第五百九十七話 UniVerse 後編 その15

 
久美:
本当に凛空メイド長と

麗奈:
穏海副メイド長なんですか…

凛空:
そうだよ

穏海:
ごめんなさいね、つい面白くなってしまって

良二:
だから言っただろうって…これは解りませんよ…

良二:
メーをデバイスに格納してデルポール博士に発見されないように。それでアバターがそれに合わせてその年齢の時に。たしかに普通の電脳意識市民に感じます。

穏海:
アトロポスさんや、梨乃さんと同じようなお兄様のこの世界の妹という設定にしておりますわ。

良二:
でもとても自然ですね

凛空:
まあ初めてお兄ちゃんと付き合った時はこの歳だったし。

穏海:
凛空とお兄様と紅葉と一緒に居た時は欧州でこの歳ですし、ここはわたくしの第二の故郷みたいなものですし。

久美:
お兄ちゃんと付き合った…その歳からですか…

麗奈:
この歳から凛空さんと穏海さんと付き合った? いや手は出してないって…えっ…

久美:
そういう事ですか‥‥はぁ…

良二:
今、この世界では? どこに住んでいるんですか? ホテル住まい?

凛空:
お兄ちゃんの学生時代にレンヌに昔借りていたアパートがあって。それが再現されているからそこに一緒に住んでる。

良二:
それって学生の独り暮らし用ですよね? そこに三人…

穏海:
昔は兎も角、今はわたくし達はお兄様の正式な妻ですし。年齢も問題ないですし。

久美:
そっか…どんなにリアルでもこの世界のカラダはアバターだから、やろうと思えば変化させる事ができるんだ…さすが電脳世界…

麗奈:
あのさ、良二が望むなら…麗奈達もあーしても良いよ? 他のメイドには内緒にしてあげるから…あくまでこの世界だけで…麗奈と久美なら犯罪に当たらないし。

良二:
ボクそういうの興味ないから。 あくまで今の麗奈や久美ちゃんが好きだから…

久美:
遠慮しなくて良いのよ?

良二:
遠慮してないから。あの変態お兄さんと一緒にしないで…

愛里栖:
ふぎゃあああぁああ!

Drフィッツジェラルド(以後Dr):
また止まりましたわね♪ 愛里栖さんは、たしかもうキャッシュが。これは先ほど建築なさったホテルの土地を売るしかありませんわね!

郁恵:
あそこは魔のエリアだ…

愛里栖:
それでアタシの土地なくなっちゃいますから

ルゥナ:
マモン待って!

Dr:
待ちませんわよ! 手加減無しと仰ったのはルゥナ達ではありませんか?

美里:
ひぃ…

優樹子:
勇気は認めるけど。この資本主義の混沌大邪神に挑むとは愚かだわ。

Dr:
資金を融通しあってがんばったのに、三人ともデフォルト(債務不履行)ですか♪
仲良いわね♪ まさに連鎖倒産ってやつですわね♪

優樹子:
だからまず、投資して良い土地というか回収できる土地。さらにどの規模の投資を行うかは資金の潤沢具合と税金とか計算しないと…三人まとまれば動かす資金が大きくなる分、損失も大きくなるから…一つの部署が足を引っ張ると連鎖的にマイナスが膨らむし…

美里:
徹底的に叩きのめし教え込む‥‥これが教育…

ルゥナ:(小声)
悔しい…今度はアリエルお姉ちゃんとすみれ、そして梨音ちゃんを呼んでリベンジよ

愛里栖:(小声)
うん! アリエル姐とすみれと梨音ちゃんがいれば…

郁恵:(小声)
復讐するは我にあり!

美里:(小声)
それ三人とも交代なのでリベンジにならないかと。それ以前にご主人様もお姉さま達もご自分達で勝てるようになって下さいよ…

ルゥナ:(小声)
美里、細かい事は気にしない。どんな手を使ってもマモンを倒せれば良いのよ!

美里:(小声)
えぇ…。

その16 へ続く