第五百九十八話 アヴァロンの王冠 前編 その7
花恋:
こんな所でも日は暮れるんだね。
アナエル:
意識リズムの為に人工的に作っているみたいですが。
花恋:
先生と閣下のお話…どうしようかな…
アナエル:
焦らずゆっくり考えればよろしいかと。アナ・パギスが到着するまで、こちらの時間で二週間以上ありますし。それまでに結論を出せばよろしいと、櫻糀博士も栗田元帥閣下も紅葉様もおしゃってたじゃないですか。
花恋:
時間が相対的‥この世界とすみれ達がいるあの世界とオリュンポスGRIDのある世界、そして当然地上世界と全て時間の流れ方が全て違うってのものまだ慣れないんだよね…
花恋:
日暮れるとさすがに冷えるねそろそろ宿に帰ろうか
アナエル:
はい。
しゅぅん♪ しゅん!(扉が開いて閉る)
花恋:
次は・・・何しようか? まだ寝るのは早いし何かしたい事ある?
アナエル:
ぴよぉ~? 何ちゃって♪
花恋:
こらぁちゃんと答えようよ。
アナエル:
だったら「月が綺麗ですね」
花恋:
うっ・・・無学の花恋でもソレは知ってる・・・あのさ…そうだね…月が綺麗だね…
アナエル:
ご主人様が記憶取り戻す前に私にそう言った時、本当にただ月が綺麗だと言っただけと解っていても私はドキドキでしたよ?(注)
花恋:
‥‥もうイジワルだな
アナエル:
イジワルはご主人様で~す! 事あることに蹴り飛ばすし! クチバシを拘束するし!
数々の蛮行!
花恋:
ゴメン…悪かったから…本当にスマナイと思ってます! 謝ります!
アナエル:
あれアレは…
花恋:
近寄るな!
アナエル:
ご主人様、大丈夫です。サーチしましたけど危険なプログラムなどでは無いようです。 さすがにスプロール監視機構本部内の特別宿泊所ですから。
花恋:
そうか。
花恋:
スカーレッドバレッド様と月の女神セレーネ様へ…送り主は鈴佳さんとくま太?
レストランの招待状? 今日の夜だ…夕食のお誘い?
アナエル:
このギフトボックス、ドレスセットが圧縮梱包されてます。 黄色いリボンのが私で赤い箱のがご主人様のですね。当たり前ですがウィルスなども無いですよ
花恋:
それを着て来いということかな?
アナエル:
うぅ…恥ずかしいです。これ大事なところ以外スケスケというか…
花恋:
堂々としてた方が目立たないよ? 水着のビキニと変わらないじゃない
アナエル:
水着はこんな所で着ません! ご主人様は私よりカラダが立派なのに露出少ないしズルイです! これ悪意ありますよ!
鈴佳:
花恋、ぴよ吉ちゃん! ここ!
くま太:
よう!
花恋:
鈴佳さんと、くま太、えっ? 鹿苑寺卿? あの美少女は誰?
アナエル:
うさ子さん?
花恋:
あの美少女が・・・うさ子?!
その8 へ続く