第五百九十七話 UniVerse 後編 その2

 
アストライアー:
ミストレス、わたくしまでスマホの機種と使用料金までよろしいんですか?
嬉しいですわ…

瑠莉:
フランソア達のついでですし。こんな事で喜んでいただけるなんて!

フランソア:
ご主人さま、何鼻の下伸ばしているの? もうひとりのフランソアもまんざらじゃないみたいな…モヤモヤする…

エステル:
くすすっ♪

ルスラン:
いつもの店になくてな。 そこらで売ってるのではダメか? マーケットの西? アストライアーが詳しいから聞けって?

アストライアー:
ディジョンマスタードのあの瓶売りならわたくしが行ってるお店で昨日ありましたので案内しますわ。

瑠莉:
さすがマドマーゼル、どっかのマスターとは違ってお買い物で頼りになる!

フランソア:
ぐぬっ! どうせお使いもできない駄目イドでしたよ…

エステル:
ショッピングモールでも無理なフランソアに市場で買い物は無理ですわね。

フアンソア:
エステルだって同じでしょ!

瑠莉:
お嬢様、どうぞ!

フランソア:
心配だな…

瑠莉:
マドマーゼルはちゃんと神殿まで送って行くから。

フランソア:
それが心配なの! 解ってると思うけどもう一人のフランソアは、正義の電脳女神で! もし手つけたら大変な事になるんだからね! メイドじゃないからね? 

アストライアー:
あはは…

ルスラン:
おい瑠莉、どこまでうちの娘に信用無いんだ?

アストライアー:
メーの回収を行うまでにはまだこちらでは随分と時間があると思いますわ。

瑠莉:
このコアGRIDとメーが顕現したガロー・デマーンGRIDでは時間の進み方が全く違う。その辺も含めてスプロールとは何か?についてお義父様に習ってくれ。 あとルゥナをよろしくね。

フランソア:
解った。

エステル:
はい。本日はありがとうございました。

ルスラン:
瑠莉、本部への報告と調整はまかせたぞ

瑠莉:
わかりましたお義父様。

エステル:
ルスラン博士、いえ叔父様。確認なんですが、あの白い髪のフランソアのお母様はDrフィッジェラルドが他の星界や地上などでどうしても意識を集中しなければならないときの替え玉みたいなものでよろしいですわね

ルスラン:
正確にはDummyIntelligentProgram=D,I.Pいって、他の所にいながら、意識をこちらへ向けた同時にその間に対応した情報も即時に共有する。君達には白い髪にみえてしまっているみたいだが、ルゥナからは普通のブロンドに見えている。

フランソア:
電脳意識体の暴走を防ぐ監視機構のメインフレームになる為にパパが転送されてから、マモンはアルティメイドの研究や肉体を持ったままの超高次元GRIDで電子意識体を維持する為の研究を完成させるために自分のカラダを実験台にその研究を優樹子お母様と実現させた。 あと地上に残ったフランソアを育てるため…

エステル:
重症を負いわたくしがポットへ格納してからは電子の幽霊としてここでルスラン博士の妻として暮らしてもいた。

フランソア:
そこへルゥナが自分を探しに現れ、そこでルゥナが小さ過ぎたためとその後のトラウマにより家族の記憶が欠落していることを知り、そのトラウマを治療するためにこの世界でフランソアやエステルのダミーを創り出し、永遠の少女時代を繰り返す疑似体験をさせていた。そこへ本物が来てしまい、ダミーと融合してしまった。

エステル:
しかしそれも、この世界と物質世界では速度がちがってルゥナさんは私達がダイブしたその昨日の夜から朝は少し疲れて寝坊しているくらいの時間しかたってない。

ルスラン:
物凄く省くとそうなる。

フランソア:
本物の家族と親友とで家族ゴッコ…。

エステル:
わたくしも家族の経験がほとんどありません。ですからフランソアのお母様にはとても感謝しております。わたくしには母の記憶がないので…。

フランソア:
疑似体験でも体験としては同じか…。悠里や紅葉やヴェルが言ってた

エステル:
さしずめこの夏季休暇の宿題は「全てのメイドを解放した上に人類との絶滅戦争を回避し生き残る為にはどうしたらいいか?その具体的なプランを提示せよ」ですわね。

フランソア:
重たい夏季休暇の宿題だね

エステル:
そうですわね

ルスラン
可愛い我が娘とその親友のエステルちゃんの宿題だ、私も協力するぞ。

エステル:
叔父様お願いたしますわ

フランソア:
そういえば、ご主人様はずっとパパのことお義父様って呼んでるけど仲いいの?

ルスラン:
おまえ離婚したのか? アイツは絶対に認めて無いといってお義父様とよんでくれてるぞ。

フランソア:
そもそも、妻でなくて…養子だったみたいだし…それは良いから。
ご主人様がお義父様のことは絶対に「アイツ」とか「アレ」とかいって父さんとは意地でも言わないのに・・・パパのことを「お義父様」と呼んでてびっくりした。

エステル:
わたくしもびっくりしましたわ。


その3 へ続く