第五百九十七話 UniVerse 後編 その8


スリエル:
これが実際に先ほど楓さんが言っていた私達は単にリソースと言っているが、それから創り出したスフィアにプログラムで周囲を照らす命令、術式をプログラムして書き込んだもの。 

瑠美奈:
魔法みたい…

スリエル:
さらに「三秒前へ…ゆっくり動け」というプログラムを足すと!

小梅:
おおぉ~!

みるく:
こっちに動いた!

スリエル:
さらに!

スリエル:
さらに私の肉体からリソースに変換してそれを足すと

瑠美奈:
おおきくなった!

スリエル:
さらに意識を集中させて、上浮かべ!

小梅:
動いた? おおーあがっていく

スリエル:
そして! 念を込めて…弾けろ!

パンっ!

みるく:
おぉ~!

小梅:
少し風が頬に触れた気がする…

スリエル:
今は光の玉を出したけど、物体として固定する術式をかけば、キミ達が今すわっているベンチになったり、食べ者にして別の人の意識を維持するエネルギーにしたりできる。こういうのをキミ達の知ってる用語でいうと?

瑠美奈:
魔法の元…魔法のエネルギー

小梅:
魔力?

みるく:
さっきスリエルがプログラムしてって言っていたのは呪文?魔法のスペル?

スリエル:
そういう理解でいいかな。 もしくは天使が使うと地上の世界では神力とか白杜の巫女である里緒菜メイド長が使うと

水菜:
巫女の神通力!

スリエル:
それに今のこの世界でのキミ達のカラダ。アバターもそのキミ達の地上にある肉体より供給されているリソースで作られている。

私達は肉体を地上にもちそこから自分の脳で使うエネルギーから精神力=電力を自己でリンク結合してこちらで使うリソースに変調変換して使えるけど。 この世界にすむ200憶人の電脳意識市民の大部分は地上の肉体をもっていない。

他:
200憶人?

スリエル:
それだけの人口を各GRID(グリッド)‥GRIDとは小世界とか国とかと思ってくれていいかな。そこの電脳神が作りだすリソースではまかないきれないので、ある一定レベルの至高電脳神はスプロールGRID連合に加盟することで、この大規模リソースから自分が管理するGRIDへ人口や権利に応じて引く権利がある。もちろん地上と同じで拠出金や連合への義務も発生するけどね。

その「大規模リソース」の海というのが、弊Forestグループの栗田家と加倉家が管理するこのスプロールGRID連合のメインソースであるセントラルドグマ海

みるく:
リソースの海…

スリエル:
海の中にある管理プラントの楓さんの神殿がここ。

水菜:
あの科学なんですか?魔法なんですか? どちらかにして下さい…

楓:
Any sufficiently advanced technology is indistinguishable from magic
十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない!

クラークの法則 SFの世界的巨匠 アーサー・C・クラーク

瑠美奈:
楓様がドヤ顔している! 初めてみた…

里緒奈:
楓お姉さんが大好きな作家の言葉だからね

小梅:
それで小梅達は何故呼ばれたんでしょう。早朝にすみれ様から電脳通信で里緒菜さんの所にいけって言われて

みるく:
わたしもアリエルお姉さまに。 サイバースペースにダイブできるのも今まで知らなかったし…

小梅:
小梅も…潜って初めてしった…。 すみれ様は知ってたみたいだけど。

楓:
キミ達、ロンゴミリアド、しずる小隊、水菜班。別名チームM(かっこ)みたらし団子(括弧閉じ)に折り入って頼みたい任務が私と星乙女アストライヤー殿よりあるんだ。当然あのクソオヤジや、すみれ隊長には許可貰っている。

みるく:
ロンゴミリアドならみるくは…

小梅:
何逃げようとしてるの、こないだ戦闘訓練したじゃん

みるく:
あれってメイド長補佐の警護訓練じゃ…もしかして!

水菜:
うんすでにみるくはしずる小隊の特別隊員になっているよ。 それでなにそのチームM(みたらし団子班)って!

瑠美奈:
しずる姐さんに「班名なにする?」と瑠美奈とひな子に聞かれたから「みたらし団子で」と答えておいたから

スリエル:
オマエとひなのせいか!

里緒奈:
それで今回、里緒奈引率できないけど代わりに!

ニケ:
ちわーす! 

有虹子:
兵隊さん引き取りにきました! お渡し下さい!

水菜:
有虹子先輩にニケ!

瑠美奈:
えっ有虹子先輩も電脳神?

里緒奈:
うん里緒菜よりずっと前から彼女ネットダイバーだし。 
オリュンポスでなくこのコアGRIDの所属みたいだけどね

小梅:
…………クラブではそんな事微塵も出さないのに…

みるく:
兵隊…

その9 へ続く