Ring of Fortune 第一話 その5
ドロシー:
月空オーナー様と咲夜さんをお連れいたしました
來奈:
(豪華だけど趣味が良い執務室だ。しかし超高層ビルの中が豪華なお屋敷になっているとは…)
エステル:
來奈さん、咲夜さん。そしてドロシーさんもお座りなって。
ミーナさん、お飲み物とケーキをお願いしますわ。あと皆さまとわたくしにお飲み物のおかわりを
ミーナ:
はい畏まりました議長。
來奈:
うわぁ~♪ 美味しそう!
ミーナ:
エンパイアクラブ・エーデンのカフェテリアで人気のティーパーティーセットになります。ケーキとブレンドのコーヒー豆はこの白山市の大人気店ポムグラネイトの特製なんですよ。どうぞお召し上がり下さいませ。
咲夜:
お嬢様は本日はバタバタしていて昼食をお取りになっていませんものね
來奈:
…はいお腹が空いております…。
エステル:
そうだと思いまして、今日はフルティーパーティーセットを頼みましたのよ。
まずは召し上がってからお話にしたらいかがでしょうか?
來奈:
はいそうですね! 頂きます!
來奈:
今回の事故が只の事故ではなくて、評議員の私を狙った反メイド勢力の武装テロの可能性があるのですか?
悠里:
今回対向車線にはみ出しお二人のクルマと正面追突したトラックのドライバーの遺体から大量のADAMの反応が出ましたの。よってドライバーは事故当時完全な心神喪失状態だったことが判明いたしました。
ミーナ:
ご主人様、ADAMってあのADAM?
すみれ:
そうもともと軍用戦闘薬だった合成薬物。最近巷に闇ルートから流れ始めて重度な中毒患者が急増しているのよ。
梨音:
もちろんその状態の運転手が手動で運転なんかできないはずだから自動運転で走行していた事が予想されているんだけど、制御ユニットは完全に破壊され回収できなかった。
悠里:
ただ運転手は学生時代に反メイド運動のセクトに加入していた過去がありまして‥・
咲夜:
反メイド勢力にお嬢様が標的にされている可能性があると? しかし日本にもあるのですね。
エステル:
米国や欧州にくらべば勢力は小さく数は少ないのですが。
來奈:
咲夜どうしよう…
咲夜:
お嬢様の事はこの咲夜が命に換えても御守りいたします。
ドロシー:
咲夜さんそれは出来ないわよ。
ドロシー:
咲夜さんは今はバイオバトラーではなくて只の一般メイド。戦闘なんかできないからオーナー様を御守りできないわ。それにこの国では法律的にも一般人や一般メイドの武器所有は護身用でも認められていない。カナダじゃないのよ。
咲夜:
!!!
來奈:
今の咲夜は何の力もない只の可弱い女の子。
どちらかというとオーダーメイドの私の方が緊急事態なら咲夜を守れる力がある。
咲夜:
……何も力もない可弱い女の子・・・お嬢様に守ってもらう存在…
ミーナ:
今は女の子? もとバイオバトラー? 咲夜って…まさか欧州軍第七特戦隊「ナイトストーカー」の「孤高の夜叉」の咲夜少佐? アヴァロン機動部隊の鈴音隊長とも何度も互角にやりあったという…他にも色々伝説を知ってますが…
梨音:
その「月下の夜叉」の咲夜さん。 日本に來奈さんと到着した時までは男性の執事だったんだけど、色々あって今はバイオメイドの女の子。
悠里:
ミーナ中尉は以前共同作戦に参加したことがあると記録で読みましたわ
ミーナ:
はい地上との連携作戦を何度もした事があります。
悠里:
ミーナ中尉、咲夜さんの事故以前の身分と性別はここにいる者と他の一部の者以外には機密事項になっておりますので。
ミーナ:
はい了解いたしました。
咲夜:
ミーナってもしかして、欧州軍の「雪空の怪鳥」のミーナ中尉? どうりで聴いた事のある声だと…なぜ日本に? エンパイアクラブのメイドになっている?
ミーナ:
何度も一緒に作戦しているのに、無線越しでは無く、直接お逢いしてお話するのは初めてですよね。
私も色々あって今はエンパイアクラブ・カリブルヌスで、すみれ様の侍従メイドとエンパイアクラブミリタリアのパイロットをしてます。
來奈:
ほう~知り合いなんだ‥
エステル:
まあ! ご戦友同士なんですね!
その6 へ続く