第五百九十七話 UniVerse 後編 その10
フランソア:
よし行こう!
ルゥナ:
うんっ!
エステル:
え゛っ?!
Drフィッツジェラルド:
わたくしは友人とおしゃべりしますので萌香さん後はお願いいたしますわ♪
萌香:
マダム畏まりました。
優樹子:
フランソア! こっちよ! あっ呼び捨ての方ね! フランソアちゃん、エステルさん、ルゥナさん! 萌香さんおつつです!
プロセルピナ(注):
ドクター(Dr)、現ご主人様、萌香さん! ルゥナオーナーさん そしてエステル議長さん、 お疲れ様っですぅ!
注:プロセルピナ Proserpina
ユーピテルとケレースの娘。冥府を司る神プルートーに冥府に誘拐されて妻となった。母のケレースが娘がいなくなったことに気づき娘を連れ戻そうとするが、冥府でザクロの実を食べてしまったため、冥府の食べ物を食べた者は冥府に属するという神々の取り決めにより、1年のうち半分を冥府で、残り半分を地上で過ごすこととなった。プロセルピナが地上に戻る時、春となり大地は潤うようになった。
元々ローマにいた農業の女神か、またはローマにはいない神であり、ローマがギリシアの神々を受け入れた際にできた神といわれる。ローマでは春をもたらす農耕の女神となった。またリーベラ(Libera)と同一視されることもある。
エステル:
優樹子ママさんとアレは律子さん…?
フランソア:
優樹子ママさん! プロセルピナおつつ!
萌香:
おつかれ♪
ルゥナ:
お疲れ様でーす!
エステル:
プロセルピナ?
萌香:
うちのForestの全てのシステムの守護電脳女神様で現在は我が同盟そして保全機関の電脳女神のプロセルピナさんです♪
幼い愛里栖:
ルゥナ! アンタは深い方はダメこっち!
幼い郁恵:
皆さーんお疲れ様でーす!
美里:
ご主人様をアンタ呼びして良いでしょうか…あーお疲れ様です!
エステル:
愛里栖さん? 郁恵さん? 美里さん?
エステル:
ルゥナさん地上の記憶が? 封印されたんでは? それにここにお一人出来たのわ?
ルゥナ:
記憶が封印されるのは予想づみだったので対応策を用意してありましたし、ルゥナ一人で来るなんて無謀な事、アリエルお姉ちゃんが許すわけないじゃないですか! 郁恵と愛里栖と美里も一緒です! まあ瑠莉先生に隠ぺいしてもらいましたがね♪
ということでパパを騙す為にエステル様を騙したの!
エステル:
あっ‥‥ルゥナさんそういう人なんですの?
ルゥナ:
ごめんね、エステル議長さんが思ってるほど、 ルゥナそんなに良い子じゃないの!
フランソア:
律子やこのお姉ちゃん達に比べればルゥナは良い子だと思うよ?
律子:
フランソア、エステルさんお疲れまですわ!
エステル:
律子さん、凛空さん、そして…穏海さんですの?
凛空:
お疲れ様♪ フランソアちゃん失礼だな! この穏海に比べれば! 凛空と律子ちゃん可愛いよね~一緒されるのは凛空心外だな~♪
律子:
地上名律子のわたくしは星界ではコアGRIDプルートーンGRIDの至高電脳神をしておりますヘカテー(注)ですわ♪
エステル:
えっ…律子さんが無敵の女王? 死の女神? 電脳女神ヘカテー様? 名は体を表す電脳世界では特に権限名として…
穏海:
地上名穏海のこのわたくしはコアGRIDの至高管理電脳女神をしておりますナンム(注2)と申します。
エステル:
!!!!!!! 全ての神の元になる穏やかなる海…ナンム‥‥最古の神…ティアマトが生まれる前のシュメールの源神(げんしん)…穏海さんの名前の日本の漢字って「穏やかなる海」そのまま‥‥
凛空:
お兄ちゃんがシャマシュとバラすまで凛空にも秘密だったからね…お兄ちゃんもそうだけど何年騙されてたのか…酷すぎ…さらに当然この事実はシスターである澄も真理愛も知らない。
フランソア:
今回の件を実行するにあたってフランソアはよびされて…「秘密しておりましてごめんなさいませ♪」とか言われて…親友だと思っていたのに…ヒドイ…
穏海:
ふふっ♪
律子:
てへっですわ♪
注:ヘカテー(古代ギリシャ語: Ἑκάτη, Hekátē)
ギリシア神話の女神である。ヘカテイアとも呼ばれる。日本では長音を省略してヘカテとも表記される。
「ヘカテー」は、古代ギリシア語で太陽神アポローンの別名であるヘカトス(Ἑκατός, Hekatós「遠くにまで力の及ぶ者」、または「遠くへ矢を射る者」。陽光の比喩)の女性形であるとも、古代ギリシア語で「意思」を意味するとも(ヘーシオドスの用法より)言われている。また、エジプト神話の多産・復活の女神ヘケトに由来するとも言われている。
「死の女神」、「女魔術師の保護者」、「霊の先導者」、「ラミアーの母」、「死者達の王女」、「無敵の女王」等の別名で呼ばれた。「ソーテイラー(救世主)」の称号でも呼ばれる。また、江戸時代日本の文献では「ヘカッテ」と表記された。
古代ローマにおいてはトリウィア(Trivia、「十字路の」の意)という形容語を付けて呼ばれた。
トリカブトや犬、狼、牝馬、蛇(不死の象徴)、松明(月光の象徴)、ナイフ(助産術の象徴)、窪みのある自然石等がヘカテーの象徴とされる。
注2:ナンム 𒀭𒇉
シュメール神話の海の女神。天地を生んだ母、全ての神々を生んだ母なる祖先と称される。シュメール人にとって彼女は始原の存在であり、永遠の昔から存在していたものと考えられている
世界にはまず最初に原初の海であるナンムが存在し、彼女は天と地が結合している「天地の山」アン、キを生んだ。アンは男神、キは女神であり、アンとキの結合から大気の神エンリルをはじめとする神々が誕生した。また、ナンムは神の代わりに働かせるために人間を造った。ナンムを表す楔形文字は表意文字で「海」「深淵」を意味しており、容姿はウルから出土した蛇の頭を持つ女神のように蛇女神として表現されている。
メソポタミアでは宇宙は女神が宇宙を妊娠し、出産することで誕生すると考えられていた
ナンム信仰は数千年に渡って続けられ、ウル・ナンムは彼女から名前を取って、自らを「女神ナンムの召使」と称した。ナンムは海の女神ティアマトの原型であったと推定されている
レイ・タナヒルは、『セックス・イン・ヒストリー』(1980年)で、古代の宇宙進化論の神話の中で「唯一の女性の不動の動者」としてナンムを指し示した
凛空:
あとうちの有虹子がコアGRIDの至高監査電脳神「ムンム」(注)なんだよね
いま、ニケと一緒に別動隊率いてくれている。
エステル:
ムンム様? 「深きもの」 まあ穏海さんがナンムでクトゥルフ…なら…有虹子さんが…その補佐…なら…ひぃ…
フランソア:
SAN値ピンチ、SAN値ピンチ。
穏海:
這いよりますか?生のうねり!(破っつ)
凛空:
洒落になってない…
注:ムンム(Mummu)
淡水を司る原初の神アプスーと塩水を司る原初の神ティアマトの補佐役として登場する神である。シュメール・バビロニア人の工芸の神である。また、神話のテキストの中では「深きもの」として触れられている箇所もある。
エステル:
わたくしこんな邪神ばかりのプールサイドにいられませんわ…
フランソア:
ふっエステル、キミはフランソア達の「長(おさ)」だよね? 議長!
律子:
それが「まともな電脳神」であるわけありませんわよね?
ご自分は「どんな存在」であるのか…
エステル:
電脳神は決まりなんですか? やめて下さい! 知りたくありませんわ!
律子:
フランソアがエンリル…エステルさんがアッシュル!
エステル:
まあ~アッシュル! 良かったですわ。 フランソアがエンリル。ぴったりですわね!
名状しがたいもの、星間を渡る「風」 嵐のイヤぁイヤぁ! フランソアぁ! 黄色き皇太子というより黄色き皇女ですわね!
そして ルルイエの主にして水の穏海さん! 深き者どもの有虹子さん、ダゴンは誰でしょうね♪
「生ける炎」クトゥグアが火のシャマシュ、剛史お兄ちゃんさん。
土はテラの紅葉さんですがツァトゥグアより「這い寄る混沌」ですわよね! たぶん!
本当に良かったですわ!
穏海・フランソア:
‥‥破っつ?
凛空:
凛空はにゃる子さんをアニメで観ただけだけど…
律子:
これは原作の方のファンでありますかしらね?
エステル:
はいっ! わたくしクトゥルフ神話大好きで現在手に入らないもの以外は全部読んでおりますの! 今の四大元素の分類はオーガスト・ダーレスの分類なので嫌いな方はスイマセンです!
美里:
話についてイケマセン
愛里栖:
アレは本物のマニア?
郁恵:
ねえエステル議長ってけっこう「濃い」人?
ルゥナ:
フランソアお姉ちゃんと一緒にいると素な時が多いから。素は滅茶苦茶濃いお姉ちゃん。でも面白いし、優しいし。
その11 へ続く