておられないと思いますがウーラノス神殿の神官でこのパリーの双子の姉のパリーヤーと申します。
ミーナ:
パリーの双子の姉ね。改めてよろしく。 オリュンポス、天王宮、ウーラノス神殿、神官兼侍女…ほ~う。 ご・主・人・さ・ま、詳しく事情を聴きましょうか?
すみれ:
アノデスネこれには深いワケが…
ミーナ:
ちゃんと話して下さいね? でないといきなりフロリー呼びますよ?
すみれ:
はい…
梨緒:
あの奥様、冷蔵庫にはコーラ。冷凍庫には冷凍ピザしか入って無いんですが…
梨乃:
ピザ嫌い?
梨緒:
嫌いではないですが。 フライパンと鍋はあるけど…これいつ使われたたんだろう? これコンロだよね?
しかし万能調理装置しか使われた形跡がない。 今夜はピザ食べたので良いですが…普段どういうお食事しているんですか?
梨乃:
ピザ飽きたら近くにハンバーガーショップあるし。もうちょっと先行くとヌードルショップがある。たまーにちょっと歩くけどちゃんとしたダイナーが…
梨緒:
いやそういう事ではなくてお食事をお作りにならないんですか? レスフィーナ先輩とかお料理が趣味でこの世界でも色々作ってると言ってましたし。コアGRIDは各GRIDの食材がスーパーには豊富に売ってると…
梨乃:
さっきの冷凍ピザはスーパーで纏め買いしたものだけど。
梨緒:
……家庭科ありますよ? 練習しなくて良いですか?
梨乃:
スーも家庭科実技全滅でも筆記ができればどうにかなっている。
梨緒:
トモダチが悪い‥‥くっ! お二人とも筆記は得意ですものね。
梨乃:
梨乃は別に良いんだけど。梨緒が料理してくれるなら、この世界での調理器具とか食材とか買ってあげるよ。
梨緒:
お願いします。 毎日冷凍ピザかファーストフードかたまにのファミレスの生活は勘弁させて下さい。
食材はスーパーの場所とクレジットを送金して頂けるなら買ってきますので
梨緒:
これがこの世界のクリーニング装置? というか電子でも汚れるのがびっくり。 ドライクリーニングみたいな感じで綺麗にするのか。
梨乃:
正確には蓄積した不要なデータを除去する感じ。服にも行った場所や環境のデータ保存されるから。 それが「汚れ」としてアバターとして可視化される。
梨緒:
この頂いた服以外も買うか、作るか? しないとイケナイですね・・・作るのは梨緒には難しそうだな。 それも物質空間と同じか。洋裁が得意で趣味な人は自分で服作るしコスプレ衣装とかもそうだし…。買った方が安いけど。
梨緒:
トイレをしなくて良いのは慣れたし、しないからこそ、トイレが無いのは理解できます。それでもカラダは汚れますよね。汗や涙もでますし。埃もつくし。お風呂とかは?
梨乃:
そこにある。
梨乃:
そうだね。 そろそろバスタイムにしようか。
梨緒:
えっ? もしかしてその円柱?
梨乃:
梨緒、一緒に入ろう。コッチに来る!
梨緒:
はぁはい‥。
梨緒:
お湯が上がってくる! ちょうど良い温度だし‥なんか汚れがとれていくような?
梨乃:
これに浸かるとデータが最適化される。まあシャワーでも良いだけど梨乃はお湯に浸かる感じの設定にしている何より!
梨乃:
お風呂からみる地上が梨乃は一番好き!
梨緒:
たしかにこの景色は贅沢ですね! わかります! 最初はスプロール、電脳空間って聞いて不安だったけど! トモダチや優しい先輩達や、何より奥様がいるし! 今はとても楽しいです!
梨乃:
良かった!
カイルス:
我が姉ながら我らの神殿の新人神官に手を出し電脳女神化するとは良い根性をしている
エリアル:
もう少し火加減を強くしましょうかね♪
ヴァルマ:
これが話しに聞く焼き土下座‥‥
パリーヤー:
ひぃぎぃ‥ちりちりいってます‥
星美:
すみれお姉ちゃんが…焼けてる…焼けてるよ‥‥
フロリー:
よりによってΘεία(テイア)(注)だからね…地上の肉体が無いとリソース的にマズイかと
優萌:
真理愛様にどう言うの…
注:テイアー・テイア(古希: Θεία, Theiā)
ティーターンの一族に属する。長母音を省略してテイアとも表記される。
ウーラノスとガイアの娘で、オーケアノス、コイオス、クレイオス、ヒュペリーオーン、イーアペトス、クロノス、レアー、テミス、ムネーモシュネー、ポイベー、テーテュースと兄弟。またヒュペリーオーンの妻で、ヘーリオス(太陽)、セレーネー(月)、エーオース(暁)たち兄弟姉妹の母である。
神話によれば、テイアーは視力と輝きの女神とみなされています。
しかしシケリアのディオドーロスではテイアーはティーターンに加えられていない
ミーナ:
あのそれについては今回は大丈夫です。 真理愛様もララさんやシンディー、さらに穏海様にも内緒でメルヴィーに手でしているので、それを交換条件にすれば。 知っているのは私とご主人様と、良二オーナーだけなので。 ご主人様が真理愛様に内緒で良二オーナーに移籍交渉をしているので
星美:
真理愛お姉ちゃんが?
優萌:
ララ副メイド秘書に内緒で? メルヴィーに? 手を出してるの?
フロリー:
それ真理愛様、ララお姉ちゃんにナイフでバラバラにされるって…
ミーナ:
ララさんについても私が中に入って真理愛様と調整します。 あと姉のパリーヤーと共にこのパリーも地上へ一緒に行ってもらいたいので、ガロー・ディーヴァ・ローカ連邦になるなら、私とヴィシュヌ大使だけでは無理なので。もちろん次の神官試験が受かったらですが。そうなると真理愛様にもララ副メイド秘書にも頼まないといけないですし…
フロリー:
ミーナが真理愛様とララお姉ちゃんに言えば…揉めないですみそうだね。ララお姉ちゃんミーナには弱いし。
カイルス:
裁きは以上とする。 お姉ちゃんの治療の方はパリーヤー任した。 あと地上世界でもよろしく。
それと星界でのお姉ちゃんの侍女頼む。
エリアル:
治療呪文得意でしたよね? 意識失っているからまずは下ろして治療してから起こしてね。そのまま起こすとたぶんショック死しますのでぇ♪
パリーヤー:
はい‥‥。
カイルス:
終わり!閉廷!以上!皆解散!
パリー:
本当にパリーがお仕えしてよろしいですか? それも地上まで…
ミーナ:
パリーは私の専属メイドでしょ?
パリー:
説明の通りなら。専属メイドというものですね確かに。 でもウーラノス様とご一緒に居たいですよね。
ミーナ:
それは私のご主人様だからね。でもパリーのお姉さんのパリーヤーが専属の侍従についてくれるなら、私はみんなの主(あるじ)の役目もできるし。 パリーの主なわけでしょ?
パリー:
それは…嬉しいですけど…
ミーナ:
それに私のご主人様の気持ちが少し解ったから。 ご主人様って自分がなりたくてなるものじゃないんだって。
みんなに求められるから役割として成るものなんだって。 私のご主人様だって本当はただのメイド、侍従でいたい方だからね。
パリー:
あのウーラノス様が…
ミーナ:
ねえ、パリーと私って「そういう」関係。具体的にいうと肉体関係だったんだよね?
パリー:
そ‥そうですが‥。でもご記憶が無いわけですからご無理なさなくても…
ミーナ:
その上で聞くけど。パリーは私の事、女として好きなの?
パリー:
それは大好きというか愛していますというか‥‥いやいや! マティー様に対してそんな大それた事を…
ミーナ:
侍女の義務では無くて本当に私の事を好きみたいね。
パリー:
あうぅ…スイマセン…
パリー:
あの…そんなご無理をなさらなくても…。以前のマティー様はわたくしの好意を知ってあくまで慈悲で相手にしてくれていただけですので…マティー様自身はそこまで積極的な
ミーナがパリーの耳からうなじに指を這わす
パリー:
ひぃぃ!
ミーナ:
悪いけど、以前のそのマティーみたいに、私はそんなに淡泊じゃないの。
パリー:
はう…!
ミーナ:
この世界に来てずっと一人で寝てて寂しくて。今日はやっとご主人様に再会できて…ご主人様のこと抱けると思ったのに…パリーヤーにあげちゃったし~♪
パリー:
そうですよね…寂しいですよね…ひぃ!
ミーナ:
そしてパリーは私の専属の侍従で私の事が好き。
パリー:
はい‥パリーの魂はすでにマティー様のものです
ミーナ:
なら私の自由にして良いよね?
パリー:
…はい自由にして下さってかまいません。いえ…どうかパリーの事を自由にして下さい。
梨緒:
この格好はダメでしゅ! 奥しゃまぁ…許してくだしゃい!
梨乃:
奥様と呼ぶ余裕があるなら、まだ大丈夫だね! ほらぁ
ぱんっ!
梨緒:
うぉおっ! あんっ! 中のクトリトリスの裏側あたりのとこがあ…いやああ!
それに…この格好…動物みたいで…恥ずかしい…です…
梨乃:
動物?人間だって動物。そして今やっているのは、その動物の生殖行為、繁殖行動。
動物が子孫をつくるための行動! その「真似事」!
ぱんっぱんっ!
梨緒:
そんなに膣内(なか)をえぐらないで下さい…なんか怖いデス…・
梨乃:
それは怖いよね! ほら!
ぐいぃいい!
梨緒:
いやご主人さまぁだめぇ!
梨乃:
ここが子宮頸部の子宮口! 梨緒の生殖器そのものへの入口! ここへ精液をいれると子宮底部で梨緒の卵と受精して着底して子孫が生まれる! その入口を梨乃の疑似男性器で突いてる!
梨緒:
ひぃ…
梨乃:
ほら梨緒のお腹を手で押すと!
梨緒:
ひゃぐぅ!
ぐちゅ♪
梨乃:
ほら挿入(はい)っているのわかるよね?
梨緒:
ひゃぁい…あの・・・ごしゅじんさまぁ…・動いて下さい・・・おねがい…いたしましゅ・・・
梨乃:
さっきから小さくはイってるけど、大きくイきたいんだ?
梨緒:
はい…そうです…お願い‥いたします‥
梨緒:
あぁんっ!あぁんっ!きもちいでしゅ! 天国にいましゅ!
梨乃:
まあここは地上世界から見れば天国みたいなものだよね
梨緒:
そ…そういう…意味では…なくて…です…ね…あんっ! ああっ!
梨乃:
わかっているよ…梨緒・・・はぁっ・・・はぁ…梨緒! ほら! イクよ!
梨緒:
はぁいっ!
梨乃:
うおぉおおお! あぁっ!
梨緒:
あぁんっ!あぁんっ! あぁあぁxxxxxxxxxxxxxx!あぁんっ
どぴゅっ!
梨緒:
はあ‥はぁ…あの・・・奥様?
梨乃:
はっあ・・・はっあ・・・何?
梨緒:
あのこれ本当に妊娠しないんですか? ゴム着けないで中出し、してましたよね?
梨乃:
子供・・・欲しいの?
梨緒:
それは・・・その…とりあえず今は困るなっと。学園とかあるし、お家(いえ)の事もあるし…まあ妾の子になっちゃうので‥‥
梨乃:
まずここは物質世界では無いし、梨乃は女だよ?
梨緒:
失礼しました…あっそうだ・・・余りに生々しかったので…完全に失念してました。
梨乃:
それで、この世界の中の子供だったら色々梨乃はメンドクサイ事になるけど可能?
梨緒:
えっ? だって電子空間でしょ? それに女同士
梨乃:
電子の世界で子供が作れるのか? それは「物質の人間を仮想化し人類社会それ自体を仮想化する為のスプロール」なんだから可能でないと困る。 それと生殖行為というのはある意味「遺伝子の交換行為」だから。そもそも遺伝子を設計して人工子宮で製造するバイオメイドが実現している時点で可能。 だからしようと思えば、梨乃と梨緒の子供をバイオメイドとして「製造」し物質世界で子供を持つことも可能。 ただ技術と設備では可能でもそれ以外の色々沢山の問題はあるけどね‥‥
梨乃:
くぅ~…
梨緒:
寝ちゃった…。 とりあえずシーツかけないと…
梨緒:
人類社会の仮想化? 仮想化ってソフトウェアでハードウェアを再現する技術の事だよね? 今のハードで仮想ゲームハードを入れると昔のゲーム機もってなくても昔のゲームを遊べるしアレだよね? それと人類社会とこのスプロールと何の関係あるんだろう?
‥‥梨緒も寝よう…
ヴェル:
皆様シートベルトをお確かめ下さい!
エステル:
はいですわ♪
フランソア:
エステルに朝一番に呼ばれていきなりこれ?
綾愛:
試験ダイブって事は、これ人体実験ということですよね?
エステル:
そういう言い方もできますわね♪
フランソア:
ヴェルだけじゃなく紅葉と悠里とすみれも開発に関わっているから大丈夫だよ・・・メイビー!
綾愛:
メイビーって…たぶんですか…
マリアンヌ:
綾愛、私達もすぐにあっちに行くのでほぼ同時に健在化するから、迎えも来てる予定だから!
真理愛:
あの何で来たらメルヴィーがいるんですか? そもそもマリが試験に立ち合う必要は…
メルヴィー:
ひぃ・・・
ニケ:
それはすぐにわかりますよ♪ニヒっ!
真理愛:
ちょっとマリとメルヴィーはこの試験!ボイコット!シックコール(病欠)! 辞退します!
ヴェル:
真理愛ちゃん、敵前逃亡は銃殺! あちらとのリンクタイムウェイト正常。では行先、スプロール高次元GRIDオリュンポスGRID連合アルカディアGRIDパルテノン神殿、執務ホール! ダイブイン!
幼いフランソア:
あれ?ここは・・・?
幼いエステル:
うぅ~ん…
幼いルゥナ:
あっ! お姉ちゃん達起きた!
ルゥナ:
見て見て! 習った花冠ルゥナ一人で出来たんだよ! すごいでしょ!
フランソア:
ルゥナ?・・・エステル?
エステル:
ルゥナさん? フランソア?
ルゥナ:
むぅ~! すごいって誉めてくれると思ったのに!
エステル:
すごいですわね
ルゥナ:
エステル様、気持ちがこもって無い・・・。まあ二人にとっては簡単なんでしょうけど。
ルゥナにとってはこの身体まだ慣れてないので指が上手く動かないのに、がんばってるんです! まあ良いよ!
折角つくったので二人にあげます!
フランソア:
ありがとう・・・
エステル:
ありがとうございますわ
ルゥナ:
ねえ大丈夫? 二人がお昼寝で熱射病になる事は無いだろうけどマモンの事呼んで来る?
フランソア:
マモンは屋敷にいて動けるの?
ルゥナ:
えっ? 動ける? うん、パパもマモンもお屋敷にいるけど。やっぱりルゥナ、マモン呼んでくる! あと喉乾いているよね? お水ももってくるね! 動かないでね!
エステル:
お願いいたしますわ
エステル:
フランソア、ここが電脳空間ですか? 真理愛さんや綾愛やメルヴィーさんは? それにカラダが・・・
フランソア:
感覚的にはサイバ-スペースの中。でも説明と違うし・・それにココは
エステル:
フィッツジェラルドのレンヌのお屋敷ですわよね・・・
エステル:
過去の記憶から作った疑似体験とか? 里緒奈さんが話して下さった記憶の檻でしたっけ?
フランソア:
違う。エステルと出会った頃にはルゥナはもう居なかったし。
エステル:
そうですわね。父上が亡くなってわたくしが当主になってから挨拶に出向いて初めてお逢いしたので。あの歳のルゥナさんとは会ってませんわ。
フランソア:
それに「パパ」ってダレ?
白髪のDRフィッツジェラルド:
あの二人がオカシイのはいつもの事ではありませんか
ルゥナ:
だから~そういうオカシイでは無くて!
DRフィッツジェラルド:
お二人とも大丈夫ですか?
フランソア:
えっ・・・マモン?
エステル:
Drフィッツジェラルドですの?
DRフィッツジェラルド:
本当にオカシイですわね。
ルゥナ:
でしょう。
Drフィッツジェラルド(以後Dr):
ほら焼けましたわよ♪
ルゥナ:
良い匂い!
エステル:
美味しそうですわね…(苦笑)
フランソア:
あはは・・・
フランソア:
フランソア、初めてマモンが料理をしているのを見た・・・それもパイとか・・・
エステル:
でも本当に見た目も香りも美味しそうなパイなのですが…
久遠さん曰くお母様はフランソアと同じダークマーターメーカーのはずでわ?
フランソア:
ちょっとエステル! ダークマターメーカーって何? エステルだってフランソアと同じでしょ!
エステル:
わたくしはフランソアと違ってティーパックで自分のお茶くらいは淹れられますわよ!
フランソア:
それお湯注ぐだけだよね!
Dr:
くすすっ♪ 二人とも何を言い争っているのですか(笑) フランソア、エステルちゃん、お茶にしますので悪いけれどパパを呼んで来てもらえるかしら? 地下の研究室か図書室のどちらかにいると思うから。よろしくね。
エステル:
はいマダム。 フランソアいきますわよ。
フンラソア:
うんマモン解った。
エステル:
フランソアの見解は?
フランソア:
論理迷宮(ロジックメイズ)だと思う。
エステル:
文献とフランソア、紅葉さん、里緒奈さん、ヴェルさんのお話でしか知識がありませんが、わたしくしも同意見ですわ。
フランソア:
一度、もう一人のフランソアから飛ばされた事があるあの世界だと思う。 違うのは・・・
エステル:
電脳通信はおろか、まったくAURORAが機能しない。オーバードライブもスイッチが入らない。
フランソア:
これじゃ身体能力が高いただの人間。
フランソア:
あの時(注)と違うのはいきなり襲われたりしないし、中にいるプログラムはこの世界の設定に合わせて行動しているなら友好的。 このお屋敷の中はとりあえずは安全。
エステル:
設定的にはわたくしと貴女は親友で休みに貴女のお屋敷に泊まりにきている。
フランソア:
マモンはマモンの師匠、ルスラン・デルポールと結婚。お互いの連れ子であるフランソアとルゥナは姉妹になった。でもフランソアとルゥナの歳の差がまるで違う。ルゥナはフランソアが初めてあったときは赤ん坊だったし、ルゥナは一時期マモンが預かっていたルスラン・デルポールの子供で。そもそもマモンと師匠のルスラン博士は結婚していない。
ここではフランソアもマモンもデルポール家にはいって、苗字がデルポールになっている。さらにマモンは結婚を機会にフランソア達の育児に集中する為に研究者を止め家庭に入っている。
エステル:
まるでパラレルワールドですわね。
フランソア:
今はそのあった事が無い、パパである「ルスラン・デルポール」を呼びに行かないと・・・うっ! 高い! というよりもフランソアこんなに背が低かったっけ?
エステル:
後ろから持ち上げましょうか?
フランソア:
どうにかなるから! えいっ!
エステル:
このエレベーターも懐かしいですわね。
フランソア:
お屋敷の構造は変わって無いから不便はないけど。 大体メイドもいないのにこのお屋敷広すぎなんだよ! ロボットが掃除してくれるから良いようなもので。
エステル:
それいつも言ってらしゃいましたわね♪ わたくしも久遠さんしかメイドがいないって聞いた時には驚きましたわ。
フランソア:
久遠がうちに来たのはエステルに出会う少し前だから・・・ここに居ないのは何故?
SE:
ぽ~ん!
男:
もうお茶の時間か?
フランソア:
うんマモンがパイ焼けたからみんなで食べようってパパ・・・を呼ぶようにって言われた。
男:
二人が呼びに来くれたのかありがとう。
エステル:
叔父様、お邪魔しております。
ルスラン:
いらっしゃい。
ルスラン:
お二人に無理やりお越しいただいた事を謝罪する。
エステル・フィルサイド・ド・ヌヴェール・エンパイアクラブオーナー連合評議会議長。
そして、フランソア・フィッツジェルド・二世・FORESTグループ総裁。
スプロール統合基幹システムの電脳空間へようこそ。
ルスラン:
二人ともそう怖い顔をするな。後でちゃんと来てもらった理由は説明するから。今は妻がパイを焼いてくれたんだろう? ルゥナを待たしたら悪い。 お茶に行こうではないか。
ニケ:
悠里さんが設置したビーコン補足!
すみれ:
AVALONエミュレーション機能正常稼働確認
ヴェル:
座標追尾完了!
里緒奈:
向日葵ちゃん準備して! そっちへ合わせるから!
解説:ヘーゲモネー(古希: Ἡγεμόνη, Hēgemonē)
ギリシア神話に登場する美と優雅を司る女神、カリスたち(カリテス)の1柱である。
その名は「女王」や「支配権」の意である。長母音を省略してヘゲモネとも表記される。
アテーナイで信仰されていたカリスたちは、アウクソーとヘーゲモネーの2柱の女神である
向日葵:
はい! ゴースト信号増幅開始!
紅葉:
エーゲGRID群のフォーマットに変調変換接続確認しましたわ
解説:テルース (Tellus) またはテラ (Terra)
ローマ神話に登場する大地の女神である。テルースとテラはいずれも、ラテン語で「大地」を意味する語で、近代ラテン語では「地球」も意味する(英語の earth と同様)。テラ・マーテル(Terra Mater、母なる大地)とも呼ばれる。
ギリシア神話のガイア(ギリシア語で同様に大地を意味する)に相当するが、ときにデーメーテールやケレースと同一視されることもある。
梨音:
それはあれだけのブレインダイブ能力がある里緒菜お姉ちゃんと、SQUID持ちの紅葉お姉ちゃんが電脳女神で無いわけないよね。 DRと優樹子ママがスプロール全体の安全の為に封印していたとは。
しかしここにきてニューロチップ内のリミッターを解除するとか・・・向日葵がアウクソーだと解った時にもしかして‥とは思ってたけどやっぱりヘーゲモネーが里緒菜お姉ちゃん。
そしてガイアティックブレイカーの使い手紅葉お姉ちゃんがテラか‥
フロリー:
これからは、なりふり構ってられない段階という判断でしょうね。
梨音:
総力戦ね・・・
幸:
オリュンポスGRID連合統合GATE解放! 最高電脳神管理者権限により! 超高次元転送機構点火!
システム起動します!
ニケ:
高次元意識転移来ます!
メルヴィー・綾愛:
ひぎぃっ!
真理愛:
あっ!
すみれ:
あれ?
真理愛:
痛い‥‥
メルヴィー:
お姉さまここが電脳空間?
すみれ:
あれ? 転移補足は5つだったはず?
ニケ:
フランソアオーナーとエステル議長が!
紅葉:
居ない?
Drフィッツジェラルド:
ヴェル二人の反応は?
ヴェル:
ロスト! スプロールの何処にもいないよ!
Dr:
わたくしはすぐに地上へ行き娘とエステルさんの地上の肉体を維持します。二人はスプロール内のどこかにいるはずですわ。捜索の指揮はウーラノス殿とアテーナー殿を中心にクロノスが補佐。
すみれ:
はい了解しました!
梨音:
了解です。
ヴェル:
わかりました! 師匠地上の肉体をお願いします!
Dr:
オリュンポスGRIDとしての判断が必要な時はディオーネ殿はデーメテール殿とヘーラー殿と相談して最終決定をして下さい!
幸:
畏まりました!
梨々衣:
わかりましたわ。
デメテル:
わかったのじゃ。
Dr:
転移!
紅葉:
フランソア・・・
マリアンヌ:
ご・・・ご主人様・・・
星美:
どうしよう!
優萌:
狼狽しない! 今はご主人様と梨音先輩の指示をまちましょう。
第五百九十五話 Shining SOUL おわり
〇次話
第五百九十六話 UniVerse 前編へ つづく