第五百九十七話 UniVerse 後編 その1

 
瑠莉:
フランソア、エステルくん、どうなんだ?

フランソア:
ゴシュジンサマガ、ナンノコトイッテルノカ、フランソア、ワカラナイデゴザル

エステル:
ルリサンワ、トテモオモシロイコトヲカンガエルノ、デスワネ。

ルスラン:
二人共、言葉がカクカクしているぞ。

瑠莉:
キミ達が今、地上で準備しているキュプロス島に作ろうとしているホモデウスの国家だがそんなものを造ったら現生人類と地上で最終戦争になる事くらい理解していないキミ達ではないだろう。

あとそんなものが出来上がったら、現在バイオメイド使役している現生人類たちもバイオメイドに対しして今までの行為に対してのバイオメイド達への逆襲を恐怖に感じ、すぐさま使役しているバイオメイド達へ殺戮を開始するだろう。

当然ある一定のバイオメイドはその行為に抵抗、現生人類であるホモサイピエンスをを攻撃。あとは双方憎しみと恐怖の連鎖が積みかさり世界中で双方の死滅までそれが繰り返される。

アストライアー:
わたくしは今の星界と地上の双方を「平和的」に統合することを命じましたが、地上の全人類を滅ぼせとは命じてませんわ。

瑠莉:
そもそも電脳意識体と地上の世界を別け、一か所にホモデウスをまとめず、ゆっくり地上世界に浸透させ統合させるその調整と電脳意識体の暴走による人類消滅を防ぐ為に監視する装置がスプロール監視機構だ

当然そのような電脳意識体とバイオメイドの暴走が起こったさい、現在の監視機構は現生人類を保護する為に緊急プロトコルを発令し全電脳意識体の機能停止を発令するよう決まっていると君達は考えた。

そしてキミ達はそこまで無謀ではない。 キミ達が満を持してこの星辰界に直接乗り込んできたのは、二人の手で直接スプロール監視機構を制圧。その緊急機能停止プロトコルを発令する制御管理機能を特定し手中に収めること。

後に起こる現生人類とホモデウスとの大戦で現生人類とホモデウスが交戦を始め拮抗状態が創れるようになったのを見計らいそれを双方に開示し全メイドを掌握。 
現生人類とホモデウスの戦闘を終結させる腹つもりだろう。 その場合はメイドに依存する現生人類は困窮するが、監視機構とは違い、キミ達は「全メイドの解放」を目的としているから問題ないとでも思っているのだろう。

アストライアー:
お二人ともどうなんです?

瑠莉:
私の予想に違う所はあるか? 修正箇所はあるか?

フンランソア:
・・・‥‥ぐぅ~…

エステル:
・・・‥‥グゥーですわ‥

瑠莉:
修正箇所はないか。どうにもならんな。

ルスラン:
フランソア、エステルちゃん、スプロール監視機構はキミ達が予想しているような組織ではないし、そのような緊急機能停止プロトコルなどという便利なものは存在しない。 「監視」であって「管理」機構ではないからな。

エステル:
そうなんですの?

フランソア:
エステル話が違う。

エステル:
貴女だって同じ考えだとおしゃってたでしょ?

アストライアー:
あとすべて力技で解決しようとするのはどうかと?

フランソア:
あの…はい…

エステル:
そうですわね…

瑠莉:
それと同じ勘違いをしてすでに一人、お義父様に拘束されている娘様がいてな。

エステル:
ルゥナさん?

フランソア:
ルゥナも、そんな事考えてたの?

瑠莉:
あの子は見た目よりずっと頭が良い子だよ。それに周りに何も知らないフリをするのがとても上手いし。
君達よりずっと小さいころから郁恵と愛里栖のご主人様だったしアイツや私が保護するまではかなり過酷な幼少期を自分のメイド達と過ごしたからね。

ルスラン:
ルゥナとフランソア、エステルちゃんはとても特殊な子なんだ。 同じく特殊だが部品としてそもそも設計が分割しているすみれちゃんや梨音ちゃんとちがって・・・

アストライアー:
あのルスランもう少し段階をいれてお二人には説明しないと…

フランソア:
えっ?

エステル:
部品?

哲也:
ルゥナちゃんは兎も角、何で二人を先生は直接確保するかな…

優樹子:
貴女どういう顔して娘さんに会うつもりなの?

Drフィッツジェラルド(以後Dr):
こういう顔ですが?

Dr:
アナタ只今ですわ! フランソア、エステルさん、うちのパパと顔合わせすみました?

フランソア:
マモン! これどういうことぉ!

エステル:
櫻糀博士、優樹子ママ・・・フランソアのお母様‥‥


その2 へ続く