えんぱいあな日々(本編) 第五百九十ニ話 This game 後編 その11


ヴァルマ:
この地上の生活のチュートリアル動画の他にも大使館で契約しているメディアプラットフォームのコンテンツも研修期間中は観れるから。研修期間が終わっても観たいなら自分で契約する時の参考にして

梨乃:
動画に音楽に本に…おぉ~沢山あるぅ~♪

ヴァルマ:
チュートリアル動画は地上入植者用のパイロット版なんだ、だからこうした方が良いとか気付いた点を後で是非教えて欲しい。 サポートエージェントに聞いてもわからないことはすぐにボクのIDへ連絡して。
まあ梨乃はコアGRIDで生活していたから風習と地上の肉体の生理代謝部分の違いしか無いだろうけどね。

梨乃:
とても解りやすい説明に、サポートがこれだけそろっているとか驚きました。

星美:
全部ヴァルマくんが‥‥地上へ来る人たちの為に‥今準備してるの!

梨乃:
すごいですね。

ヴァルマ:
すごいのはキミだよ。地上のAURORAの飲み込みが早くて関心した

アトロポス:
わたしなんかまだダイレクトメッセージで戸惑っているのに…

梨乃:
AURORAは得意♪

梨乃:
星美お姉ちゃんは、星界ではアトロポスお姉ちゃんの上司のアナンケー様で、ヴァルマくんがそのアナンケー様が治めているアルカディアGRIDの行政監理官?

アトロポス:
はいうちのモイライ神殿の主神様であるアナンケー様です…お兄ちゃんが‥まさかアナンケー様に手を出してるとは…

星美:
よろしく…おねがい…いたします…妹様。 

ヴァルマ:
星美、妹様って何ですか。 ボクはスプロール監視機構よりアナンケーが治めるアルカディアGRIDの行政監理官をまかされていて、地上では各大使の補佐をする職員さん。

星美:
だって…星美は末妾だから、実妹の‥‥アトロポス様や梨乃様の方が‥ずっとずっと偉いし…

アトロポス:
アナンケー様、良いですか?

星美:
なんで・・・御座いましょうか…アトロポス様

アトロポス:
はぁ‥‥何度も言ってますが「様」をつけるのはヤメテ下さい。 貴女様はモイライ神殿の主神様で私は貴女様の従神です。それに敬語と様付けは…

星美:
いえいえ、星美はお兄ちゃんの数いる妾の一番下です。アトロポス様は…お兄ちゃんの実妹。 小姑様です。 それに星界のモイライ神殿の業務の時だって、星美はクロトさんが出した番号の設計図と材料をセットして、動かすだけの単純作業員と動力源。 乾電池?発電機くらいの価値しかない。 クロトさんやラキシスさんやアトロポス様が熟練職人。 

ケルブ:
まさに家内制手工業だな

ヴァルマ・梨乃:
あははっ!

アトロポス:
モイライ神殿は零細生命の糸工場ですか…

星美:
あと普段は星界地上問わずヴァルマくんがいなければ…星美は何の価値もない存在なので・・・星美はヴァルマくんのオマケ? 付属品? ですし

ヴァルマ・梨乃:
あははっ!

アトロポス:
その付属品の従神やっている私とかどうなるんですか? それ言ったら私の神殿での普段のお仕事ってラキシスお姉ちゃんが図った糸をチェックしたり、糸車の動作を手助けしてるだけですし私も単純作業員ですから

ケルブ:
まさにマニュアファクチュアでオリュンポスGRID連合の電脳意識体は生み出されているということだな!

ヴァルマ・梨乃:
あははっ!

アトロポス:
モイライ零細生命の糸工場の単純作業員同士お互い様をつけるのはやめましょう。あと梨乃も新人ですし。 どうですか?

星美:
そうだね。そうしよう。 三人はお互い様付けなしで。

梨乃:
はいっ! あははっ!

ヴァルマ:
あははっ!

ヴァルマ:
明日の検査の結果が良かったら退院できてその後は新人のメイドに交じって普段のメイドとして社会生活を体験する研修に参加してもらう事になるそうだから。すぐに生活に慣れるよ。

星美:
研修はお姉ちゃん達がやってるんだけど、星美やヴァルマくんも手伝ってます。 できるだけ・・・手助けします。梨乃のお姉ちゃんのアトロポスも・・・参加してますから・・・安心して下さい。 メイドのトモダチも出来ると…思う。

梨乃:
はいよろしくお願いします。 トモダチ…できたらいいな。楽しみにします。 本日は本当にありがとうございました。

ヴァルマ:
あっ言うの忘れてた、地上へようこそ梨乃

星美:
地上へようこそ、明日また来る!

梨乃:
はいっ!

アトロポス:
沢山色々人が来ちゃってゴメンね、疲れてない?

ケルブ:
無理してないか?

梨乃:
大丈夫だよ。楽しい優しい人ばかりで。 あと地上って聞いた時に不安だったけど、今は逆にすごく楽しい! 食べ物もおいしいし。一番不安だったトイレもちゃんとできたし! 物質のカラダも大丈夫だと思う。
他はコアGRIDとだいたい変わらないし。地上って良い所だね

アトロポス:
気にいったのなら良かった。

アトロポス:
大丈夫そうなら、クロト姉さまがヘーラー様とアテーナー様、地上名、梨々衣さんと梨音さんを連れて来てるからあってくれる?

梨乃:
あの先代の同性の恋人の梨々衣さんとクロトお姉ちゃんの主(あるじ)様の梨音さん。

アトロポス:
うんあと数人!

梨乃:
大丈夫だよ

梨音:
なんでエミリーがいるのさ

エミリー:
私、ここの職員なので、仕事です。

梨花:
お嬢様エミリーが衛生メイドだって忘れてますよね‥‥まあそういう私も時々忘れますが。

向日葵:
梨音、もう病室ですよ(苦笑)

クロートー:
(苦笑)…アトロポス、梨乃! 連れてきたよ!

アトロポス:
皆さんお疲れ様です。

梨乃:
この方達が。 わざわざ来ていただき嬉しいです。

向日葵:
ひぃぎゃふぅぅ!

クロートー:
向日葵様ぁ!

梨々衣:
向日葵!

梨花:
シッカリしろ! メディック! 衛生兵!

エミリー:
これはマズイ!
梨々衣、クロト! 梨花とアタシで向日葵を支えているからそこのソファーを後ろに動かしてくれ! 寝かせるから!

梨々衣:
はい! クロトさん!

クロートー:
はいっ!

梨音:
梨音何やっておりますの!? 向日葵が・・!!

梨音:
‥‥ほへぇ・・・

クロートー:
ご主人様?


その12へ続く