第五百九十六話 UniVerse 前編
〇前話
フランソア:
この世のモノとは思えない美味しさ!
エステル:
このオレも美味しいですわ!
ルスラン:
ママのコーヒーもケーキも愛情の入り方が違うんだな。毎日ありがとうママ。
白髪のDrフィッツジェラルド(以後Dr):
どうしいたしまして! 愛するアナタと娘達の為ですもの!
ルゥナ:
あの多感な時期の娘達の前で見せつけるのは勘弁してほしいんですが‥‥
ルスラン:
それで話が変わるがルゥナ。さっきまでフランソアとエステルちゃんと遊んでたそうだが、パパがチェックする約束の学園の宿題はどうした?
ルゥナ:
あの・・・もうちょっとたったらやろうかと思って・・・
フランソア:
ほうなるほど。宿題しないでお姉ちゃん達と遊んでたと?
エステル:
あらあら♪ これはわたくし達にも責任がありますわね。 どうしましょうか…? ねえルゥナさん♪
ルゥナ:
エステル様、笑顔なのに目が笑ってない・・・
ルスラン:
ママ。夕食の準備の前に少しルゥナの勉強を見てもらえないかな?
Dr:
はいわかりましたわ。
ルゥナ:
マモンに勉強を・・・?
フランソア:
フランソア達の方が良い?
ルゥナ:
マモン、ごめんお願い。
ルスラン:
今日は仕事に余裕があるんでね。折角エステルちゃんが来ているから見たいと言っていた私の例の装置の試作品がレンヌの第二研究所にあるんだ。フランソアと一緒に見に行かないか? 社会科というより科学科見学だ。
エステル:
まあ叔父様、嬉しいですわ。フランソア良いですわよね。
フンラソア:
うん良いよ。
この後、二人と少し出て来る。帰りにマーケットでソーセージを買ってくるから。夕食はそれにしよう。
ルゥナ:
パパとお出かけ?! マーケット! ルゥナも・・・
Dr:
ソーセージにするなら、わたくしはサラダだけ作ればよろしいですわね、楽できますわ。その分、ルゥナは宿題がんばりましょうね♪
ルゥナ:
・・・はい・・・うぅ…
Dr:
マーケットに行って下さるならマスタードがそろそろ切れるのでいつものを瓶で買って来て下さいませ。
ルスラン:
解った。
エステル:
あのこれ本当にサイバースペースなんですの? カラダが今のわたくしの半分の年齢の時に変わっていなければ区別がつかないのですが…住民も普通にいますし。
フランソア:
あれもマモンと同じでプログラムだと感じる。 しかしお屋敷の敷地の外も有るとはね。
エステル:
フランソアはココに来た時も感覚的にサイバ-スペースの中と言ってましたけど、わたくしには区別がつかないのですが‥‥何故解るのです?
フランソア:
理由はワカラナイけど「感じる」の。あのマモンも住民もこの景色も良くできた偽モノ。 写真で写った模型と本物の風景を撮ったモノとの違いみたいな?
エステル:
本当に感覚的に言いますわね…
フランソア:
それでデルポール博士の幽霊。本当にレンヌまで行くの? この「箱庭」そこまであるの?
ルスラン:
行くよ。まあ私の箱庭もそこまでしか創ってないがね
エステル:
箱庭? 幽霊? フランソアのお母様や優樹子博士が言う、電子の幽霊と言う事ですの?
フランソア:
生身の肉体が無いからねコレ。
ルスラン:
コレとは失礼ではないか? コレでもキミのパパだぞ。
フランソア:
ふざけない、フランソアにパパはいない!
ルスラン:
ふざけては無いんだがな。
フランソア:
フランソアはマモンの生体パーツで!
エステル:
フランソア、相手に飲まれてます、この方は瑠莉さんと一緒の人種ですわよ
フランソア:
!?
フランソア:
むぅ…ここにはもうマモンもルゥナもいない話しよう。
ルスラン:
別にそれだけの為に屋敷を出て来たのではない。 キミ達に会わせたい人達がいるんだが、あの屋敷ではマズイのでな。
エステル:
会わせたい人達ですの?
ルスラン:
そうだ。
フランソア:
ここ古い教会じゃなかった?
エステル:
天秤の看板? 薬局? 法律事務所?
ルスラン:
一応教会ではあるな。 さあ入ろう。
ぎぃ~バタン♪
ルスラン:
二人をお連れしたぞ。
フランソア:
ほう・・・
エステル:
あぁ~・・・
瑠莉:
ようっ! スマンネ、こんな所まで呼び出して。 実は‥‥
フランソア:
やはりご主人様が今回の事態の元凶。
瞬間的に現れたケースから超速度でP90とコンバットブレードを抜き去りケースを落とすフランソア
エステル:
ならアレを倒してしまえば、わたくし達はみんなの所へ戻れるというわけですわね。
ルスラン:
キミ達、どこからそれを取り出した?
瑠莉:
キミ達! 落ち着いて話し合おう! 話せば解る!
フランソア:
前にも言ったけどソレを言った昔の日本の首相は頭撃ち抜かれて死んだよ!
話し合って解る事は無いという日本の言葉! 同じように頭撃ち抜いた上に首と手脚切り離してご主人様でも生体再生できないようする!
エステル:
マリアン今すぐ瑠莉さんを始末してそちらへ行きますわよ!
ルスラン:
あぁぁ‥‥
フランソア:
オーバードライブが無くても!
エステル:
わたくし達二人のコンビネーションなら!
フランソア:
いくらご主人様でも!
エステル:
逃しませんわ!
フランソア:
ゼロ距離で頭に全弾叩き込む!
エステル:
同時に延髄と!
フランソア:
手脚と脊髄神経を切断!
瑠莉:
速い!! 死角からで動きが見えない!
カシン!
エステル:
止められましたわ!
アストライアー:
わたくしの神殿でナニをやっておりますの! いくら貴女でもご遠慮なさって下さいませ。
フランソア:
もう一人のフランソア?!
エスエル:
この方がおしゃってた?
エステル:
わたくし達の武器が消えた?
フランソア:
フォチュナーの特殊能力デバイスブレイカー! それフランソアのデバイス!
アストライアー:
普段は貴女がわたくしから借用しているだけでございましょう。
瑠莉:
アストライアーさん、助かりました。
アストライアー:
ミストレス瑠莉。だからわたくしは反対したのに。
瑠莉:
スイマセン・・・
エステル:
電脳神、スプロールの星乙女、アストライアー様?
アストライアー:
わたくしの神殿へようこそ。 手荒くなりましたが歓迎いたしましたわ。
フランソア:
アストライアー‥あれどっかで・・・
瑠莉:
フランソアさん。 貴女のニューロンチップシステムの名前でしょ?
フランソア:
あっ! そうだ!
アストライアー:
たしかにルスランの言う通り、この二人もこのまま融合というわけにはいきませんわね。
アストライアー:
お飲み物とお茶菓子、マーケットで買ったモノなので、市民と同じものですのでお口に合うかどうか・・・
フランソア:
とても美味しいよ!
エステル:
マーケットで自らお買いになるですか…
アストライアー:
はい。わたくしの唯一の臣下のイーリスはオリュンポスと地上に送ってしまって、ここには普段わたくし一人しかおりませんので。簡単なモノしか作れませんか自分で全てやっております。
フランソア:
唯一の臣下・・・メイドをフランソアの所に送った? それでここに独りで住んでるの?
エステル:
お作りになるということは自炊されているんですの?
アストライアー:
まあ見てのとうり小さい神殿ですし信徒がいるわけでもありませんので経営的にも贅沢はできませんしね。
フランソア:
もう一人のフランソアって貧困生活? でも自炊している段階で女子力で完全敗北‥
エステル:
電脳女神様ですよね? それも法執政システムの最高管理責任者
アストライアー:
はい。わたくしの報酬はスプロール連合から頂いているのでわたくしが不自由する程ではないのですが・・・
ルスラン:
アストライアーは管理するGRIDが無いので住民の租税収入がな。 しかし法の公正性を担保するために自分が企業運営に関わるわけにも・・・
フランソア:
ちょっと! パパもご主人様も寄進しようよ! パパはここの全体の土地もってるから住民から租税収入あるよね? ご主人様だってドコの世界に行っても商いしてないわけないし!
瑠莉:
まあ確かに新規GRIDの整備事業とかは手掛けているので…
フランソア
地上では英国のセントジョージ第六教会やうちの白杜神社に寄進しているのに、もう一人のフランソアを・・・
ルスラン:
あのな、私らだって寄進する意思はあるんだが、断られて受けてくれないんだ。
瑠莉:
どっかの誰かと同じで一度決めた事はガンとして曲げないというか‥‥
アストライアー:
ルスランにはこの神殿の土地と建物を無料で使わせて頂いていてますし、ミストレス瑠莉にはわたくしの代わりに色々な事をやっていただいておりまして。これ以上は受け取れませんわ。
ルスラン:
こう言って聞かないのだ。
フランソア:
謙遜も美徳というけど、そんな事ないから! 余裕がないと判断を誤るから! 人の人生が関わるような判断をする仕事をしているんでしょ? それを間違えたらどうするの?
アストライアー:
そうですわね…
瑠莉:
言うようになったねフランソアオーナー。
フランソア:
それはどっかの誰かに苦労押し付けられてますから! パパ聞いてよこの人、妻のフランソアと紅葉と絵里奈さんを置いて詩織さんと高飛びしたんだよ! とっても酷い人なんだよ!
瑠莉:
キミだって勝手に紅葉さんと決めて家から籍に抜いて私の事を捨てて! それに結婚した上に寄りにも寄って紅葉さんを自分のメイドに! 私がどんな気持ちだったか!
フランソア:
ご主人様が捨てられるような事したからだよ! 紅葉をメイドにしたのは、紅葉がフランソアのメイドになるって聞かなくて「仕方なく」だから! パパ何ヘラヘラ笑ってるの!
エステル:
あのフランソアも瑠莉さんもお互い色々不満があるのはわかりますが、ここは教会です痴話喧嘩は・・・
アストライアー:
わたくしは宗派は持っておりませんので教会ではなくて神殿ですわ
エステル:
そこ突っ込みはいるのですわね‥それでフランソア、デルポール博士をさっきからパパと呼んでますがよろしいのですか?
フランソア:
地上では死んだかもしれないけどフランソアのパパなのは変わらない。 パパとマモンの子だけど愛人の子だしね。たしかに籍は死んだと同時に養子としてフランソアだけしかデルポール家には入ってないけどね。
それもルゥナが当主なわけでフランソアはフィッツジェラルド家があるからルゥナが大人になるまでという条件付きだったけど。
エステル:
・・・‥‥
フランソア:
何この記憶! フランソアはパパとマモンとルゥナと四人であのお屋敷に暮らしてた? でもこの世界のルゥナの歳が合わない? この世界のルゥナよりはもっと小さい時だ…
もう一人のフランソア! 貴女、フランソア達に何を食べさせたの?
エステル:
でもわたくしは何も変化は
アストライアー:
フランソアの記憶の鍵が少し交じっているだけのものです。エステルさんには影響ありませんわ。
フランソア:
でもこれ・・・フランソア見たことある‥‥どこで‥‥あっ! すみれと初めて会った時。ウーラノスのコックピットの中で!(注)
ルスラン:
それはすみれちゃんのニューロチップ「O.U.R.A.N.O.S」の中にあった、わたしの記憶の残滓だろう。 フランソアとすみれちゃんの統合システムを創ったのは私だからね。そのスプロールコアネットワーク記憶システムの根底はわたし記憶がベースになっているから…記憶が封印処理中のすみれちゃんと接触したフランソアがそのベースネットワークに一時的に接続してわたしと自分の最後の記憶を覗き見たんだろう。
解説: 第五百六十話 GIANTSTEPの最後の方で記憶をすみれを救出するシーン時にすみれのインテリジェントデバイスのバイオレットとフランソアのデルポール家のマスター認証デバイスであるコインのペンダントが反応して一瞬だけ見えたフランソアの過去の記憶のシーンの事。
フランソア:
でわパパの記憶なら…本当の過去。
ルスラン:
そうだ・・・お帰り私の娘、フランソア。
エステル:
あのわたくし達をこの世界に無理やり召喚したのはフランソアの記憶の修復の為ですか?
瑠莉:
もっと重要な事があるんで呼んだのだが、それを理解するのにフランソアの記憶が揃っている方が良いと思ってな。
アストライアー:
その担当者がいるのですが只今会議に出ておりまして。 到着している予定だったのですが・・・
ルスラン:
随分遅いな
ルシフェル:
あの野郎~! 望み通り戦争じゃボケっ! 叩き潰してやる!
ユースティティア(注):
アプロディーテ落ち着いて下さいませ!
ルシフェル:
ティティアこれが落ち着いてられるっか! アテーナーやウーラノスならその場でクラッシャー撃ち込んでるわよ!
エステル:
あっ!
フランソア:
るーちゃん?
注:ユースティティア(Jūstitia あるいは Iūstitia)
ローマ神話に登場する女神。名前はラテン語で「正義」を意味する。
正義の女神であることから、裁判所などでは、天秤と剣を手にし目隠しをしたユースティティア(あるいはテミス)の像 (Statue of Lady Justice または Statue of Jusctice) を飾る習慣がある。
ユースティティアの像は日本の最高裁判所にもある。ただし日本の最高裁判所にある像の様に目隠しされていないものもある。
ギリシア神話のホーラー(ホーライ)の一人ディケーや、その母で掟の女神であるテミスと同一視される。また、アストライアーとも同一視され、おとめ座の女神とされる。
ユースティティア:
すいません会議が紛糾してしまい遅れてしまいましたわ。
イーリス、地上名イリーシャとテミスが所属しているホーライGRIDのホーライ神殿とデーメテール筆頭大使とニケが所属している乙女宮に所属しております、電脳女神のユースティティアと申します。 長いのでティティアと呼ばれているのでそれで構いませんわ。
エステル:
ユースティティア、ティティアってもしかしまして・・
ユースティティア:
はいマスターのAURORAのエージェントデバイスの御役目もしてますので…ようこそスプロールへマスター
ルシフェル:
かっ・・・
フランソア:
初めましてティティア・・・初対面の気がしませんが。フランソアです。今後ともよろしく。それでるーちゃん、かっ?
ルシフェル:
可愛い!! エステル議長さん、可愛すぎる!
エステル:
あのルシフェルさん、目が怖いですわ‥‥身の危機をなぜか感じます・・・
フランソア:
エステル・・・るーちゃんはエステルと同じ百合ロリコンのちょろいお姉さんだから! 特に今のエステルの姿は超ド級のストレートだから!
ユースティティア:
アプロディーテ?
ルシフェル:
メーを与えなければ永遠にこの世界では容姿とサイズはこのまま‥‥そしていまのエステル「ちゃん」ならこの私でも我が神殿に監禁できる・・・あとはゆっくり調教をすれば‥
エステル:
えっ? わたくしを監禁? 調教?
フランソア:
パパ、もう一人のフランソア! ご主人様! フランソアの親友が!
ルスラン:
これは東洋のゴマか?
アストライアー:
意外と美味しいですわね
瑠莉:
触らぬ魔王に祟りなし。
ユースティティア:
助けて下さいよ!
ルシフェル:
エステルちゃん、お姉さんと良い所行こう
エステル:
カラダが動きません!
SE:
シュン!
アトロポス:
やはり戦いは避けられませんかね‥
イリーシャ:
実際に軍が集結し始めて侵攻の準備しているからな。
フランソア:
イリーシャ! アトロポス! 助けて! るーちゃんにエステルが拉致された上に監禁されて性的調教される!
ルシフェル:
イリーシャ・・・アトロポス・・・
アトロポス:
先代、何やってるんですか?
イリーシャ:
ご主人様わかりました。 いま丁度、パンティオン神殿に梨々衣、梨音、テミス、レスフィーナ、すみれ先輩、花恋先輩が揃っているので、すぐに高次元転移で連行し神々の誓い違反で即時裁判と刑罰の執行をいたします。
フランソア:
神々の誓い、オリュンポス追放ってそのメンバーだと魂の消滅不可避! 追放ってそういう意味?!
エステル:
あの川の水を飲んで誓うという?
ルシフェル:
いやいや冗談だって! 未遂だし!
イリーシャ:
テミスがいるんでそういうのは執行前の最終弁論で述べて下さい。
アトロポス:
アナンケーの供炉で燃やせる遺灰は期待できませんね…
ルシフェル:
ティティア、弁護をお願いできないかな?
ユースティティア:
わたくしは検事であって弁護士ではありません。 わたくしが会議の件の結果の状況説明は女神達にするので。 二人は法と秩序の番人たるホーライとモイライの名のもとに容疑者を連行して下さい。
イリーシャ:
畏まりましたユースティティア先輩。 さあ魔王いきましょうか。
アトロポス:
連行いたします。
ユースティティア:
申し訳ございません。わたくしとアプロディーテーでは彼の者 (かのもの)達を止められませんでした。
瑠莉:
ティティアとルーシーで止められないなら、他の誰でも無理だよ。気を落とすな
ルスラン:
ご苦労さん。
アストライアー:
今、イーリスとアトロポスが見て来てくれた状況を拝見しましたがこれでは至高神のマウ=リサ殿も下の者を押えられない状況にすでになっていると思いますわ。 どちらにしても侵攻は時間の問題だと思います。
瑠莉:
さて担当検事がやっと来たので始めるが。 最初に単刀直入に聞く・・・フランソア、エステルくん。 君達二人はホモサピエンスとホモデウスを含めた全ての人類を滅ぼす気なのか?
エスエル:
わたくし達が
フランソア:
全ての人類を?
エステル・フランソア:
滅ぼす?
レスフィ-ナ:
皆様がスプロールに意識転送しようとしたスプロール至高管理電脳神のエンリル・地上名フランソアさん、並びにスプロール至高管理電脳神アッシュル、地上名エステル議長のコア意識体ですが、緊急事態の為にスプロール最高管理責任電脳自らが確保し現在スプロール統合基幹機構用特別領域で保護していると報告がありました。
マリアンヌ:
ご主人さまが・・・アッシュル(注)様? フランソアさんがエンリル(注2)様?
すみれ・フロリー:
ぁぁ‥‥‥‥‥‥‥‥
真理愛:
電脳神って色々な神様が由来で名前が着いているだよね? ナニそのエンリル? アッシュルって?
注:アッシュル 𒀭𒀸𒋩
古代メソポタミアのアッシリアで崇拝された神。アッシリアのパンテオンにおいて最上位を占め、アッシリア王に王権を付与する神として位置づけられていた。アッシュルは古くからアッシリアにおける最高神
注2:エンリル 𒀭𒂗𒇸
古代メソポタミア神話に登場するニップルの守護神。シュメール・アッカドにおける事実上の最高権力者。
エンリルは実に畏れ多い神だったようで、姿そのものだけでなく身から発する畏怖の光輝「メラム」すらをも(それも神々でさえ)見ることは叶わなかったという。
エンリルを直に目視できた者が少なかったことや、風や大気といった絵的に表現しにくい神格を宿していたために、エンリルのはっきりとした図像は確認されていない
その性格は短慮で激情家、人間に対してだけでなく神々の間ですら問題を起こすような我の強い神だった
しかしこれらの破壊的・暴力的な側面は、エンリルに宿る神格を考慮すれば当然のことでもある。嵐や風と密接に結びついていると言ってもよい。大規模な撃滅を招く一方で、嵐は恵みの雨をもたらし、風は季節の変わり目を伝え帆を膨らませ植物を受粉させる。
エンリルの司る力は破壊的な力の権化でありながら、世界秩序を確保するものでもあった
クロエ:
あのディオーネ様・・・エンリル、アッシュルとは何処の何の神様ですか?
幸:
幸が趣味なのは星座や天体観測であって神様全般じゃないから! 幸はB組だしこういうのはA組の優萌の担当
星美:
星美B組だし。
優萌:
えっ?優萌ですか? イヤイヤイヤ優萌でも知りませんよ…
星美:
こういう時に‥‥ヴァルマくんが‥‥いないのは不便‥‥監視機構本部の仕事だから・・・仕方ないけど。
インドラ:
まさか‥アレは召喚時に分離した、二柱のメー(注)というこじゃなかろうな? まずはなぜそのようなモノをこの世界に召喚をしたのだ・・・最高管理責任電脳が処理してくれてなかったら負荷でこの世界(スプロール)全体が破壊されていたと言う事だぞ
ミーナ:
インドラ殿、今回のうちの件に関係があるお話ですか?
梨音:
デーメテール殿どういう事ですか? 梨音も当たりはつけてましたが、予想より大物すぎます・・・どういう事ですか?
デメテル:
ワシは知らなかったのじゃ・・・知っておったら当然試験など反対するのじゃ‥‥
梨々衣:
まさかガイア殿が速攻で地上へ行ったのは・・・あの時点で解って逃げた? でも本当にメーを失ったお二人の地上の肉体を緊急的に維持する為という線も「僅かに」ながら有るかもですが…
梨音:
デメテルさんは兎も角、Drと優樹子ママが知らないとかありえる? いや…知ってて「大丈夫」とか思ってたとか?
デーメテール:
あのポンコツ大邪神コンビなら・・・
梨々衣:
ありえますわね…
注:メー
メソポタミア神話において、メーもしくはニェー(ñe: [ŋɛ])と発音)、もしくは パルスー(parşu)(アッカド語)は、神々の基本的な社会的慣行・宗教的習慣・技術・行動規範・文明を形成する人間の条件などに関する基本的な事項が記されているもので、シュメールの人々の間で存在するものと理解されていたものである。それらは、人間と神の間の関係(契約、法)を理解する基本となるものであった。
レスフィーナ:
しかし最高管理責任電脳が意識コアを保護をする時点でその時に二人が「おおって=ベール」いたメーが離脱、ディーヴァ・ローカGRID連合のガロー・デーマンGRIDとイレ・イフェGRIDの境界領域になっている平原の中のガロー・デーマンGRID側に健在化して周囲を浸食結晶化しております。
インドラ:
やはりアレはメーか
優萌:
あのインドラさん、その「メー」というのは何ですか?
インドラ:
とても簡単にいうとリソースの塊、星辰(せいしん)エネルギーの塊だと今回は理解してもらって良い。特殊な意識体が持って発生させているエネルギーだ。
星美:
黄金の樹みたいなモノですか?
インドラ:
まあそうだな、各GRIDの中心にある黄金の樹の楽園と基本的には同じだが、今回のは大きさやチカラが桁違いに大きい。
ディオーネ:
それはマズイですね。
優萌:
マズイって?
梨音:
メーティス、優萌に簡単な例えでいうと、軍事力に自信のある国の隣国で小国の国境線近くに埋蔵量が莫大な天然ガス田が設備付きで現れたとしたら?
優萌:
それは戦争になりますね。小国を武力侵攻してそのガス田の領土まで自国領にする。なるほど解りました。
インドラ:
最高管理責任電脳がそのメーの所有者を保護したと言う事は所有権はスプロールGRID連合に確定しているのでわ?
レスフィーナ:
当然こちらとしてもディーヴァ・ローカGRID大使のヴィシュヌ全権大使にすぐに説明をさせて頂いたところ、今回の件でこちらへインドラ殿とマティー殿、ティシュタル殿が起こしなっているので直接対応を説明してほしいと命じられました。
梨々衣:
その様子だとイレ・イフェGRID側は連合の所有権を認めず自分達のモノだと主張し認めないと?
レスフィーナ:
はい…
星美:
落とし物は‥‥落とし主が解っているなら‥‥返さないといけないよ
梨々衣:
アナンケー星美様、今回はそういうのが通じる相手では無いのすわ。イレ・イフェGRIDは・・・
レスフィーナ:
すでにイレ・イフェGRID内では我々の権利をスプロールGRID連合により奪われるべきではないという世論になっているみたいであちらとの代表団との会合も決裂いたしました。
インドラ:
スプロールGRID連合の代表団の要求を拒否したと? すまぬが交渉に当たった担当監視官は?
レスフィーナ:
スプロール監視機構より派遣された代表はユースティティア次長検事とアプロディテー内務総監視官です。
インドラ:
ユースティティア殿とアプロディテー殿がワザワザ出向いたのか?
レスフィーナ:
対象が秘守事項であったための不慮の事故でありましたが、オリュンポスGRID連合の行為により発生した事案です、その説明も込みでの判断の人事です。
梨々衣:
お姉さまはともかく、ユースティティア様の要求を拒否するとは本気ですわね。
梨音:
二つのメーの結晶を確保した上でスプロールGRID連合から離反する気だね。
マリアンヌ:
メーが無いってことはこの世界でも物質世界でもご主人様もフランソアさんもチカラが・・・
フロリー:
それにそんな事を許したら折角まとまった連合が崩壊しますよ。我が主。 他への牽制の為にもスプロールGRID連合法に逆らうGRIDはどうなるかを見せつけないとならないかと。
真理愛:
マリよくわからないけど、戦争一方手前の超絶ピンチ? 地上世界よりず~とヤベエ場所?星界って? それだけはわかった。 解りたくなかったけど
すみれ:
あはは‥はぁ~(溜息)
レスフィーナ:
先ほど、イーリスとアトロポスが偵察に行った所すでにイレ・イフェGRIDの境界線近くに軍が集結し始めていると報告があり。直ちにスプロール監視機構監察軍を出動させる為に現在スプロールGRID連合本部で緊急安全保障理事会を開いておりますが・・
梨音:
そんな悠長な事をやってる間にかの者達は侵攻して確保占領される。
インドラ:
アテーナー殿と同意見だ。
星美:
場所はニーナやインドラさんのGRIDの連合で、もともとの原因は星美達の連合に責任あるし、そのメーってのが無いとフランソアお姉ちゃんもエステル議長さんも大変な事になるんだよね? どうにかならないの?
レスフィーナ:
それでお願いがあるのですが…
インドラ:
自GRID内での行動なら防衛行動だな。
梨音:
相手に確保される前もしくは確保された後であっても、フランソアお姉ちゃんとエステル議長をそこへ連れていきメーを回収させれば良いだけ!
ミーナはロンゴミリアドの隊員でGRID管理電脳女神ですから、ミーナ隊員の許可があれば、隊員の梨音も防衛行動に参加する義務があります。
梨々衣:
そうですわね。わたくし個人も参加しますわ。許可があれば。オリュンポスGRID連合とは関係無いですから。
ミーナ:
先輩達、もちろん許可します!
フロリー:
我が主、我がレギオンの団員はそう言ってますが…
すみれ:
もし我が隊員で我がメイドのミーナのGRIDに無断で軍靴を一歩でも踏み入れたのなら…その行為がどれほど愚かであったかをその魂を代償として思い知る事になるだろう
真理愛:
そうなるよね…あははっ・・・(苦笑)
フロリー:
YESマム!
マリアンヌ:
今すぐ梨乃と梨緒とスーに連絡します!
優萌:
ミーナ、最善を尽すから!
星美:
大丈夫みんなが・・・ついている!
ミーナ:
皆さんお願いします!
幸:
やっぱり降伏勧告とかは無意味ですかね?
インドラ:
こちらはたぶん軍勢としてみれば圧倒的な少数であり・・・そこが大軍へ降伏勧告を出しても「バカメ」としか返さんぞ?
幸:
アレはやっぱりインドラさんだったんですね。
レスフィーナ:
今回、スプロール監視機構としては私とヴァルマしか参加できせんが代わりに監察軍監視艦艇一艦を提供いたします! 現地までの移動と空中陣地としてご利用下さい! 操船は私が担当いたします!
ティシュタル:
監察軍監視艦・・・
アトロポス:
高次元空間転移終了・・・空間への影響は‥えっと・・・どれだっけ?
梨乃:
その右の一番上とその下が変異環境変数だから、それを引いて・・・
イリーシャ:
私がやろうか?
アトロポス:
イリーシャ様! 黙ってて下さい今わたし物凄く集中してますから!
エステル:
ここが本来の目的地であったオリュンポスGRID連合の首都アルカディアGRIDのメガロポリス?
スザンヌ:
議長さんそうです! ついたよ!
フランソア:
おーファンタジーの世界? ギリシャ・ローマ神話の世界だから。
梨緒:
上下水道や冷暖房や夜間照明とかもあるので見た目よりずっと現代的ですけどね。
ヴァルマ:
先輩は首都の上空って言ってたけど。 本当に上空にシフトアウトして良かったのかな?
イリーシャ:
いまさら高次元GRID間航行艦一つで騒ぎにはならないでしょ。騒ぎになったら「監視機構最高管理者の責任です」でいいよ。ですよねご主人様。
フランソア:
もともとは全て秘密にしていたパパとご主人様とマモンと優樹子ママがいけない! なんかあったら責任をとるのは責任者の義務。
エステル:
そうですわよね。
梨緒:
腹いせに徹底的に瑠莉閣下達に迷惑かけるおつもりだ・・・
スザンヌ:
瑠莉さん達可哀そう・・・
星美:
ナニコレ・・・? ‥‥うちゅうせんかん?
幸:
先輩がおしゃってた艦(ふね)って「コレ」ですか?
大きすぎて遠近感が掴めません。
梨音:
レスフィーナ、ここうちの連合の首都だよ? その上空のこの低高度にシフトアウトって…アンタは後輩にどういう教育をしているの? これだけのデータ量のモノがシフトアウトしたら下手したら環境効果で首都壊滅。 あと、ここはギリシャ・ローマ神話というGRIDデザインの中で市民達は生活している!
レスフィーナ:
私、眩暈が・・・少しだけ待って・・上空って…普通高高度でしょ・・・うわぁぁ・・・・ヴァルマぁ~~、イリーシャも居て・・・なぜ・・・二人とも‥殴るだけすまないわよ…
梨々衣:
とにかく市民がパニックになっていると思いますのでその対応を、幸さん、星美さんついてきて下さいませ。
幸・星美:
はい!
リラー:
硬い! みんな無理に倒そうとするな持ちこたえるだけで良い!
ボルール:
はい団長!
リラー:
イレ・イフェからの避難民の退避はまだか?
リーヤ:
続々と境界線を越えて逃げてきているので!
ボルール:
兵士だけじゃなく、住民にまで呪術をかけて妖魔兵にして送り込んでくるとか人間のやる事じゃねえ!
リーヤ:
グ=戦の祭器 の大規模使用による電脳意識体の強制妖魔化・・・影響を受けた住民を早く浄化しないとその住民も妖魔化して戻れなくなります‥
ギティ:
ヴィシュヌ様が避難民用の防御結界陣を張り終えるまでどうにか持ちこたえるのよ!
つぎ! あの追尾している一団! いくわよ!
オン・エルナ・クワタン・ソワカ!
ラーダン:
弓兵! 避難民に間違っても当てるなよ! 放て!
聖爆榴矢!
ドーン!
マフター:
ヌカった・・・うっ! 早く兵長達の所に戻らないと・・・ティシュタル様に戻ってくるまで安心して任して・・・くれって言ったのに…バハーラク、もう良い! 私を行かせてくれ!
バハーラク:
馬鹿言ってるじゃない行かせないわよ! 傷を塞ぎ、浄化しなければ、もしアンタが妖魔化してみんなを後ろから襲ったら大迷惑でしょ! 大人しく待つ!
ボルール:
兵が弓の射線に入っています団長一回下がって陣形の立て直しを!
リーヤ:
兵長左! 突貫(チャージ)!
リーヤ:
呪文が間に合わない!
ボルール:
リーヤ逃げろ! これは押さえきれない!
ドルリ:
ボルール逃げてぇ!
ボルール:
ドルリ!? やめろ!
妖魔:
ぐわぁあああああああああ!
バゴォオオン!
ドルリ:
!!!!!!!!!!!!ごぼっ‥‥
ボルール:
ドルリぃいいい!!!
ボルール:
よくもドルリをおおおおおお!
ザクッ!
妖魔:
ぎゃあああああああああ!
バンっ(妖魔が倒れる音)
ボルール:
ドルリしっかりしろ・・・嘘だろ? ドルリ・・・返事を・・・してくれ・・・
ボルール:
電脳女神とその神官を護る為にいる神殿聖戦士を、その神官が護って何故死ぬんだよ‥‥やってることオカシイだろ・・・。
ボルール:
こんな聖戦士など生きている価値が無い、さっさとヤってくれ。
妖魔:
フゥ~~!
ボルール:
…………
ブンッ!(大剣が振り落とされる音)
梨音:
アテーナーブレード!
SE:
シュバアアアアン! ドンっ!
ボルール:
!?
梨音:
おいそこの兵士。 何もせず死ぬな。 兵力が減るだろ。 戦場で勝手に死ぬ権利など兵士には無いんだよ。
インドラ:
ボルール兵長、アテーナー殿の言い方は兎も角言っている事は正しい! 戦わずして戦士が死ぬな!
梨音:
言い方も何も無いでしょう!
ボルール:
インドラ様! えっ?! こちらの方がオリュンポスの戦電脳女神アテーナー様?
ミーナ:
ボルール兵長、避難民の避難経路の安全確保の為に遅れてごめん。聖戦士団が介入してくれ持ちこたえてくれた御かげで多くのイレ・イフェ市民が助かったわ。ありがとう。
ボルール:
いえ…申し訳ございません・・・ドルリ神官を御護りする事ができませんでした・・・
ミーナ:
まだ霧散せずうちのGRIDに意識データが留まっている! これなら大丈夫!
オン・アフラ・ソワカ!
シュン!
ドルリ:
うぅ…
ボルール:
えっ?!
ドルリ:
あれマティー様? 私死んだんじゃ?
ボルール:
奇跡だ‥‥ドルリ、マティー様が奇跡を起こしてくださって…(号泣)
ミーナ:
いちおう駆け出しとはいえ電脳女神なので…女神らしいことをしてみました。
梨音:
おい新人電脳女神とその臣下ども、感動に浸っている所悪いが。
小さいのはあらかた片づけたが、ちょっとアレはまずそうなので、そのお嬢ちゃんつれて下がってもらって良いかな?
ミーナ・ボルール:
ぁぁ‥‥
ドルリ:
ナニ…アレ…?
ボルール:
巨人‥‥
梨音:
40mって所かな、複合装甲なみの防御力はありそうだね。バリアとかもあるかなあったらいやだな。
ミーナ:
機動力もありそうですね…人型ですし。
リーヤ:
インドラ様! ここ以外全ての部隊後退完了です!
インドラ:
マティー殿、アテーナー殿、聞いた通りだ! 一度陣まで下がるぞ!
う~ん♪
レスフィーナ:
何よアレ‥‥
幸:
艦長ここはやっぱり!
ミサイル発射管ウォンバット装填!
バリアント照準!
クロエ:
ローエングリン一番二番、撃てぇ!
ヴァルマ:
・・・ナニに毒されているのか解ってしまう自分がイヤダ…
ラケシス:
バニシングミサイルや高出力バスター砲、ましてやブラスター砲なんかぶっ放したらメーに反応して爆発。スプロールの全ての世界が吹き飛ぶ。
クロス:
ラケシス様、冗談ですから…マジレスしないで下さい。
ラケシス:
避難民のヴィシュヌ様の張った保護結界内への収容98パーセント終了。クロノス殿を中心とした治療部隊での処置完了率35パーセント。 艦長、そろそろ良いと思う
レスフィーナ:
真理愛さん機動部隊へ命令を
幸:
ワクワク!
真理愛:
了解! こちらブリッチ! コンディションレッド発令! コンディションレッド発令! 発進できる全モビルスーツ、発進準備お願いします!
レスフィーナ:
当艦や避難民陣地への攻撃も考えられます機動部隊発進後直ちにプロテクトシールドを展開、艦を前進させ本艦を地上の避難民陣地の盾にします。
ヴァルマ:
了解!
真理愛:
メーティス 発進スタンバイ。 モジュールはソードを選択。 射出ハンガー二号を開放します。
うぃ~ん!
優萌:
ナニこれ!?
ガシャコン!
真理愛:
射出スタンバイ、ハッチ開放、射出システムのエンゲージを確認。
BGMは以下で
出撃!デスティニー
うぃうぃうぃ~ん! 壁が明るくなる
真理愛:
カタパルト推力正常。
優萌:
これやっぱり言わなくちゃいけないのかな?
真理愛:
進路クリア! メーティス 発進、どうぞ!
優萌:
橋本優萌! メーティス! 行きます!
ピピピプーン!
SE:
しゅばあああああああああああああああん!
シャキン!(背中の翼が開く)
おまけ:大きさ比較
優萌:
タイミングと攻撃場所を合わせて!
ミーナ:
やっぱり並の攻撃じゃ通じない! ダメージ入れたそばから再生されちゃう!
梨乃:
だが、攻撃は通ってる。プラン変更は無しだ!
マリアンヌ:
ああ!そのセリフ私が言いたかったのに!
星美:
みんな…真面目に…やろうよ…
インドラ:
アイツラ「メー」の真横で戦っているって理解しているのか?
梨音:
高性能爆薬の横でファイヤーダンスしているようなモノですからね。
でも遠距離やブラスターカッターとかつかって無いし…でも梨乃とマリアン、刃に魔力のってるし!! アイツラ‥‥
梨緒:
普通に武器振るっただけで乗るみたいで。シンクロアウトしておいて正解でした。
すみれ:
まあ、アイテがダメージ吸収してくれているから‥‥どうにかなっているから…足止めにはなっているし…良いじゃないですか?
梨音:
すみれ先輩、それ敵任せって事ですよね? 良いんっすか?
インドラ:
ウーラノス殿それはダメだと思うぞ、相手が再生しきれなかったらドカンだぞ?
すみれ:
だったらインドラさんアレ止めて来て下さいよ!
インドラ:
…どうにかなるだろう。ダメな時は感じる間もなくみんなドカンだ。
ティシュタル:
アレが…マティー様…?
マフター:
あの前で戦うは少し…転属願いだそうかな…
ティシュタル:
従神の私は転属とか無理だから! マフター! 幼馴染の私の事見捨てるわけ?
ミーナ:
そっちを向くな! 大きいくせにちょこまかと!
たぁああああああああああ!
鬼さん! こっちよ!
ドルリ:
マティー様…
ボルール:
逃げたいヤツは逃げれば良い。私はどこまでもマティー様とドルリについて行く。
ラーダン:
そうは言っても兵長…
マフター:
私達もマティー様の前や隣で戦ってお力になりたいんだが…物理的に…
ティシュタル:
私も飛べるけどふわふわ浮く程度で…あんな高く速くは飛べないし‥‥あの高さでは魔法での援護も…
ラーダン:
そもそもアレような敵に私の矢が効くとは思えないというか…距離を一瞬で詰められて踏みつぶされて終わりだと思う。邪魔にしかならないかと…
ボルール
うっ…
ドルリ:
そうだね…マティー様のお力になれるように…強くなりたい…
バハーラク:
あのレベルになると強いとかそういう感じではないけどね。
余りに普通に親しく接して下さっているので感覚がずれているけどマティー様は電脳女神でも至高神ですからね。
ティシュタル:
ドルリを蘇生させた…電脳神の中でも至高電脳神だけが使える秘儀 Resurrection(リザレクション)
ドルリ:
マティー様…無事に帰って来て下さい…お願いします…私…ちゃんとお礼言ってない…
他:
…………
巨人妖魔:
ぐわぁあああああああああああ!
フランソア:
フランソアだけ走っててみんなは翼で浮いているのってズルイ!
紅葉:
はぁ~?!
イリーシャ:
ご主人さま‥今の状況わかってますか? 世界の危機ですよ? スプロールが吹き飛んだら地上世界の現在文明も崩壊。
フランソア:
世界の危機? そんなのフランソアと関係ないもん。
紅葉:
アナタ! 誰のせいでこんな大事になり、迷惑を皆さまにかけているのか解っておりますのぉ!?
フランソア:
誰のせいというなら、ご主人さまとパパとマモンと優樹子ママのせい。フランソアは朝一番でエステルに呼び出されて説明もなく座ったダケだもん!
里緒奈:
あははっ! フランソアさんらしい! あははっ!
紅葉:
里緒奈笑いごとじゃないですわよ!
エステル:
わたくしの憧れの冥界の女王エレシュキガル様、そして奈落の神タルタロス様が引率して下さるなんて! まさに地獄への片道切符! 最高ですわ!
アトロポス・優奈:
‥‥(苦笑)
向日葵:
楽しそうですねエステル議長…
カイルス:
この状況で楽しめる神経してないとエンパイアクラブオーナー連合評議会議長なんかとてもやれないという事だね
アトロポス:
もう少しでメーの真下です! 頑張ってください!
エステル:
はいですわ!
エステル:
はっ…はっ…アレがわたくしの「メー」
ぐわんっ!
巨人妖魔:
ぐぎゃぁぁ!
エステル:
ぁぁ…わたくしは…無力ですわ…誰か…助けて…
梨音:
おい! 人の所の議長に何しようとしてるんだ!
エステル:
梨音さん!
音:
そこの後輩! 目離すとはどういう事!
カイルス:
目は離して無かったですが先輩がいたので! 準備優先してお任せした!
優奈:
向日葵先輩、アトロポス準備完了です! あとは先輩がソレを押し戻して下されば!
梨音:
オマエラ! 先輩を何だと思っているのよ!
紅葉:
統合基幹機構の瑠莉さんと接続完了ですわ!
イリーシャ:
融合制御術式展開完了!
里緒奈:
フランソアさんとのゴーストリンク増幅制御確認! 行けるよ!
アトロポス:
融合制御術式展開完了!
向日葵:
エステル議長とのゴーストリンク増幅制御確認!
カイルス:
議長さんお願いします!
エステル:
はいっ!
エステル:
アッシュル・ジャスティリア!
フランソア:
エンリル・フォーチュナー!
フランソア・エステル:
セットアップ!
カイルス:
あぁ…綺麗…
以後BGMは以下で
The Beast II
里緒奈:
こ…これは…封印を解放してはイケナイモノでわ?
紅葉:
わたくし達は大きな過ちをしてしまいましたわ…
フランソア:
スプロール至高管理電脳神、エンリル!
エステル:
並びに、スプロール至高管理電脳神、アッシュル。
顕現ですわ!
巨人妖魔:
ぐわあぁあああああああ!
エステル:
先ほどは良くもまあ、わたくしを踏み潰そうとして下さいましたわね。
フランソア:
試し切りには丁度良い!
里緒奈:
ひぃいいい!
紅葉:
総員! 魂が消滅したくなければ、保護結界前まで全力離脱ですわ!
フランソア:
くらえ! フランソア・エステルコンビネーション!
エステル:
ですわ!
巨人妖魔:
ぐわっ‥‥
真理愛:
映像来ました! メインモニタに表示します!
ごおおおおおおおおお!
全員:
……………
レスフィーナ:
これが人類が創り出した究極の汎用メイド型決戦兵器
電脳女神ご主人様フランソアさんと、エステル議長。
パリー:
お帰りなさいませ
ミーナ:
ただいま。
パリー:
ぁぁ…どうされたんですか? パリーは嬉しいですが…
ミーナ:
少しだけ‥このままで…
パリー:
はい…思ったりより早くお戻りになられて…
ミーナ:
うん。フランソア様やエステル議長様はすぐにスプロールのコア?にお戻りになられて、あと監察軍が来てくれたのでその後は引継いてくれたから私達は戻って来れたの。 私は食事食べたけど、パリーは食事とった?
パリー:
はいもう頂きました。
ミーナ:
パリーの髪の匂い落ち着くわ…あのさ…もう風呂入って‥‥しようか?
パリー:
マティー様がお望みなら…でもお疲れになっているのではないですか?
ミーナ:
ちょっと戦いでカラダが火照ちゃって…
パリー:
わかりました‥‥すぐにお湯を準備いたします‥‥
ミーナ:
そうだね‥‥カラダに無理をしても仕方ないし。今日は侍女まかせにしようかしら?
パリー:
…はい…ご…ご奉仕…いたします‥‥
くちゅんっ♪
パリー:
あぁあぁぁああっ!
ミーナ:
ほら、私の侍女でしょ? パリーが感じてばかりでなくてご奉仕は?
パリー:
申し訳ございません…侍女としてご奉仕いたいます…
くちゅんっ♪くちゅんっ♪
ミーナ:
そう腰を回しながら…上下の動いて‥
パリー:
マティー様…愛して…ます‥‥あぁんっ!
ミーナ:
いいわよその気持ちをほらぶつけて…そういう顔。私に見せて
パリー:
はぁいっ…
くちゅんっ♪くちゅんっ♪
パリー:
あんっ!あんっ!あんっ!あんっ!
ミーナ:
乳首吸わられるのそんなに気持ちいの?
パリー:
気持ちいです! だ…だめ‥イっちゃいますから…
ミーナ:
ナニ言ってるの? これからダヨ。
ミーナ:
パリーがイクときに、パリーのココも痙攣して締まるの。 その痙攣と締まりだけで私の事イかせてもらおうか
パリー:
そ‥そんなのムリ、無理です!許して下さいませ!
ミーナ:
ほう…パリーは私の欲しくないの?
パリー:
………マティー様の‥‥聖液(せいえき)…注いで下さい…お願いいたしますう‥
ミーナ:
欲しいよね。だったらいっぱいイッて私の事を愉しませないとね
パリー:
うっ…
くちゅ♪くちゅ♪くちゅ♪くちゅ♪くちゅ♪
パリー:
ぎゃああぁあああああ!! あんっ! xxx うわああぁああ! あぁxxx!
ミーナ:
わたしの聖液欲しいんでしょ? ほらだったらもっとイって愉しませて!
痙攣して!
パリー:
ひぎゃ…ひぎゃ…あぁ!
ミーナ:
ほらっ! 射聖(だ)すぅよぉ!
パリー:
はぁいっ! お願いいたしぃましゅぅっ!
ミーナ:
うわぁああ! xxxxxxxxxxxxx!あんっ!
パリー:
xxxxあんっ! xxxxxxxxxxx!
どぴゅっ!
どろっ‥‥
ミーナ:
お…お勤め終了…こ…これでやっと寝れる‥‥神様って…大変かも‥‥
マフター:
ティシュタル様、わざわざこんな所に呼び出してなんだ? !?
ティシュタル:
ごめん‥‥マフターに大事なお話があって‥
マフター:
あぁ…うわっ!
ティシュタル:
あっ!?
マフター:
チヌっ…! 落ちる! 絶対離すなよ!
ティシュタル:
せいのでひっぱるからいいわね?
マフター:
うんっ!
ティシュタル:
せいの! ほらっ!
ティシュタル:
本当にこのおっちょこちょい!
マフター:
助かった‥‥絶対に死んだと思った…
マフター:
本当にスマン…ティシュタル様の姿が余りに綺麗で動揺してしまって…それで大事な話って?
ティシュタル:
ああぁ…(真っ赤)‥なんでそういう事をサラっというかな…
ティシュタル:
そ‥‥それなんだけど…あの…その…あの
マフター:
何かあったの? 落ち着いて。ゆっくりで良いから、話をしてみて。
ティシュタル:
うん。 えっと…神殿聖戦士マフター。 私の…専属聖騎士になりなさい。
マフター:
へっ?
ティシュタル:
…………
ちょいとオデコをつつく。
マフター:
おい、ティシュタル様。幼馴染みのオレだとしても怒るぞ?
さすがに神事に関する事で冗談はよせ。
テシュタル:
あぁ‥‥
マフター:
まず専属の聖騎士を指名できるのは自分の神殿をもってからだぞ。
専属の電脳女神の従騎士ってのはあるいみ…夫にして全権代理人にもなる。
それにオレ?
ティシュタル:
あああぁ! だ・か・ら! マティー様がスプンタ・アールマティから至高神アフラ・アールマティーに格上げになっちゃったから、先ほどマティー様とヴィシュヌ様とインドラ様に呼ばれて私が中級神ヤザタからスプンタ階級に格上げされ「スプンタ・ティシュトリヤ」になったの。
マフター:
えっ?
ティシュタル:
見るがいい!そして驚くがいい!!顕現!
電脳女神スプンタ・ティシュトリア!
ティシュタル:
ど…どうよ!
マフター:
あっ…
ティシュタル:
ちょっと! ナニ跪いてるの! あと折角、正装したんだから私の事見て、誉めろとは言わないから、感想とか? ないの? あとこれで証明で良いわね? さっきの理解していると思うけどプロポーズだからね!
マフター:
ごめん‥‥神々しすぎて見る事ができない‥‥
ティシュタル:
えっ?
マフター:
キミの方こそ理解しているのか? 自分が小さい頃から好きな女の子は電脳女神で、だから近くでお仕えしているだけで幸せなのに…その女の子がこんな…神々しくなって目の前にいて…直視できるわけ無いだろう…
ティシュタル:
あぁ‥‥(真っ赤) そう…ありがとう。 あのそれでプロポーズの返事は?
マフター:
オレは幼馴染のティシュタルを護る為に神殿聖戦士になった。それは知ってるだろう。ずっと小さい頃から私はキミに魂を捧げている。 神事的に問題無いなら…キミが命じた事は私にとっての‥‥喜びだ。我が女神。
ティシュトリア(旧テシュタル):
よろしくお願いします。我が聖騎士マフター
マフター:
お仕えいたします我が女神、ティシュトリア様(チュ♪)
ティシュトリア:
よし! あのさ…今夜からマフターは私の部屋に一緒に住む…め…命じ…ます
マフター:
えっ? 初日から? どこまで飢えてるの? うちの女神様。
ティシュトリア:
はぁ~? ナニその飢えてるって?
マフター:
いやだってさ、最初に言うことが「それ?」みたいな? まあオレはキミの聖騎士だからいう事聞くけどさ。
もっとこう段階いれても良いじゃない?
ティシュトリア:
だって! ずっとガンバッてたんだよ? 自分がちゃんとした電脳女神になってマフターを聖騎士に指名しようと! 一緒にずっと暮らそうと思って…夢だったんだよ! なのに「転属しようかな?」とか言われて…私はね見捨てられるとても不安で…
マフター:
アレは謝るから…
ティシュトリア:
そうだよ! どれだけ私が不安になったか! 責任とって!
マフター:
わかったから床に入る前にまずは一緒に風呂でも入ろうよ我が女神。背中でもお流ししますよ?
ティシュトリア:
ひぃぎぃ! は…はい…
バハーラク:
入国手続き&ホテルの宿泊手続き終了! 朝食も付いてるって。
ラーダン:
ホテルって宿屋の事だよね?
バハーラク:
そう。
ボルール
お姉ちゃんちゃんとプロポーズできてるかな‥‥心配だな…
バハーラク:
大丈夫だってもし怖気づいてティシュトリア様から言えなかったら、マフターが察してどうにかするだろうし。彼はやる時はやる男だから!
バハーラク:
ドルリも兵長とちゃんとくっ付いたし! もう安心だね! 心置きなく私達はコアGRID観光! 公費でお泊り!
ボルール
あの監視機構への今回の事変の報告だからね? 間違いないように…。
バハーラク:
細かい事気にしない!
ティシュトリア:
お邪魔…シマス‥
マフター:
おい…本当にオマエ…良いのか?
ティシュトリア:
何が?
マフター:
だって…オマエ処女だろ?
ティシュトリア:
それ言ったらアンタだって童貞でしょ?
マフター:
‥‥…
ティシュトリア:
ちょっとそこ何で無言! アンタ付き合っているオンナ居なかったよね?
正直に話す!
マフター:
付き合ってる女はいないぞ。 ただ聖戦士なんぞやってると、女性を救う事も多くてな…そういう時にせめてカラダくらい捧げさせてほしいとか…あってな…相手も辛い事があったあとで…慰める意味もあり…その
ティシュトリア:
ほう…何人くらい? シタの?
マフター:
あくまでも過去のことだぞ?
ティシュトリア:
だから何人?
マフター:
五人、いや六人かな…?
ティシュトリア:
ほう~それはそれは経験豊かな事で。こっちは貞操守って来たのに。
マフター:
ちゃんと付き合った女性はいないからな? あくまで慰める為だから…
ティシュトリア:
そんな言い訳聞きたくない。
マフター:
うっ…
ティシュトリア:
まあ今までの事は不問にするから。 でもこれからは気を付けた方が良いよ? でないとそういう事しようにもアナタのどこかが炭棒になるからね。
ボッ!(炎が灯る)
マフター:
ひぃ~‥‥炭棒!? 承知しました…我が女神様‥‥
ティシュトリア:
その替わり…私の事は貴方にあげるから…ちゅ…
マフター:
うん…
真理愛:
お姉さまとシンディーは兎も角、たしかにこのままだとマリもメルヴィもララにナイフで解体され火で焼かれるのは避けられないわね。
メルヴィ:
解体!! ひっぃぃ…そして油脂成分の多い私は良く燃えるみたいな? そういう処分方法?!
すみれ:
よってここは双方協力すべきだと思うのです!
フロリー:
まあララお姉ちゃんは焼き土下座くらいで許してもらえるような人じゃないしね。
パリーヤ:
くらいって…アレもかなり酷い…ひぃ…
パリー:
生きたままナイフでバラバラ‥そのまま火にくべる‥‥ひぃぃ…
ミーナ:
それで私は考えたのです! マーニー入ってきて。
マーニー:
失礼いたします。 お呼びによりマーニーまいりました。
ガタッ!(すみれが立ち上がる)
すみれ:
おぉ…!
メルヴィ:
ほへぇ~!
真理愛:
メルヴィさん?
フロリー:
おいナニ立ち上がってるんだ?我が主
ミーナ:
題して「ララさんにもシスターを付けよう大作戦!」
マーニー:
炊事洗濯掃除、神殿執務、祭事舞踊、身辺警護はできますね
メルヴィー:
何にもできない駄目イドの私とは大違い!
パリー:
マーニーはとっても優秀です! 我がスプンタ神殿の次期筆頭神官候補と言われているくらいです! このパリーが保証します!
メルヴィー:
容姿も可憐ですしね!
真理愛:
そんな優秀な神官見習い?侍女? まあマリの世界でいうメイドが言い方わるいけど、なぜ「溢れ」ているのさ。
マーニー:
それがティシュトリア様、旧名ティシュタル様の専属侍女に命じられたんですが…ティシュタル様に「専属侍女はイラナイ」と断れてしまいまして…
真理愛:
それでその専属侍女断れてアンタ今仕事は何やってるの?
マーニー:
雑用係? ですね…水汲みとか、町への買い出しとか…あとシーツを回収したり
真理愛:
それだけ優秀なのに、パシリに…雑用‥‥まあ、すみれなら喜ぶだろうけど‥
メルヴィー:
ねえ地上へ来なよ! 私が養って‥‥は無理だけどお姉さまのクラブでメイドとして雇ってくれるよ
真理愛:
うっ…勝手に決めない…でも‥‥なんか他人に感じないだよね…容姿が似ているし…
メルヴィー:
汚れてないお姉さまって感じですよね!
真理愛:
うっ‥‥どうせマリは汚れているわよ‥‥
すみれ:
マーニー、是非地上へ降り我がクラブ、エンパイアクラブカリブルヌに来てもらいたい! クラブのご主人様としてこのすみれが歓迎するよ!
パリーヤ:
うわ…狙っているよこの邪神。喰われる‥‥
フロリー:
おい我が主、まずは座れ。 落ち着け。
フロリー:
ティシュトリア殿の専属指名神官ってことは、今のところは聖線はティシュトリア殿に繋がったままなんだよね? いくら自分の専属侍女を取らないと決めたとしても、それを勝手にこっちで切断するわけには。それでティシュトリア殿は? 呼んでるだよね?
ミーナ:
はいもちろん。 権利は彼女にあるので。 この会議の最初には来ている予定だったのですが…
パリー:
パリーが呼んできましょうか?
ミーナ:
お願い、ちょっと行ってきて。
ティシュトリア:
なるほど、ここが弱いのか♪ 騎士殿♪
マフター:
ヤメロ!
ティシュトリア:
ほうそれが女神に仕える聖騎士の言葉使い? これは女神として躾けが必要だわ! 右手も動かす!
マフター:
うぅうううxxx!
ティシュトリア:
ふふふっ! それそれ~♪
マフター:
あぁっ!
どぴゅ!どぴゅ!ぴゅーー!
ティシュトリア:
おおおっ‥‥ すごい飛んだ‥‥ 胸まで 届いてる‥‥
マフター:
あう‥‥うぅ…
ティシュトリア:
小さくなってもけっこう可愛いかも‥これさすったらまた大きくなるのかな…
マフター:
ヤメテ…下さいませ…我が女神様‥‥許してください…
ティシュトリア:
そんな権利アンタにあるわけないよね? あれだけ痛いおもいを私にさせて
マフター:
アレは仕方ないかと!
パリー:
あの‥‥スイマセン本当に失礼いたします。 部屋の外から声をお掛けしても返事がなかったので。
あの皆様執務ホールで会議中ですのでマティー様がそろそろティシュタトリア様がいないと進まないのでと…
マフター:
おい! オマエ! 朝から会議だったのか?
ティシュトリア:
ああぁ…完全に頭から吹き飛んでた‥‥
パリー:
あのお湯入れてから少し時間かかると報告いってきますね。 さすがにお風呂入らないと、その匂い、女性ならすぐ反応しちゃう匂いなので。
あと、おめでとうございます…。
ティシュトリア:
うぅ…(羞恥心で震えている)
マフター:
パリー、スマンお願いする。
梨音:
向日葵が記憶したフランソアお姉ちゃん達のゴーストライン、やはりココに繋がっている。
梨音:
まあ解るよ?「木を隠すなら森の中」、ゴーストラインを隠すなら記憶書庫の中‥‥ここから繋がっているラインを探すのは…でも間違えなくそこが「特殊領域」への扉…しかし闇雲に探すには無理がある場所でしょ…。
謎の少女:
あの…お姉さん…何かお探しですか?
梨音:
うわっ! カルンウェナン!
謎の少女:
刃物は危ないです。当館では持ち込み禁止です! 封印!(指をパチンと鳴らす)
梨音:
梨音のデバイスが! アンタ何者? それより梨音の事見えてるの? SQUID使っているのに! というか容姿がなんか‥とても親近感がある容姿しているんですけどぉ!
謎の少女:
お姉さん、ヒトに質問する前に良いですか? 図書館に来たら受付で来館の署名をして下さい。署名もしないで勝手に館内を歩き回られるのは管理している側として大変困るので。
梨音:
はい‥‥スイマセン。
謎の少女:
篠山梨音さん。ですね。 当館への来館の目的は?
梨音:
あの探しモノをしておりまして…
貴女は何モノ?
ニンリル:
署名をして頂けたので。スプロールコアライブラリへようこそ梨音お姉さん。
この図書館の司書をやっておりますニンリル(注)といいます。
梨音:
至高管理電脳神ニンリル……リリス(注2)……
ニンリル:
そういう「役職」や名前もありますね。
注:ニンリル 𒀭𒊩𒌆𒆤
ニンリル(𒀭𒊩𒌆𒆤、広野の女王または風の女王)はシュメール神話における女神で、エンリルの配偶神である。別名をスド (Sud)、アッシリアではムリッス (Mulliltu) と呼ばれる。
ニンリルは死後にエンリルと同じ風神となった。『アダパ』の物語で触れられている「南風の女神」は彼女と思われるが、これは夫エンリルが冬の北風と結び付けられるのと同様である。
ニンリルは「風の女王」としてアッカドの悪魔リリートゥと関連づけられ、ヘブライのリリス伝説の原型となったと考えられている。
注2:リリス
古代バビロニアのリリートゥが語源とも言われる。
アダムの最初の妻とされ、アダムとリリスの交わりから悪霊たちが生まれたと言われる。
そのリリスの子どもたちはヘブライ語で「リリン」とも呼ばれる。
アダムと別れてからもリリスは無数の悪霊たち(シェディム)を生み出したとされ、13世紀のカバラ文献では悪霊の君主であるサマエルの伴侶とされた。 サタンの妻になったという俗説もある。
梨音:
あのお姉さんちょっと今日は用事あるから、また今度来るから‥
ニンリル:
梨音お姉さん、何言ってるんですか逃がしませんよ? さっきちゃんと「署名」しましたよね?
梨音:
まさか‥‥悪魔の契約書?! どっかの外人部隊契約書の外泊証明書より酷い詐欺!
ニンリル:
ニヒ♪
ニンリル:
梨音お姉さんは「この宇宙の管理者」に勝つためその知識を探ろうと秘密裡にあの空間へ行こうとした。そうですよね?
でもそれじゃ管理者には勝てないよ? アレに勝つ為にはこの「宇宙を引っ繰り返す」しかないもの。
その知識を私が梨音お姉さんに与えてあげようか?
ニンリル:
まあ代償は貰うけどね♪
梨音:
この…悪魔め‥‥
梨々杏:
どうぞ。奥様が好きな茶葉の味なのでお口に合うかどうか…
梨音:
とても良い香りで美味しそう…ありがとう…(苦笑)
梨音:
本当に美味しい! この悪魔が好きな味といったから血の味でもするんだと覚悟して飲んだのだけど…
梨々朱(ニンニル以後、梨々朱(リリス)):
ちょっと! ナニ素でとても失礼な事言ってるんです! お姉さんは私の事なんだと思っているですか!
梨音:
なんだとって伝説の電脳空間の深淵の底に潜むと言われる、深淵の闇そのモノ。
女の化身。ishah=イシャー。天が男なら地は女、天が魂で地は魂の牢獄の肉体。
天が宇宙なら地は地球。 天が神の国なら地は悪魔の住む地獄。 天が善なら地は悪。 神が善なら人間は悪。
神が創りし悪と罪の結晶物=全ての人間の元にして女という悪魔の象徴物の元。
啓示宗教的な「原罪」そのもの。 ニンリル。 ヘブライ風にいうと全ての人間、リリンの創造主、母。 悪魔の悪魔。男性にとっての女という罪と憎悪と恐怖の象徴物。
アブラハムの宗教の救世主、メシア・キリストの絶対的敵対者アンチキリストの妻にして魔女の女王。白き魔女
魔女王=リリス。
梨々朱:
ナンですそれぇ!
梨々杏:
あははっ!(笑)
梨音:
まあ梨音はオンナなので。 さらに同性愛者だし、アレが正しい義ある事=正義だと固定している概念を見ると梨音なんか悪と罪の結晶物だからその意味では同類だけどね。
梨々朱:
あの神話の概念だとエヴァは去ったリリスの代わりにアダムのアバラ骨から作られた、ただの男の身の回りの世話と子供を産む為の人形=ヒトの形をしたモノ。もしくは便利な家具ですから。 アダムも神の無知なる奴隷だけど。
梨音:
それで梨々朱さんよ、梨音を騙してまで契約させ転移を阻止し拘束したのはアンタとティーパーティーをする相手が欲しかったから?
梨々朱:
それもあるけど…お姉さんに質問があるの。
梨音:
質問?
梨々朱:
お姉さん達は地上の人類を全て滅ぼした後、どうしたいの? それによって私はどの「アルコーン」(注)に「賭ける」か決めようと思っているの♪ 教えてくれたら約束通り私の領域を使う権利をお姉さんにあげる。
注:アルコーン Αρχων
グノーシス主義における低位な神的存在の名称であり、「偽の神」のことである。この名称は、「古代ギリシアのポリスにおける最高執政官」の称号と同じで、「世俗的権力者」という意味が込められていると考えられている。
梨音:
何の事かな? お姉さんをからかったらダメだよ? 梨音達が地上の人類を滅ぼすってそんな事するわけ無いじゃない。
梨々朱:
お姉さんこそ何言ってるの? 今地上に準備しているスプロールの入植地。あんなもの作ったら地上の世界がどうなるか? わからないお姉さん達じゃないよね?
梨々朱:
それに、もうお姉さんは自分が「どんな存在」なのか? 理解しているよね? 第一の「アルコーン」、全てのバイオメイドの「デミウルゴス」(注)にして「ヤルダバオート」(注2)。 LION(ライオン)= 獅子
注:デミウルゴス、デーミウールゴス、Δημιουργός、
プラトンの『ティマイオス』(注3)に登場する世界の創造者である。
ギリシア語では「職人・工匠」というような意味である。プラトンは物質的世界の存在を説明するために、神話的な説話を記した。この言葉と概念はグノーシス主義において援用され、物質世界を創造した者、すなわち「造物主」を指すのにデミウルゴスの呼称を使用した
注2:ヤルダバオート (Jaldabaoth)
ユダヤ教的・キリスト教的な要素を取り入れたグノーシス主義における、この世を造った「偽の神」の固有名である。プラトーンが『ティマイオス』のなかで記す造物主(デーミウールゴス)の名として使用される
『ナグ・ハマディ写本(注4)』中に見出された『この世の起源について』などで、傲慢な造物主・この世の創造者として言及されている。ユダヤ教の唯一神ヤハウェと同一視され、サバオトの父であるともされる。
『旧約聖書』の各所では神の唯一性が説かれているが、グノーシス主義ではこれをヤルダバオートの蒙昧さ、傲慢さの現れとみなした。
注3:ティマイオス Τίμαιος
古代ギリシアの哲学者プラトンの後期対話篇の1つであり、また、そこに登場する人物の名称。副題は「自然について」。
アトランティス伝説、デミウルゴスの宇宙創造、宇宙霊魂、リゾーマタ(古典的元素)、医学などについて記されている。自然を論じた書としてはプラトン唯一のもので、神話的な説話を多く含む。後世へ大きな影響を与えた書である。プラトンは、『ティマイオス』と未完の『クリティアス』、未筆の『ヘルモクラテス』を三部作として構想していたと考えられる。
パルメニデス・エレア派、ピュタゴラス学派、エンペドクレスといったイタリア半島系の哲学思想と、プラトン自身のイデア論や、医学的知見、魂論(魂の不死、魂の三分説、輪廻転生)などを織り交ぜつつ統合・合理化し、宇宙・神々・人間の自然本性の仕組みをプラトンなりに解説しようとした作品のため、複雑かつ曖昧さを多く含む内容となっている。例えば、本書をラテン語に翻訳したキケロは「あの奇怪な対話篇はまったく理解できなかった」と述べている。
注4:ナグ・ハマディ写本あるいはナグ・ハマディ文書
1945年に上エジプト・ケナ県のナグ・ハマディ村の近くで見つかった初期キリスト教文書のことである。ナグ・ハマディ写本は、二十世紀最大の考古学的発見に数えられており、事実、初期キリスト教の研究を飛躍的に進展させた。ナグ・ハマディ写本は、古代キリスト教を知るための原資料としては死海写本につぐ重要性を持つと見なされている。
梨々朱:
偽の神のさらに人工的な偽物。それが「獅子」の名をもつお姉さんという「存在」。世界再構築の為の起点になる部品。テトラグラマトン(注)でお呼びしましょうか?
注:テトラグラマトン τετραγράμματον
聖四文字
梨音:
聴こえ無かったの? 梨音達は地上の人類を滅ぼす事などしない。
パチンっ♪ 指を鳴らす。
シュバーン!
クロートー:
ご主人様ぁ!
ラケシス:
動かない方が良い首が無くなるよ!
梨々杏:
奥様転移を!
梨々朱:
えっ?! 転移できない!
アトロポス:
この空間の転移管理はアテーナー様とニンリル様の契約ラインを逆探知してコチラで掌握ずみです!
梨々朱:
まさか自分を囮にして…最初から私を罠にかけるつもりで?
梨音:
おいお嬢ちゃん、戦争は遊びじゃねえんだよ? さっさと「ニンリルコア」をアタシに渡せ。テメエの他にもまだ柱はいるんだぜ?
クロートー:
ニンリル様、降伏してご主人さまにコアを下さい! ご主人さまに無駄な殺生はさせたくありません!
梨々朱:
降伏します・・・
アトロポス:
アテーナー様とニンリルコア融合確認! 先代のニンリル様は管理電脳女神リリスに変更処理確認。
梨々朱:
こ…これはクーデターだよ!
梨音:
そうだが? それがどうした?
クロートー:
本当にやちゃったよ…私は知りませんからね!
梨々朱:
こんな事、スプロール監視機構が許すわけはずが無い!
梨音:
その時は監視機構を滅ぼせば良いだけの話。
梨々朱:
監視機構を滅ぼす?
アトロポス:
やりかねないですね
梨音:
梨乃、いやイナンナ。従神の一柱くらい、居ないと恰好つかないだろ? 梨々朱をくれてやる。使いこなせ。
梨乃:
わかりましたお姉さま! 梨々朱これから梨乃の下僕! 部下! よろしく!
梨々朱:
ひぃ! 私が現イナンナの梨乃の従神?! 部下?! 下僕?!
梨々杏:
まさに都堕ち。
ラケシス:
諸行無常の響き有り!
アトロポス:
惨い…
シュン! 首に青い大きな宝石ブローチがつき、冠が青い光を放つ大きな宝石がついた冠に変わる。髪飾りも至高電脳神のやつに変わる。
クロートー:
ご主人様、大丈夫なんでしょうか?
梨音:
大丈夫じゃないだろうね。 しかしこれしか方法が思いつかなかった。
梨音:
アポリロイドとオーダーメイド、そしてバイオメイド全てを解放したうえに現生人類を到達せずすます為にはどうしてもプロジェクト・フォルトゥーナを止める必要がある。
その為には梨音はただのメジャーピース(大コマ)のみならず、プレイヤーの一人でもある事が最低限の条件の一つ。
梨乃:
ということでアスタルトGRIDの土木建築作業員。 住まいもそこの作業場の部屋。
梨緒:
まだ上手くいかなくて真四角の小屋はたてましたが‥‥
梨々朱:
それは豆腐建築と言うんです! 梨乃はどういう教え方を梨緒さんにしたんですか?
梨乃:
梨乃は教えるのが下手なのは幼年学校から一緒の梨々朱が一番知ってるはず!
梨々朱:
否定できない‥‥
梨緒:
あの梨々朱、梨々杏、私も呼び捨てでお願いします…
梨々杏:
はい、梨緒。 しかしプレハブ小屋でさえないんですか‥まずそこからですね。
梨音:
梨乃に繋がる全ての人を守ると誓ったから…
クロートー:
そうですね。がんばりましょう。
アトロポス:
イリーシャ様とテミス様を連れて来ます!
クロートー:
お願いね。
ラキシス:
二人がくればどうにかなるよ!
梨音:
期待している。
幸:
私は武装決起軍の首謀者をしております、オリュンポスGRID連合至高電脳女神のディオーネです! スプロール監視機構職員の皆様はどうかスプロールと地上両方の全ての人々為に抵抗はやめて、決起軍に投降して下さい! お願いします! そうでないと中央司令庁舎を不本意ながら…中の職員ごと消滅させます! だから…戦闘はヤメテ下さい!お願いします!
レスフィーナ:
さあ、あのオイボレ老人ども! どうする? 逃げ場は無いわよ!
梨々衣:
やはり庁舎くらいは吹き飛ばした方がよろしいのではありませんか?
花恋:
できれば弓をはじきたくないわ。
スザンヌ:
花恋お姉ちゃんが珍しいね
花恋:
梨音や梨々衣みたいなゲリラ組織とちがって正規の軍人にとって、仕方ないとはいえクーデターなどについては本来は賛同しかねるのでね。
スザンヌ:
ふ~ん、大事なのは何の為に戦うのかと結果であるとスーは思うけど
花恋:
当然そうなんだけどさ・・・文民統制っていうの? 命令があってこそ武力は振るわれるべきで…
スザンヌ:
学園の政治経済の授業みたい
花恋:
うんまさにそれ・・・。
ぎぃ~ぃ♪
ルゥナ:
ひぃ~!
エステル:
ルゥナさん、失敗しても止めないのですわよ。諦めないで最後まで弾くのですわ!
ほらフランソアにあわせて♪
ルゥナ:
うんっ!
パチパチパチ♪
エステル:
素晴らしい演奏でしたわよ!
ルゥナ:
最後の方はお姉ちゃんの音とルゥナの音が重なって!楽しかった!
フランソア:
ちゃんとハーモニーになってた!
ルスラン:
エステルちゃんが言う通り、失敗しても諦めず最後まで弾けば上手くできるかもしれない。諦めたら?
ルゥナ:
そこで終わっちゃうから…そっか! 失敗しても諦めないこと…
エステル:
そうですわ♪
ぶ~ん♪
ルスラン:
あっゴメンな
ルゥナ:
お電話?
フランソア:
ルゥナ、バイオリンお手入れしてしまう
ルゥナ:
うんそうだねお手入れしないと
ルスラン:
そんなバカな事があるか。三人はここにいるし、梨音ちゃんも先ほどこちらのアーカイブに入った事を確認している。すみれちゃんはガロー・デマーンGRIDのスプンタ神殿から出ていないぞ? 主要火力抜きで本部を直接抑えたのか? はっ?! 監視艦を内部へ入れ本庁舎に目の前に主砲を突きつけた?
ルスラン:
エンリルとアッシュル、ウーラノス、アテーナー、ヘスティア、主要火力全てを囮にしたのか…
瑠莉、アストライアー、解るが落ち着け・・・とにかく抵抗をせず刺激するなと監視機構全体へ命令を出せ。
エステル:
叔父様、いえルスラン・デルポール博士。わたくしと少しお話合い、しましょうか?