第五百九十五話 Shining SOUL その19


Drフィッツジェラルド(以後Dr):
ほら焼けましたわよ♪

ルゥナ:
良い匂い!

エステル:
美味しそうですわね…(苦笑)

フランソア:
あはは・・・

フランソア:
フランソア、初めてマモンが料理をしているのを見た・・・それもパイとか・・・

エステル:
でも本当に見た目も香りも美味しそうなパイなのですが…
久遠さん曰くお母様はフランソアと同じダークマーターメーカーのはずでわ?

フランソア:
ちょっとエステル! ダークマターメーカーって何? エステルだってフランソアと同じでしょ!

エステル:
わたくしはフランソアと違ってティーパックで自分のお茶くらいは淹れられますわよ!

フランソア:
それお湯注ぐだけだよね!

Dr:
くすすっ♪ 二人とも何を言い争っているのですか(笑) フランソア、エステルちゃん、お茶にしますので悪いけれどパパを呼んで来てもらえるかしら? 地下の研究室か図書室のどちらかにいると思うから。よろしくね。

エステル:
はいマダム。 フランソアいきますわよ。

フンラソア:
うんマモン解った。

エステル:
フランソアの見解は?

フランソア:
論理迷宮(ロジックメイズ)だと思う。

エステル:
文献とフランソア、紅葉さん、里緒奈さん、ヴェルさんのお話でしか知識がありませんが、わたしくしも同意見ですわ。 

フランソア:
一度、もう一人のフランソアから飛ばされた事があるあの世界だと思う。 違うのは・・・

エステル:
電脳通信はおろか、まったくAURORAが機能しない。オーバードライブもスイッチが入らない。

フランソア:
これじゃ身体能力が高いただの人間。

フランソア:
あの時()と違うのはいきなり襲われたりしないし、中にいるプログラムはこの世界の設定に合わせて行動しているなら友好的。 このお屋敷の中はとりあえずは安全。

エステル:
設定的にはわたくしと貴女は親友で休みに貴女のお屋敷に泊まりにきている。

フランソア:
マモンはマモンの師匠、ルスラン・デルポールと結婚。お互いの連れ子であるフランソアとルゥナは姉妹になった。でもフランソアとルゥナの歳の差がまるで違う。ルゥナはフランソアが初めてあったときは赤ん坊だったし、ルゥナは一時期マモンが預かっていたルスランデルポール家の子供で。そもそもマモンと師匠のルスラン博士は結婚していない。  
ここではフランソアもママもデルポール家にはいって、苗字がデルポールになっている。さらにマモンは結婚を機会にフランソア達の育児に集中する為に研究者を止め家庭に入っている。

エステル:
まるでパラレルワールドですわね。



フランソア:
今はそのあった事が無い、パパである「ルスラン・デルポール」を呼びに行かないと・・・うっ! 高い! というよりもフランソアこんなに背が低かったっけ?

エステル:
後ろから持ち上げましょうか?

フランソア:
どうにかなるから! えいっ!

エステル:
このエレベーターも懐かしいですわね。

フランソア:
お屋敷の構造は変わって無いから不便はないけど。 大体メイドもいないのにこのお屋敷広すぎなんだよ! ロボットが掃除してくれるから良いようなもので。

エステル:
それいつも言ってらしゃいましたわね♪ わたくしも久遠さんしかメイドがいないって聞いた時には驚きましたわ。

フランソア:
久遠がうちに来たのはエステルに出会う少し前だから・・・ここに居ないのは何故?

SE:
ぽ~ん!

男:
もうお茶の時間か? 

フランソア:
うんマモンがパイ焼けたからみんなで食べようってパパ・・・を呼ぶようにって言われた。

男:
二人が呼びに来くれたのかありがとう。

エステル:
叔父様、お邪魔しております。

ルスラン:
いらっしゃい。

ルスラン:
お二人に無理やりお越しいただいた事を謝罪する。 
エステル・フィルサイド・ド・ヌヴェール現エンパイアブオーナー連合評議会議長。
そして、フランソア・フィッツジェルド・二世・FORESTグループ総裁。
スプロール統合基幹システムの電脳空間へようこそ。

ルスラン:
二人ともそう怖い顔をするな。後でちゃんと来てもらった理由は説明するから。今は妻がパイを焼いてくれたんだろう? ルゥナ達を待たしたら悪い。 お茶に行こうではないか。


その20 へ続く