第五百九十五話 Shining SOUL 前編 その1
バハーラク:
ウマクサマンダ、ボダナン、バク!
バハーラク:
どうですか?変化ありました?
ミーナ:
何もないかな…
ティシュル:
はぁ~(溜息)
ボルール:
やはりポンコツ治療師では無理か。
バハーラク:
ポンコツとは何よ! そもそもこういうのは魔具賢者の領分でしょ? 私は治療師よ!
ボルール:
使え無いのは変わらない。
ティシュタル:
どうにかしてペルセポリスに戻るしかないかな
ドルリ:
皆さん、コーヒーを淹れましたので一旦気分転換をしましょう。
ティシュル:
本当に覚えて無いですか?
ミーナ:
はい。正確にはこの星界のことは一切記憶にないです。先ほど説明して頂いた通りなら、皆様が言う物質世界、地上での記憶というのは寝る寸前まで生々しく覚えております。
ティシュタル:
生々しいんですか…
バハーラク:
お話の通りなら、地上でのミーナ様というのがこちらの電脳女神スプンタアールマティ様の地上の肉体であるのは間違い無いとおもいます。スプロール連合総会の研修会に出た時の説明通りなので。ただその場合でも電脳神が普段身につけている魔具、インテリジェントデバイスにこちらの記憶があるので普通は融合するはずなのですが‥‥
ミーナ:
AURORAの機能、あまり地上でも私使ったことなくて…苦手でてへっ…
ドルリ:
お茶の時間くらいは少し休みましょう。気分転換になりませんよ? 良い考えも煮詰まっていると出ませんし。
バハーラク:
ゴメン
ボルール:
ドルリ随分コーヒー美味しくなったな。苦みが減ったな
ドルリ:
えへっ。砂糖を寄進で頂いたのでたっぷり入れました。
ミーナ:
たしかに濃いかも? エスプレッソぽいよね。 濃いコーヒーが苦手ならミルク入れてラテぽくすると良いかも。
ドルリ:
えすぷれっそ? ですか? ミルクはヤギの乳とか?
ミーナ:
えっと、エスプレッソとは地上のイタリアって場所での飲み方でエスプレッソの意味は「注文ごとにとか、一杯つづ特別に」という意味です。 濃いコーヒーなの。それとミルクは牛さんの乳かな。 ヤギさんの乳もあるかもだけど…私は飲んだ事ない。
ドルリ:
なるほど! ペルセポリスに帰れば手に入るので今度やってみます。
ボルール:
それなら私でも美味しくいただけそうだな。
ティシュタル:
地上世界にもコーヒーがあるんですか?
ミーナ:
うんあるよ。 それも色々なコーヒーの飲み方や豆がある。 電脳世界、星界にもコーヒーがあるってびっくりした。
ドルリ:
ティシュタル様、コーヒーは元々地上での飲み方でオリュンポスGRIDの勝利の電脳女神ニケ様が星界でアポローン様の為に再現してそれがアテナイのアクロポリスで評判になって、全星界で広まったものですよ。
バハーラク:
コーヒーもオリュンポスGRID連合が発祥なの? さすが大国。 うちみたいな小国はとは違うわ。
ミーナ:
ねえ、そのオリュンポスの勝利の電脳女神ニケ様って、ニケ・ヴィクトーリア様の事?
ティシュタル:
いまドルリが言ったニケ様は、まさにその、ヴィクトーリアは勝利の女神の意味です。そのニケ様もしくはニーケ-様とお呼びするときもあります。
ミーナ:
あのさ、そのニケ様、もしくはオリュンポスGRIDの電脳神の誰かでも良いだけど連絡とかつける手段ある?
バハーラク:
ペルセポリスの本神殿には大神ウーラノス様が設置して下さったポータルがあるので神官と聖戦士以上はAVALONGRIDに接続してますので、オリュンポスGRID連合のアテナイアクロポリスのパルテノン神殿とアルカディアGRIDのメガロポリスのパンティオン神殿へ行く事が可能ですが。
ミーナ:
ポータルってテレポータみたいなものだよね? 転移、シフトとか言うんだっけ?
バハーラク:
まさにそれです。今では各GRIDをそれが繋いでいてとても便利になりました。
ミーナ:
ニケ様と幸様とカイルスの解説の通りだ…あの時は意味わからかったけど…解った。大神ウーラノス…ご主人様だ…
ティシュタル:
ご主人様? まさかカイルスってウーラノスGRIDの電脳女神にしてオリュンポスGRID連合至高電脳神ディオーネ様の騎士電脳女神のカイルス様?
ミーナ:
ねえペルセポリスって遠いの? すぐ行けない? さっき言ってたポータルとか‥
ティシュタル:
けっこう遠いですね…うちの国は小国なので神殿同士をつなぐポータルの設置とか予算的に頼めませんし。 移動は徒歩ですから…まあそれ以外にも色々問題がありまして。
ミーナ:
問題?
その2 へ続く