Ring of Fortune 第一話 その4
咲夜:
なんて歩きづらい恰好…。お嬢様良くこれで普通に歩けてますね…
気抜くと転びそうです…
來奈:
ふっ! 令嬢としての日々の鍛錬!
ドロシー:
月空オーナー様、咲夜さん。お待ちしておりました。
お姉ちゃん達からご案内を仰せつかっております。衛生メイドのドロシーと申します。
來奈:
はうっ!(ビクっ) …月空オーナー…
すすっと咲夜が來奈の前に出る。
咲夜:
ドロシーさん、ご丁寧にありがとうございます。 案内お願いいたします。
お嬢様、参りましょう。
來奈:
うん‥‥
ドロシー:
はい、此方になります。
エミリー:
あの姉貴達の患者のシェルムーンの新オーナーのメイドの咲夜というの。何者だ?
梨花:
何者って?
エミリー:
アレはかなりの強者だぞ。まともなメイドじゃない。
梨花:
えっエミリーが一目でわかるくらいにすごそうなの?
まろん:
二人ともティータイムの営業! お店開けないとお客様並んで待ってる!
みるく:
カフェは今日は四人しかいないんだから! キリキリ働け!この駄目イド二人!
エミリー:
姫、外のお客様の誘導行ってまいります! ケーキセットの整理券とってこないと!
まろん:
慌てずにお願い。
梨花:
只今開けます!
まろん:
みなさま、おまたせ、しました。 メイドカフェエーデンへようこそ。 只今より午後のティータイムの営業を開始いたします。 順番にご案内いたします。
エステル:
梨音さんにはフルーツサンドよりも中華の点心の方が良かったかしら?
とてもお好きだとマリアンから聴いておりまして。次はそのような趣向のティータイムも良いかもしれませんわね!
梨音:
点心というより中華肉まんなんですけどね…
ミーナ:
(苦笑)
悠里:
梨音さんの趣向なら大丈夫でしょう。エステルに任せると室内で火を起こしてスモア(注)パーティーとかになりかねませんから。
すみれ:
火を室内で起こすんですか?
梨音・ミーナ:
えっ‥‥?
注:スモア(s'more)
アメリカ合衆国およびカナダにおいて、夜間キャンプファイヤーでよく作られる伝統的な人気のデザート。焼いたマシュマロとチョコレートの層を2枚のグラハムクラッカーで挟んで作る。
エステル:
フランソアとやったアレは楽しかったですわね! ここでも是非やりたいですわ!
悠里:
Forestでは無いんですから! こんな所で火を起こしたらスプリンクラーが作動して大変な事になりますわよ! それに軍用防弾防火加工の壁床でもありませんし! ガミガミ!(以下略)
すみれ:
Forestなら良いのか…それ以前に前にフランソアお姉さんとやったんだ‥‥でも光景が目に浮かぶすみれがいる…
梨音・ミーナ:
ヒギィッ‥
SE:
コンコン♪
エステル:
よろしいですわよ。 お入りになさって下さい。
梨音:
衝撃に頭の切り替えが追いつかない…(小声)
ミーナ:
梨音先輩、私もです…
その5 へ続く