第二話「Red Liberation」

 

テーマ曲「Red Liberation」 
 


モニカ:
逃げるなアナエル!

アナエル:
ぴよぉ~♪

菜乃:
アンタ達!真面目にやりなさいよ!

カポっ! 美月がバケツを雪だるまに固定する。

美月:
時代はハイテクだと思う・・・メイドが手作業で雪かき、掃除、洗濯する時代ではいと思う。

菜乃:
美月アンタ、私達の存在を自己否定するわけぇ?

モニカ:
菜乃そういうけどさ。

美月:
アレには敵わないかと?

BIGぴよ吉:
ぴよよよよよよっ♪

モニカ:
まさにブルドーザー!

アナエル:
アタッチメントで雪もかく! まあ動かしてるのは私だしサボってはないから良いじゃないの?

菜乃:
うっ‥‥メイドとしての存在価値が…自尊心が…

千沙:
はい、御クラブを希望した理由は目の前に海浜公園があり水族館や海水浴場がある事です! お休みの時とかにすぐに遊びに行けると思いますので!

アニエス:
・・・・・・

メリー:
それは中々独特な志望理由ですね。 それで弊クラブで希望するメイドの種類は…

ミーサ:
メリーちょっと待った! そのまま進めない。 千沙アンタはクラブを遊び場で決めたわけ? それをオーナー様に言うつもりなの?

千沙:
これでも色々考えたんだよ? 私はアニエスやミーサ達がシェルムーンを希望したからだし…まさかそう言うわけにもと思って…

メリー:
そのまま言う方が良いと思いますよ。 仲が良いメイド、仲間とずっと一緒に居たい、一緒に仕事をしたい。 それが志望動機ですの方が良いと思います。

ミーサ:
メリー、本当にそれで良いの? 旦那様…鹿苑寺オーナーだったら・・・

メリー:
「仲間が居るということは一人で仕事や問題を抱え込まない事を意味するんだ。 十分それだけで頼もしい部下になる素質がある」とか評価する言葉を述べるでしょうね。 遊び場があることを理由にされるよりは良いと思います。

アニエス:
そんなモノかな?

こずえ:
みんな! 今、千穂先生から連絡があって月空オーナー様の予定が急遽変更になって15:00頃、こちらに起こしになる事と…随伴する人員がメイドマネージャーさんでなく、メイド長に変更になったと…

こずえ:
どうしよう…

アニエス・千沙・ミーサ:
メイド長・・・

メリー:
みんな、がんばって…

桃子:
ちょっと眩しいだろうけど目を一杯に開いてお姉さんに見せてね。

來奈:
はいっ!

來奈:
じぃ~‥‥

桃子:
もう瞬きして良いわよ。

桃子:
まぶしかったよね? ねえ本当に來奈ちゃんは具合悪い所とか無い?

來奈:
はい、なんか何時もよりも調子が良いくらいで…身体が軽いというか…頭もスッキリしてますし。 気分も良いです。

桃子:
そうか…まあ数値的にも実は問題無いんだけどね。

ヴェル:
咲夜さんの方はポッドで寝かせておけば夕方までには全快する。シンクロナイザーシステムのアフターショックも数値的には異常は範囲値内。 全機能正常の範囲内で覚醒しているね。 

桃子:
そう幸いね。

來奈:
咲夜は大丈夫なんですね。良かった。

ヴェル:
ヴェルは別室の処理をしてくるから。 來奈ちゃんとノーラちゃんへの説明は桃子お姉ちゃんに任せる。

桃子:
うん解ったわ。 あのね咲夜さんの事はヴェルも私もどこからでもモニタリングできるから、ちょっと場所かえようか。

來奈:
はい。

桃子:
はいどうぞ。

來奈:
ありがとうございます。 あの桃子先生が日本に来てると思わなかった。フランスの研究所かエディンバラ(英国)の櫻糀の本屋敷に居ると思ったのに。

桃子:
色々あって、今この研究所の主任博士しております…

ノーラ:
ご主人様、桃子博士とお知り合いなんですか?

來奈:
知り合いというか、桃子先生は私の主治医の一人だよ。

ノーラ:
ご主人様御病気だった…あっ!? 前にお屋敷でお世話になってたとき、たしかに執事の方に車椅子押してもらってお部屋に来てましたものね・・・お屋敷の中しか行った事が無いとか…

來奈:
うん。子供の頃からね。 でもあの後、桃子先生と櫻糀先生とフィッツジェラルド先生が手術して下さって健康になったんだよ。

ノーラ:
そういえば私、ずっと気になっていたのでついでに聞きます。 あのご主人様をお世話していたお付きの執事の方はどうされたんですか? 

來奈:
・・・…

ノーラ:
名前は…同じ咲夜…まさか…あの…今の咲夜はあの…‥あのイケメン執事が美少女メイドに…ここならたしかにそれくらいは出来る・・・

來奈:
やっぱり咲夜の事、覚えてたんだ。 その通りあの執事の咲夜が、色々あって今の女の子の咲夜になった。 でもこれ重要機密なんですよね。 桃子先生どうしましょう?

桃子:
脳に電極ぶっ刺して、脳を真っ新に

來奈:
やっぱりそれしか無いですよね…

ノーラ:
イヤイヤイヤ! それ廃人になりますから! 秘密は守りますから! 許して下さい!

桃子:
そういうのって信じられないのよね。保障ないし。

來奈:
私も同感です。

ノーラ:
ひぎぃぃい! お助け下さい!

桃子:
まあ咲夜くんの秘密くらいは、これから説明する事に比べれば大したことないのよ。

ノーラ:
それってご主人様と咲夜の瞳が、桃子博士や…梨音先輩達やフランソアさん達みたいなった事と関係があります?

來奈:
えっ? 私?

桃子:
來奈ちゃん、スプラメイドと言う単語知ってる?

來奈:
スプラメイド‥
 
アンナ:
今回の件は全てこのわたくしめの企みであります! わたくしの命のみでドロシー並びにオーナー様方々は救って頂けないでしょうか!

グレイス:
來奈にニューロチップリンク式の装着式疑似ぺニスを与えて・・・肉体を直接ダイレクトリンクさせて強制的に二人の制御リミッターを破壊したと…

ベティー:
お姉ちゃんが研究開発をずっとしていた、二つのスプラトメイドチップのディアルチップシステムとハイパーマイクロ偏向電離リフクターリアクターを組み合わた素体…。 そもそもそんな都合が良い素体をお姉ちゃんが英国から運んで来てるとかオカシイと思ったのよ。あの素体が咲夜さんの完成形の素体ということ?

ということは咲夜さんが亡くなる寸前だった今回の事故も仕組んだのはお姉ちゃん達?

グレイス:
さすがに鬼畜外道、人のする事じゃないよ…

アンナ
決してそんなことはしておりません!

すみれ
お兄ちゃんの言う通り、アンナお姉さんは日本に来た來奈ちゃんと咲夜さんにすべてを打ち明けた上で、
寿命が残り少ない咲夜さんの素体を、新しい素体へ意識転送する準備を進めていました!
だから、訪日直後の最初の予定と目的地が、この研究所でのアンナお姉さんとの会談だったんです!

梨音
今回の襲撃は、反評議会勢力に合流したクロトの子の残党武装部隊による犯行と判明しました。
敵の目的は、「Φοίβη(ポイベー)」の起動キーとなる來奈ちゃんと咲夜さんのニューロチップの強奪。

現在、オーナー連合評議会のエステル議長と栗田元帥閣下の命を受け、
ポムグラネイト戦闘部隊とForest調査部が共同作戦を実施中。
敵の拠点となっている偽装タンカーとアーマーメイドの捜索を進めており……すでに発見済みです。


注:ポイベー(古希: Φοίβη、古代ギリシア語ラテン翻字: Phoibē)
ギリシア神話に登場するティーターン神族の女神である。

ウーラノスとガイアの娘。

そしてオーケアノス、コイオス、クレイオス、ヒュペリーオーン、イーアペトス、クロノス、テイアー、レアー、テミス、ムネーモシュネー、テーテュースと兄弟。

またコイオスの妻で、レートー、アステリアー(アストライアーとは別神です)姉妹の母である。

したがってアポローンとアルテミス、またヘカテーの祖母である。

その名は「輝ける女」を意味し、光明神と考えられる。

一説によるとポイベーはデルポイの神託所の支配者の1人で、大地母神ガイア、ティーターン神族のテミスに次いで3番目に支配し、後にここを孫のアポローンに譲ったともいわれる。

また、上記のティーターン神族の女神の他にもヘーリオス、レーダー、レウキッポスの娘にそれぞれ同名のニュンペー(ヘーリオスの娘であるヘーリアデスの一人)及び人物がいる。

ヴェル:
なるほど來奈ちゃんと咲夜さんを覚醒させ、アーマーメイドポイベーを反評議会から奪還すれば。この地域防衛任務に張り付いているイシュタルの任務をボイベーに任せて、梨音ちゃんが前線にいけると…それなら梨音ちゃんはエステルお姉ちゃんに協力するよね。

梨音:
うっ・・・

ヴェル:
覚醒した來奈ちゃんと咲夜さんのコンビはフランソアなみ。それは自分の部隊の隊員にほしいよね…すみれちゃん

すみれ:
うっ‥

ヴェル:
お兄ちゃんは二人のクラブのエスコメイドの夜伽接待を受けて協力と?

お兄ちゃん:
…・・・

ヴェル:
ナニが咲夜さんと來奈ちゃんの為だよ。結局自己利益の追求じゃない。 このオーナー達サイテー

グレイス:
私も幸や星美の友人なので、ある程度はスプラメイドについて理解してますが…來奈はどれくらい知ってるんでしょう?

ベティー:
いま桃子さんが話しているけど…ああ見えて來奈ちゃんは、もともと普通の女の子じゃないから…

グレイス:
やっぱりソウナンデスネ…。 この歳でエンパイアクラブのオーナーでオーナー連合評議員とか…マモトな「モノ」であるわけがない。

來奈
スプライメイド――人工神創造計画。
プロジェクト・フォルトゥーナ……。

桃子
知っていたのね。

來奈
父が亡くなり、私に月空家の財産すべてと、月空コンチェルンの経営権が渡った時――
傘下企業であるブライアンサイエンスの業務内容や研究報告書の閲覧権限も、当然ながら手に入りました。

それに、亡くなった父からのメッセージも残されていて……
そこには、この計画のこと、そして計画の"部品"の一部である私や咲夜のことも書かれていました。

ノーラ
人工神創造計画……?
それって、神様を作るってことですか?
本当に、あの神様を?

來奈
この場合の「神」っていうのは、宗教的な信仰の対象としての神様じゃない。

一般の人間の知識や知能を超えた、"絶対的な存在"のことを指してるの。
普通の人や、メイドも含めた「ヒト」に対して圧倒的な力を持ち、"君臨"することが可能な――
そういう機構、あるいはシステムのことを指してる。

ノーラ:
はぁ~…そんなものを作って世界を支配するとか?

桃子
支配……? まあ、そうとも言えるかもしれないわね。
一般の人間と、バイオメイドを含めた「ヒト」が暮らす社会――
その維持と発展を、制御する存在。

來奈
人間の国や、バイオメイド、それにスプロールの電脳意識体……
それぞれの生存圏の執政は、基本的に彼ら自身が行うけれど――
でも、その"基盤"になっている「社会」そのものは、
このシステムが維持管理するっていうイメージかな?

ノーラ
うーん……私にはちょっと難しいですね……
でも、神様というよりは、"管理するお仕事"みたいな感じなんですね?


來奈
その"部品"のひとつがスプラメイド。
そして、私のほかにも――
ディオーネコアシステムとしての橋本 幸、
アナンケーコアシステムとしての橋本 星美、
そして、メーティスコアシステムの橋本 優萌が、
この計画に関わっていると聞かされた。

ノーラ
えっ、うちのクラスの幸と星美!?
二人とも親友だから、よく知ってますよ。

確かに「ここ」や、すみれさんのミリタリア……
それにロンゴミリアドで、時々お仕事してるって言ってましたね。
メイド業務のほかに、なんか"星界"の仕事もしてるとか……?

神様って、電脳神のことですか?
しかも"至高電脳神"……
電脳神の中でも、管理責任者みたいな存在……?

なるほど、少しずつ理解できてきました。

ノーラ
じゃあ、ご主人様はオーナー業務のほかに、そっちの仕事もやってるんですね……。
大変だけど、咲夜がいるし――
考えてみれば、優萌や星美や幸やに執事……というか、守護騎士としてヴァルマくんやカイさんと優奈くんがいるのと同じですね。
だから、ご主人様も咲夜が頑張れば、どうにかなりますよ!

こっちのお仕事は咲夜に任せることになりますが……
クラブのほうは、このノーラを頼ってください!

來奈
……あの、私や咲夜のこと……
不気味とか、怖いとか……そう思わないの?

ノーラ
え? 怖い? 不気味? なんでですか?

まあ、大変だなとは思いますけど……
幸や星美を見てると、たしかに大変そうだけど、それなりに充実した生活を送ってるし……

それに、ご主人様は一人じゃないですよ!
私たちがついてますから、一緒に頑張りましょう!

ノーラ:
実はご主人様って普段はこんな大人しい感じですが、ドライブつかうと幸達みたいにとんでもなく強いとか! ビルとか一気に飛び移っちゃうとか? ネットダイバーとして滅茶苦茶強いとか?

來奈:
そ‥そうだね。 そこそこ地上戦闘でもネット内でも‥強い方だと思うよ…

ノーラ:
おお~カッコイイ!

ノーラ
そんな方がうちのご主人様!? すばらしい!!
うちのクラブ、今まで地味だったので……超嬉しいです!!

來奈
あの……ノーラに正体を知られたら、「ご主人様のメイドを辞めます!」って言われると思ってたんだけど……。

えぇ……ちょっと引いてるんだけど……いや、ドン引きなんだけど……。
なにこれ? どういう状況なの……?

桃子
ノーラちゃんの周りだと、來奈ちゃんや咲夜くんは"普通"ではないけど……まあ、普通に受け入れられる環境だからね。

來奈
えぇ……それって、どんな環境なの……!?

フレデリカ
來奈、それについては、フレデリカたちがお昼ご飯を食べながら教えてあげるよ。

ミーナ
來奈! あのね、私の昔からのコンビで――

アンジェラ
アンジェラです! 來奈、ミーナとトモダチになったんだって?
それなら、私もトモダチになりたいな!

クラブ・カリブルヌス所属で、ロンゴミリアド飛行隊のパイロットメイドをしてるの。
学園だとノーラと同じB組だよ!

今日はフレデリカのコパイロットとして同行するために、真理愛総隊長代行に頼み込んできたの!

ミーナ:
真理愛様が来て下さって今日はすみれ様に着いて下さるそうなので、私もメイド学校の面接にお付き合いします。 よろしくね。 あとForestでの会談は咲夜の業務復帰後改めてと仰せつかってます。

來奈:
アンジェラ、嬉しい! トモダチよろしくお願いします! フレデリカ、ミーナ了解です。

ノーラ:
みんなちゃろ♪

アンジェラ:
VTOLは上のヘリパッドに駐機づみです。ソニアはそこにいます。

桃子:
だったらお姉さんが奢ってあげるから、ソニアちゃんも呼んであげて、フードコートの焼き肉屋がランチフェアやってるから食べてきたら? はいカード。 咲夜のさんの事は私とヴェル、そしてグレイスに安心して任せて。

フレデリカ:
良いんですか! うわっやった! 桃子お姉さんごっちゃんです!

他みんな:
ご馳走になりまーす♪

ソニア:
やはりご主人様は綿菓子ではなくて強化テクタイト合金だったと。

フレデリカ:
うちのご主人様ですか!

來奈:
ナニソレ?

アンジェラ:
幸や星美と同じレベルのご主人様・・・そりゃあ咲夜がダウンするわけだ。一人で夜伽お相手するとか無謀。

ノーラ:
二日続けてアレは‥‥夜伽で悶絶して寝てるから咲夜起きないし。

來奈:
ひぎぃ!

ミーナ:
お二人が仲良き事は良い事だけど…あまり咲夜を「雑」に扱わないで下さいね。 咲夜が可哀そうだから。

來奈:
ひゃがぁ!

ソニア:
雑というか…そもそも、スプラメイドってことは、星美や優萌、ましてや幸と同じって事でしょ? 夜伽の相手単数とか惨いって。カイや優奈くんじゃないけど最低でも二人、できれば三人。ローテーションとか組まないと咲夜死んじゃうよ。

來奈:
・・・そこまで私…エッチじゃない…

ソニア:
ナニご主人様? 二日続けて咲夜ダウンしてるだけど。 今日にいたっては腰立たないとか…どんだけ昨晩酷い犯し方したのさ。

來奈:
うっ・・・スイマセン。

フレデリカ:
來奈さ、クラブのご主人様なんだから他のメイド相手することも考えてみて。 ほらエンパイアクラブのご主人様の務めだしね。 自分をしたうメイドを相手するのは義務だし。それに新しいメイドも今後入るし可愛い娘(こ)もいるかもだしね。あくまでご主人様として夜伽相手ということで。

ミーナ:
同じクラブで身近にスプラメイドの優萌と星美と幸を見てる私からいうと、ハーレム作ってもらわないと、単数だと夜伽で死人がでます。

來奈:
夜伽で死人…

フレデリカ:
ほら相手が男性ならイクと少しはタイムラグがあるけど…女同士だとそれが無いから無限に相手の体力や意識が尽きるまで‥いや体力や意識が無くても犯し続けるから。終わりがないんだよ

來奈:
あっ! だからか…

ソニア:
やっぱりそうヤってるんだ。

來奈:
ひぎぃうっ!

ノーラ:
まあ性欲がトンデモナク強く体力が無限に近い以外はスプライメイドも私達も変りは無いですから。 ハーレムを造って複数同時相手にする幸方式か

ミーナ:
性欲解放スイッチが入らないようにする優萌方式か。まあ優萌の場合はご主人様相手にはスッチ解放しますけど。この場合も大丈夫な相手で時々発散する方式でもあるのでハーレムローテーション方式ともいえます

アンジェラ:
どっちかにしないと咲夜がもちません。

ノーラ:
まあどっちしろハーレムは形成して下さい。 咲夜の為です。 相手が男でなく、ご自分のメイド内であれば問題ないと咲夜から言質は昨日レイメイド秘書と取ってますから。

來奈:
咲夜何勝手に了解してるの! そんな事聞いて無いよ!

アンジェラ:
エンパイアクラブのご主人様の義務だし。

ソニア:
それとうちのエスコメイドのセーラと英美理。数日内に例の変態玩具つけてお客様役で研修してあげて下さい。ご主人様。まさかご自分のエスコメイドがどんなサービスをしているのか確認してないとかいえないですから。 ご主人様の義務です。

來奈:
変態玩具って…なんで知ってるの?

フレデリカ:
うちのご主人様から聞きましたので♪

來奈:
すみれ先輩!ナニをバラしているんですか!

ミーナ:
それで覚醒した來奈と咲夜は流石に民間人にしとくわけにはいかないのでロンゴミリアドに所属して下さい。 もちろん咲夜の業務復帰後ですが。

來奈:
はい‥。

アンジェラ:
咲夜少佐がミリタリアに移籍となるなら階級的には梨緒やルフィナ先輩より上だし飛行隊の私らも所属にして小隊に格上げを上申しても良いかも。地上連携作戦も馴れてるし。

フレデリカ:
そうだね。 それでアンジェラも私も欧州軍では咲夜少佐の戦友です。私はTACネームだけしか知らないだろうから咲夜は気付いてないかもだけど。

ソニア:
私は当然、咲夜も警護対象に入っているので悠里本部長と永遠室長から説明は受けてます。

來奈:
だったらここにいるメンバーはノーラ以外は初日から咲夜のことバレてた…。それにみんなスプラメイドの友人が居て‥受け入れてくれる。 

ミーナ:
まあ、スプラメイドより、うちのすみれご主人様や梨音先輩やフランソアオーナーやエステル評議会議長の方が絶対に化け物ですからね…

ソニア:
そのおひざ元がうちのキャメロット同盟のクラブなので…。

來奈:
あっ・・・否定できない‥

ノーラ:
解りました? ご主人様、だから大丈夫ですよ。

來奈:
規準がそこなんですね‥

フレデリカ:
來奈と咲夜を合わせて1フランソアだとヴェルさんから聞いてます。

ソニア:
なるほどそれくらいなんだ。

來奈:
ナニソノ基準?
 
來奈:
ありがとう。なかなか豪華な機体ですね。

ミーナ:
特別機です♪

ソニア:
お嬢様はこれを豪華と‥それに比べてこっちは

ノーラ:
えぇ…ヘリコプターとかじゃなくてこれで行くんですか? これ軍隊のですよね?!

來奈:
なるほどウェポンパネルによるとチャフとフレアだけじゃなくて、ウェポンベイ内に空対空ミサイルが四発。翼面のハードポイントに増槽(ドロップタンク)の替わりに武装をつける事が出来ると。 ここままでくると輸送機ではなく戦闘機ですね。ガンポットは内臓式ではないから翼面のハードポイントに装備するとか?

ミーナ:
はい20mmのガンポッドを装着できます。さらに爆装や空対地ミサイルにも対応していますので種別は戦闘攻撃輸送機ですね。最高戦闘速度はアフターバーナー付きタービンエンジンと偏向電離リフレクタークラフト推進の併用でマッハ2を実現しています!

來奈:
対地攻撃用のレーダーや武器制御システムも搭載しているとすごいですね。単機性能では脅威的な超音速垂直離着陸機であると。ジェリーフィッシュヘビーインダストリアルさんの最新型機ですか、表面は簡易ステルス加工の素材だったし‥。とても参考になります。

ミーナ:
特務隊での試験運用が終わって正式に採用になった我がロンゴミリアド自慢の機体です!

ノーラ:
ナンナンデスカコノカイワ…全然意味ガワカリマセン

ソニア:
あ~…やっぱりお嬢様って怖えデス。 月空コンチェルンの代表というのは名前だけは無く、ご自分でちゃんと経営していると。 本来のご主人様はコレ…。 武器商人め…

ノーラ:
これがご主人様の素だと? ドンビキなんですが。

アンジェア:
何でうち周りのお嬢様って「こういうの」しかいないの?

ミーナ:
來奈は「物腰」は柔らかいと思うよ。
各ハッチロックチェク完了だよ。

アンジェラ:
物腰ね…ミーナも物腰は柔らかいものね。操縦桿や得物持つと豹変するけど。

ミーナ:
失礼だな!

フレデリカ:
くすす♪ 

アンジェラ:
各部異常無し! 機長、離陸準備OKです。

フレデリカ:
了解! 皆さま、只今より当機は離陸いたします!

SE:
ヒューーーン! ゴーーーー! 

優:
さ…寒い‥‥里緒菜先生に、もうオーナー様達が到着するからお出迎えに出てろって言われたけど…

由美恵:
この山の中にこの雪の中、どうやって来るの? RVとか? 雪上車とか?

優:
RVとか雪上車って…そんなモノにオーナー様をお乗せするの? 

由美恵:
そうだけど…リムジンとか絶対無理でしょ?

SE:
ひゅ~ん♪

優:
何の音? 

由美恵:
飛行機の音?

SE:
ひゅ~ん♪ 
バタバタバタ!(雪ダルマに手代わりに刺さってるエンパイアクラブの旗がひらめく音)

優:
ナニコレ‥‥?

由美恵:
強襲用VTOL輸送機!?

ソニア:
周囲の安全確認完了いたしました!(ビシっと敬礼する)

來奈:
ご苦労様です!(ビシっと返礼する)

ノーラ:
ご主人様もソニアもノリノリだぁ~

ミーナ:
足元、雪が結構深いから気を付けて。あとタラップ滑るから…

來奈:
うんっブーツに履き替えたから大丈夫だよ、これ靴底ゴムだし

來奈:
きゃぁ♪ 二人共見てぇ! 雪ダルマさんが旗持ってる! 超可愛いぃぃ♪ これってエンパイアクラブの旗って事は、私達の歓迎の為にワザワザ作ったのかな?

ソニア:
そうだと思いますよ♪ 良く出来てますね♪

來奈:
やっぱりそうだよね~? 超うれしいいぃいい! ソニア写真撮って! 帰ったら咲夜やクラブのメイド達に見せる!

ソニア:
はいご主人様! 今スマホ出すので少々お待を!

ノーラ:
ご主人様、ソニアも、今はそんな事より…

由美恵:
ご主人様…と言う事は…

優:
エンパイアクラブオーナー連合評議会の最年少評議員で、カナダの軍産財閥、月空コンチェルン総裁の…

由美恵:
アレ」が月空來奈オーナー様? 嘘でしょ…

アンジェラ:
それは困惑するよね…

ミーナ:
その気持ちとても良く解るよ…うん…

フレデリカ:
あはははっ! 今日はお目付け役の咲夜がいないから、來奈も、うちのご主人様なみにフリーダムだね!

クレア:
ちょっとヤラカシちゃったね~

ソニア:
ご主人様を窘(たしな)めるべきメイドの私まで一緒に燥(はしゃ)いでしまい。反省しております。

來奈:
‥‥こんな事を咲夜に知られたら…嫌われる・・・最低でも滅茶苦茶説教される‥どうしよう…うぅ…

千穂:
これだけ落ち込んでいると怒る気も起きないわ。

ソニア:
咲夜、ご主人様の所作について厳しすぎる所ありますからね…ここ数日しかみてませんがご主人様、いつも不安だから咲夜に確認取ってる感じだし。

クレア:
來奈ちゃんは咲夜の前で無理しすぎなんだよ。 もっと若い女の子らしく騒いだ方が魅力的だよ。 まあTPOはあるけど。

ノーラ:
千沙の志望理由の通り、一番大事なのは仲間と一緒に仕事をしたい、一緒に生活したいです。 そしてそれを続ける為には自分達の居場所として自分達のクラブを維持発展させていく、仲間と一緒に育てて行くことが必要です。 そしてこの仲間の中心にご主人様がいます。

ノーラ:
新生した我がシェルムーンは管理している施設を除くクラブ本体はエンパイアクラブ本部から派遣されているレイメイド秘書を除くとご主人様を含めて、みんなと同じか、一つ上の歳の若い女の子しかいません。できる事も準メイドの貴女達と正直かわりません! 

里緒奈:
でも仲間として、同盟クラブである弊ForestやGreenWoods、Whity Garden、そしてEHDENのメイド達や

ミーナ:
弊カリブルヌスのメイドも同じ仲間なので一緒にやるよ。

ノーラ:
だからまだゼロからのスタートになるクラブだけど、本当に仲間としてご主人様と一緒に頑張ってくれる覚悟があるなら弊クラブはみんなを仲間として歓迎します!

みんなの力でクラブをがんばって維持発展させていきたいです。 良かったら力をかして!

モニカ:
これから一緒にクラブを育てていく・・・

千沙:
部下としてではなくメイドの仲間として…


ミーサ:
ノーラメイド長! 是非少しでもお力になりたいです! いや力になれるようにがんばりたいです! 

ずえ:
仲間みんなと一緒に作っていく、ケーキもみんなで一緒に手造りしたほうがすごいもの作れますものね

アニエス:
こずえ、エンパイアクラブをケーキに例えるのはどうかと。 まあ言ってる事はわかるけど。 みんなで作っていける事に参加させていたけるなら嬉しいです。全力でがんばります!

由美恵:
カナダの企業経営の他に、見知らぬ日本にほぼ単身でお越しになってこんな状態のクラブを引き継いだとは…。

由美恵:
あの里緒菜先生、ノーラメイド長。 もしよろしかったらオーナー様と少しお話させていただけませんか?

里緒奈:
由美恵はWhityGarden に仮でクラブ指名を出しているよね?今回も配属後の参考になるからって説明会に参加したんじゃないの? 今後のクラブ同士の付き合いとかで気になる点があるとか?

由美恵:
そうでは無いのですが‥

ノーラ:
うん、少し席を外してご主人様と話して来て。良いですよね里緒菜さん?

里緒奈:
うん。行って来て

由美恵:
ありがとうございます。

ノーラ:
なんか独特な雰囲気のある子だね

ミーナ:
英仏独伊米日エンパイアクラブメイド学校の今期の総合最高成績を収めた子。橋本由美恵さん。 橋本シスターズの中でもずば抜けた戦闘能力もあって本部特務隊からスカウトも来てる。うちのご主人様もロンゴミリアドの新人隊員として狙ってて。だからご主人様に頼まれて私とアンジェラがとりあえず直接見に来たの。

ノーラ:
そんな優秀な子なんだ…

(由美恵が近づく気配を察知してガバッと机に突っ伏していた來奈が向き直る)

由美恵:
皆様、失礼いたします。 月空オーナー様。少し私とお話をするお時間いただけないしょうか?

來奈:
橋本由美恵さんでしたよね。良いわよ何かな?

ソニア:(小声)
変り身早っ!

クレア:(小声)
花恋ちゃん並みの速さ

千穂:
由美恵、オーナー様の御許しが出たからそこに座ったら。 立ったままではオーナー様も話づらいから。

由美恵:
では失礼いたします。

フレデリカ:
極楽極楽でしゅ♪ やっぱりこのメイドの湯こそ我が魂の洗濯場

アナエル:
フレ姐。、みんなはまだ仕事しているのに、こんな事してるってすみれ総隊長や優萌姐は兎も角、真理愛総副隊長とフロリー姐に知られたら絶対に怒られますよ。

アンジェラ:
ご主人様は「すみれも入りたかった!」とか言いそうだよね♪それで真理愛副隊長とフロリーに説教されるまでがセット!

フレデリカ:
アナエル ドローン小隊情報班長、コレは仕事だ。ここに居る準メイド達はすでに我がロンゴミリアドに所属しているか配属が決まっているメイド達。その隊員達と交流会をしている。裸の付き合いこそ交流を一番深めるものだ。 なあアンジェラ特務少尉そう思わんかね!

アンジェラ:
えっ? 小官ですか…う~ん、実際に我が隊のフレデリカ大尉のペアとしてコパイロットを務める事になる優准尉はどう思うかな? 相互理解の足しになっているかな?

優:
小官? その・・・え・・・(コレが北欧戦区の「超音速の切り札」と言われたジョーカーワンのフレデリカ・マロール大尉?!) 意外とフレンドリーで・・・話しやすいです…

アナエル:
優、フレ姐は「フレンドリー」でなく「フリーダム」だよ。特に復隊してから。
フレ姐、真理愛副隊長とフロリー姐には絶対その言い訳、通らないと思いますよ。

ぴょ吉ミニ:
ぴよっぉぉ~(溜息)

マリー:
フレデリカさんが階級つけて呼ぶのを聞くって新鮮です。

アナエル:
普段はよほどな事が無いかぎり作戦中でも階級つけて呼ばないし。そもそも階級が無い人も作戦に参加する事も多いからね。基本階級上でもタメ口だし。

菜乃:
こないだ来られたアナエルのご主人様の花恋小隊長と、お姉さまのエリシアさんも…とても軍人さんって感じじゃなかったし。 アナエルのこと抱きしめて撫で増してたし・・・

マリー:
マスター水菜、それにアナエルのお姉さんのスリエルさんが所属している「しずる小隊」の隊長、しずるさんも面倒見が良くて、後輩みんなに慕われているのよ。
特にこのうさ子を可愛がってくれている小梅さんや綾子さんは、しずるさんと、そのパートナーであるクレア先生の妹のドロシーさんを本当の姉のように思っているの。
あちらも二人とこのうさ子を、本当の妹みたいにずっと可愛がってくれているわ。

美月:
部隊というより仲の良い友人同士や家族って感じだね。色々な意味で規格外な部隊。でもそんな隊長の方々や上官達がいる部隊で一緒に戦えるならとても嬉しい。

うさ子:
ぴょんっ!

マリー:
そう思ってくれているならありがたいって♪

菜乃:
うさ子さんも、部隊に行ってからも、よろしくお願いします!

うさ子:
ぴょん!

マリー:
任せろって、小梅さんに対してじゃないだから、偉ぶりすぎ♪

由美恵:
まずオーナー様、お時間を頂きありがとうございます。 それと最初にお会いし時に失礼な態度を取ってしまい申し訳ございませんでした。 お詫びいたします。

來奈:
アレは雪だるまに夢中になちゃってソチラの事見えなかった私の方が悪いから。

ソニア:
そうだよ私もメイドなのにご主人様と一緒に夢中になちゃったし…先輩メイドとしてお恥ずかしい。

由美恵:
いえ違うんです。

來奈:
違う?

由美恵:
オーナー様がカナダで、あれほど大きな企業連合を若くして引き継ぎ、経営されていることは存じ上げております。そして、ここ数年でさらに大きく発展させたと聞いております。それは、並大抵の努力ではできないことであり、とても大変なご苦労をされてきたのだろうと思います。

そのような方が、今回はお付きのメイドを一人だけ連れ、何も知らない日本へお越しになった……。そんな人生を、こんなにも若くして歩まれているのですから、正直、とても厳しくて怖い方なのではないかと想像していました。

でも……お逢いしたら、とても可愛らしく、可憐で、そして優しそうな方で……驚いてしまったのです。

來奈:
ソニア、聞いた? 私の普段の経営の仕事が「大変」だって、初めて評価されたの! もう今、感動に打ちひしがれてる!

咲夜なんて「お嬢様なら出来て当然です」しか言わないし! 日本に来ても、みんなクラブのことばっかりで、コンチェルンの経営については何も言わないし……ホントに大変なんだよ……。

ソニア:
……ご主人さま、何を言っているんですか?

すみれ先輩は企業グループとクラブ運営、部隊運営の他に白急下田の自治体機能まで担当していますし、梨音先輩もクラブ運営に加えて篠山財閥の半分と白山市全体の自治体機能までやってます。

フランソアさんやエステル議長に至っては、世界財閥とエンパイアクラブオーナー連合まで統括しているんですよ?

……それと比べたら、ご主人様の経営の仕事なんて、ねぇ?

來奈:
アレらは化け物でしょ? アレらと私を一緒にしないで! 基準が違うから!

ソニア:
それに……「優しそうな? 可憐?」 由美恵、あのね。

このご主人様の仕事、数ある商いの中でも手掛けているのは――「兵器の開発から生産、流通、販売、納品」までを一貫して行う軍事産業複合体。つまり、武器商人。

世間ではそれを「死の商人」と呼ぶ。

……どんなに雰囲気がこうでも、やっていることは、ね。

來奈:
しょうがないじゃない! 家業がそうだったんだから!

ソニア:
それにしても、由美恵の言う通り、ご主人様の代になってから急激に発展していますよね? 「死の商い」に向いているのでは?

來奈:
ぐぬぅ……いや、最近の戦場の様相が変わるのが早くて……それに対応したものを随時、適切に供給する必要がある。その結果として、自然にうちの商品が必要とされただけだし……

ソニア:
それってつまり、破壊と殺戮をいかに効率化するかって話ですよね?

來奈:
いや……その……そうだけど……でも、仕事だし……

由美恵:
しかし、戦闘の早期終結に月空の兵器が大きく貢献しているのも事実です。戦闘が早く終われば、それだけ余計な民間被害も最小限に抑えられますから。

來奈:
そ……そうだよね? ほら、分かってる人もいるじゃない!

ソニア:
でも、それをメイドたちに話しても普通は理解されませんよ? だから、クラブ内や学園では、本業の話はなるべく伏せておいた方がいいです。話したい時は、私か咲夜がお相手になりますから。

來奈:
……はい、分かりました。

千穂:
由美恵が困っているから。それで、由美恵、続けて。

由美恵:
それでですね……お付きのメイドの咲夜さんが、メイドマネージャーとしていらっしゃるのは理解しております。ただ、それとは別に、オーナー様の専属侍従メイドをお迎えになるご予定はございませんか?

來奈:
専属侍従メイド……?

由美恵:
はい。先ほどのお仕事の件も踏まえ、月空アームドインダストリーの試作武装を私にお預けいただければ、ロンゴミリアドにシェルムーンのメイドとして参加し、実戦での評価試験や軍へのアピールにも貢献できます。
それに、普段のお仕事もコンツェルンの経営、クラブ運営の両方のお手伝いができます。お話を伺った限りでも、クラブは非常に忙しく、皆様の負担も大きいかと……少しでもお力になれればと思っております。

そして、オーナー様の本業に関することや、日常の些細なお話のお相手、さらにはお掃除やお洗濯、お料理まで――オーナー様のお好みにもよりますが……夜伽のお相手も務めることができます。

オーナー様のおそばでお仕えしたいのです。一目お姿を拝見して……心を奪われました。こんなにも素敵な方に、メイドとしてお仕えできたらどんなに幸せだろうと……もう、そればかり考えてしまって……

來奈:
…………

ソニア
ねえ、貴女。
詩織さんから特務隊のスカウトが来てるよね?
良二さんを仮マスターにして、所属はホワイティーガーデン。
それで、本部の特務隊に行く予定だったんじゃないの?

來奈
詩織さんからスカウト?
しかも、良二お兄ちゃんが仮マスターで、ミリタリアの特務隊?
それって……アサルトメイドとしての超エリートコースじゃん!

由美恵
でも……良二オーナー様は仮マスターにしかなれませんし。
それに、私のハイパーアクセラレーターチップはとても特殊で、ブライアンサイエンスのプロトタイプなんです。
だから、普通のご主人様では仮マスターにすらなれません。
良二様のオーダーメイドチップなら、プロトタイプとはいえ仮認証は可能なので……。

クレア:
しかし來奈ちゃんが積んでいるオーダーメイドチップはその完成形だから本マスター登録が出来る。 さらにいうと現状完成形のブライアンサイエンス製オーダーメイドチップを積んでいるご主人様は來奈ちゃんしかいない。 あと彼女の精神を恒久的に安定させるには本マスター登録が必要という点を強調しておく。

ソニア:
ここにご主人様を呼んだのって千穂さん、クレアさん、最初からその気で…レイメイド秘書も当然知っていると…

千穂:
うふっ♪ それともちろん、詩織や良二さんは、由美恵の幸せを一番に考えているから、來奈ちゃんがご主人様として由美恵を引き取るなら祝福するわよ。

後は二人の意思しだい。

由美恵:
私、性格はこんな感じで暗いですし…容姿も目立つ方じゃないし・・・

來奈:
いや容姿も性格も私の超好み。良く考えて頭の回転も速く、知識も多いのが会話で解るし。騒がしい子じゃないし。ずっと一緒にいても大丈夫な子だと思う。咲夜がね。

ソニア:
咲夜はウルサイ子苦手ですものね…それに咲夜の前のご主人様が咲夜の好みで仕草とか作ってるなら咲夜にとっては間違いなく超ド真ん中でしょうね、

來奈:
間違いなく私と咲夜で取り合いになる。シェアに落ち着くと思うけど。あのさっき言ってたメイドマネージャー。咲夜って言うんだけど実は恋人なんだけど…

ソニア:
二人相手とか大丈夫?  夜伽とか…

由美恵:
大丈夫だと思います…私スイッチ入ると…けっこう…かなり? いやトンデモナク…エッチなので…

ソニア:
戦闘力がずばぬけて高いって事は…そうだよね‥

ソソニア
ご主人様、このまま持ち帰るとか言わないでくださいね。
大丈夫だとは思いますが、一応咲夜にも確認が必要ですし。
それに、メイド学校卒業までは待ってください。あと少しですし。

來奈
わかってるって。
由美恵さん、一応、専属侍従の件は咲夜に確認するから、返事待ってね。
クラブのご主人様、本マスターは私がなるから。

由美恵
はい……ご、ご主人様……よろしくお願いします。

ソニア
それと、自分で「これは可愛いかな?」と思う写真を何枚か選んで、私に送って。
それとAURORA端末のIDも渡してね。
帰ったらさっそく咲夜に見せるから。
裸とかは要らないけど……水着くらいなら、あってもいいかも?

由美恵
水着……あったかな……?
秋に里緒菜先生に温水プールに連れて行ってもらったときの写真があったかも……。
とにかく、わかりました。選んでみます。
ソニアさん……先輩?

ソニア
学園以外では、「先輩」より「さん」付けがいいかな。
あと、写真は咲夜に見せるだけで、他には見せないから安心して。

由美恵
はい、ソニアさん。

ソニア:
由美恵からDM来た! 写真添付されてます。

ノーラ:
私も見たいです!


ソニア:
文字入力、ご主人様とメイド長も観たいと言ってるけど見せて良い? 良いそうなのでAR表示します。 どうぞ

由美恵からのメッセージ:
「自撮りはあまり数がなかったので、メイドの仲間たちに理由を話して相談したら……。みんなが 私の写真をたくさん撮って持っていたみたいで、勝手に出し合って選定されてしまいました。これでどうでしょうか?」

とのことです。良いですよね?

來奈:
うわ・・・可愛い・・・。 良いと思うよ。咲夜が好きそう、絶対に悩殺される。特に四枚目。

ノーラ:
仲間内で浮いてるかもって心配してたけど……。
友人たちの前では、ちゃんと優しく、可愛く笑うんですね。
それに、仲間からたくさん写真を撮られているってことは、それだけみんなと仲が良くて、好かれている証拠だし。

安心しました。

由美恵にも、こういう笑顔を今のクラブのメイドたちの前でも見せてもらえるように、一緒に頑張りましょう!

ソニア:
とても可愛い写真ばかり♪ これでオーケーと返信完了!

アンジェラ:
電子誘導の高度指定と方位指定はこっちになってますが…

フレデリカ:
このままでは白山市にアプローチするには沖合に行き過ぎになるよね?

ミーナ:
今、Forestコントロールより無線通信! ロンゴミリアド所属、VTトゥーは。ただちに乗員全てのAURORA通信の全面封止を行った後、先導機のラズベリーパイに従うようされたし。だそうです!

フレデリカ:
先導機? ラズベリーパイってことは里穂さんとロッテさんが上がっているの?

アンジェラ:
こちらのレーダーには何も…F14XX(ダブルエックス)の電離リフレクターステルスだと普通のレーダーには完全に映らないから

ミーナ:
とにかく皆さん管制からの指示によりAURORA通信を手動で全面的にOFFにして下さい。

SE:
ひゅ~♪

ロッテ:
見つけた!

里穂:
ホワイティーガーデンコントロール ジョーカーワンと合流完了、5ミニッツでそちらへ接近する。同時に迷彩解除をお願いします。

ロッテ:
ジョーカーワンしっかり付いて来て。 オミニストゥー(オミニス=オミニスバードの短縮=ominous bard=怪鳥・不吉な鳥)、こっちの尾灯を見失わないようにサポートを。

ミーナ:
Forestとの管制、封鎖されました。 ロッテさんの指示に従うしかないみたい。
これ「コードレッド」の管制体制だね。

アンジェラ:
非常事態による移動中の要人の緊急退避。それも激ヤバコース。何処に下ろすつもりなんだろう。要人乗せての緊急回避運動とかイヤだし、もし撃墜されたら、この季節の海水浴はイヤだな。

フレデリカ:
とりにかく追尾に集中しよう。こちらでレーダーの警戒もするからそちらは尾灯を見失わないように

アンジェラ:
イエスマム

ミーナ:
皆さんシートベルトをもう一度確認して揺れたら座席をしっかり握って下さい。

ノーラ:
何があったの? ご主人様の安全は心配ないよね?

來奈:
ノーラメイド長、落ち着いて。 後はプロに任せとけば大丈夫よ。 こういう事良くあるから、私は慣れてるし!

ソニア:
やっぱり慣れているですね…お嬢様怖えっス。

ひゅ~ん
熱電波複合光学迷彩が解けて現れる

ガシャン♪ ぐわんっ♪
前方部分が上に引きあがり、

ウィ~ん♪
シャッターが開く

ごぉおおおお~♪

ノーラ:
ナンデスカ・・・あれは?

來奈:
我が月空アームドインダストリーが誇る特殊三段飛行甲板揚陸母艦ホワイティーガーデンよ。名前は良二お兄ちゃんのクラブ名の船だけど船主は私!

ソニア: 
そういえば、あの滅茶苦茶イイカゲンな偏向電離リフレクタークラフトの飛行母艦、ご主人様の持ち物でしたね。

ミーナ:
上部甲板にはラズベリーパイが下りるから、こちらは下部のアーマーメイド用甲板に降りるようにって!

ノーラ:
アーマーメイド? どんな種類メイドさん? 聞いた事ない種類…。

フレデリカ:
私あの船に下ろすの嫌いなんだよね特に下。 アンジェラ操縦交代しない?

アンジェラ:
イヤですよ。スラスター制御はやりますからランディングは機長がお願いします。

すみれ:
元ご主人様! 換装に何時まで時間くってるんですかぁ! 來奈ちゃん達到着しちゃいましたよ! 

そのデカブツどかさないとフレデリカ達がハンガーにVTOL格納できないじゃないですか! この船の扉閉められないですよ! どうするんですか! 使えない天才だな!

哲也:
すみれ、お前なぁ……!

それが、勝手に鈴音とフランソワーズの機体を運び込んで、
「ウーラノスの強化パッケージを無理やり換装しろ」 って頼んできた奴の言うセリフか!?
いくら基本設計が同じでも、各部の部品はまるで違うんだぞ!

それに、鈴音とフランソワーズは、これを放ったらかしにして、ウリエルと一緒にさっさと前線に行きやがって……!
おかげで、お前と真理愛くん用に制御コックピットまで換装し直しになったんだぞ!?

お前ら、揃いも揃って勝手すぎる!

元ご主人様をなんだと思ってるんだ!!

真理愛:
すみれも邪魔しない! 博士喧嘩してないで手動かして下さい。 

くま太の声:(後ろの博士の方を向いたユーラナスの頭部からスピーカーで流れる)
松崎人工島ではもう戦闘が始まっている。悪いが博士急いでくれ。
 
SE:
きゅっ♪

SE:
うぃ~ん♪(キャノピーが開く)
ゴンゴンゴン(エレベーターが動いている音)
がちゃん♪

里穂:
ふぅ~♪ やっぱりこの艦(ふね)の着艦は気をつかう。

ロッテ:
着艦しちゃえばエレベータから格納庫まで全自動だから楽なんけどね。


里穂:
フレデリカ達はちゃんと降りたかしら。

ロッテ:
下に降りる前に飲物と、オ花積マサシテ…。

ノーラ:
ナンデスカ…コレ…巨人? 巨大ロボット? 

ソニア:
これがアーマーメイド。今の戦争の主役。

來奈:
あまり戦争の主役になって欲しく無かったんだけど。

ノーラ:
こんな物で戦争したら街が一瞬で瓦礫になってしまう! そんな事をしなくて済むようにメイド達同士が生身で戦い合ってるんじゃないんですか? 何の為にメイド達は戦っているんですか?

來奈:
もちろんこういう戦いにならないように今までできるだけ通常兵器での紛争形態を取っていたんだよ

ソニア:
でも敵側が量産型のアーマーメイドを操縦できるバイオメイドの生産を開始して紛争形態が変わった。

ミーナ:
ノーラ、今はうちのご主人様が大事なお話があるから少し待って。

すみれ:
來奈ちゃん、実はボイベーが日本に運びこまれている。 

來奈:
なるほど、だから私達が訪日した直後に位置が特定されて襲われたと。

ノーラ:
襲われた? もしかしてご主人様と咲夜の事故って…

すみれ:
現在奪還作戦を行っているんだけど相手側に察知され反撃され現在戦闘中。 それに意識を取り戻した咲夜さんが参加している。 

どうしてもボイベーに格納されている悠名(ゆうな)ちゃんを救い出すのは自分の義務だと譲らなかったらしい。ボイベー発見の件を伝えたこちらのミスだ。

來奈:
奪われたボイベーと悠名は咲夜とわたしの所有物ですから、作戦を実行するなら伝えるのが筋ですから。まあ言ったら咲夜の性格なら同行するというのは理解できます。 奪還したあと悠名を救い出す鍵としても、私か咲夜が必要ですし。

哲也:
真理愛君どうた?

真理愛:
こちらのエラーは全て消えました。操縦系はマリの管理下に入ってます。くま太はどう?

くま太:
かなり無理がある動きになるがどうにか動きそうだ

哲也:
今回の戦闘だけ持てば良い。 無事なら後で修理する。

來奈:
すみれ総隊長あのアーマーメイド、三人乗りですよね? 

すみれ:
まあ本来はバイオコアユニットが乗る席があるから…まさか

來奈:
すみれ評議会員。評議会員の同僚としてお願いします。あのアーマーメイドに私を乗せて一緒に現場に連れて行って下さい。ボイベーの所有者として立ち会う権利があると思います。それに咲夜が現場にいるなら一人より二人の方が悠名を救出できる可能性が高いです。現在の評議会として悠名が無事回収できればかなり有益だと思います。

すみれ:
うーん…命の保証はできないよ?

ノーラ:
ご主人様が戦場に? 危険ですお止めください!

ソニア:
メイド長。ご主人様がメイド達の所有者(オーナー)同士、連合評議会員同士として、すみれオーナーにそう言っている以上メイドの私達に口を挟む権利はない。黙って。

ノーラ:
…はい…

哲也:
それは座席としては使えるが操縦などは出来んぞ? 脱出装置? それは勿論稼働する。 とにかくシートの調整もあるから來奈くんも連れて上がって来てくれ。こちらの作業はほぼ完了した。

真理愛:
それは知ったら一緒に行くと言うよね‥。

郁恵:
愛里栖! 今!

愛里栖:
了解!

郁恵:
この子達、今までのブラックハウンドと違う! 強い! 非殺傷って厳しくない?

愛里栖:
泣き言言わない! 次来るわよ!


まろん:
ハッ!!!

ブラックハウンドのメイド:
カッ!!!

夢結:
ちょっと姫! 殺しちゃダメなんですからね!

まろん:
手加減してる! 急所は外してる鎧で押してるはず。 肋骨くらいは折れてるかも?

SE:
タタタタタンッ

美里:
エミリー、ブラックハウンド8、ポイントF41-A06に回収お願いします。
さくらさん、強化パラライザー弾の残弾が後マガジン1です。

さくら:
こちらも同じ、敵が硬すぎる。

郁恵:
さくらと美里は回収部隊と一緒に一度下がって補給して。郁恵と愛里栖は先行している鈴音隊長達に追いつく為にこのまま突破する。時間が惜しい

夢結:
私も姫のカバーに徹していたので残弾はまだあります。まろんと私も郁恵先輩達お二人とご一緒に先行したいです!

さくら:
いたしかたないか・・・解った。ここにはさくらと美里だけ残して、郁恵達は先行して。気を付けて。

SE:
タタタタタタっ!

SE:
シュゥ~ン!

フランソワーズ:
!!

咲夜:
・・・

SE:
カシャン!

フランソワーズ:
あぁ…!?

ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!

SE:
ズキューーーン! ズバババっ!

フランソワーズ:
ひぃぎゃああ!

SE:
ズバババっ!

フランソワーズ
咲夜! できるだけ非殺傷でお願い!

咲夜
あの子たちに施されている洗脳チップは、ニューロチップブラスターが稼働中に身体機能が一定以上低下すると、自動で脳を破壊する。
可哀そうだが……できるだけ苦しませずに、始末するしかない。

フランソワーズ
でも、助かる可能性だってあるでしょ!?

咲夜
それに、時間がない。
もしアーマーメイドが起動したら、私たちでは対処できない。

まだ市外への避難が終わっていない対岸の松埼市街地に侵攻されたら、一般市民に甚大な被害が出る……!

フランソワーズ
……それは、わかってるけど……!


ウリエル:
二人共! 言い争いをしている場合ですか! 

SE:
ゴンゴンゴンゴンっ!

咲夜:
あの音は!

咲夜:
ポイベー・・・間に合わなかったか…

フランソワーズ:
ニューロチップブラスター…

ウリエル:
どうします? 鈴音

鈴音:
………
  
鈴音:
アーマーメイド出現、地上部隊は直ちに指揮陣地まで後退! 繰り返す直ちに指揮陣地まで後退! アーマーメイドは量産型二機に、ボイベー一機。量産型一機にニューロチップブラスター確認!

ガシャン! ゴンッゴンッゴンッ!

咲夜:
悠名! そこにいるんだろ? 來奈お嬢様の執事の咲夜だ! コックピットのハッチを開けてくれ!

ボイベ-の動きが止まり、グイっとボイベーの顔が咲夜に向く。

咲夜:
容姿は変っているが悠名ならチップIDでわかるだろ? 

ウリエル:
咲夜さん!

フランソワーズ:
何やってるの!

鈴音:
あの馬鹿野郎! フランソワーズ! ウリエルを連れて先に行け!

フランソワーズ:
えっ? お姉さまは!?

鈴音:
いいから先に行け命令だ!

フランソワーズ:
はいっ!

咲夜:
悠名、ボイベーと一緒に來奈お嬢様の所へ帰ろう。 なっ?

SE:
ガシャン!

咲夜:
あっ‥‥

SE:
ガガガガガガッ!(ベイル(盾)の裏に大型ガトリングの弾が当たっている音

咲夜:
えっ?

SE:
ズキュン! ゴガーーーン!

プシュー!(砲身を冷却している音)
ゴンゴンゴン!

エリシア:
この距離で5cmズレタ。やっぱりアナエルの代わりにアリエル姐を乗せただけじゃダメか。 使えん。

アリエル(声だけ):
何て事いいますの! もともとアーマメイドの制御部分はアナエルの機能なのですから!わたくしはエミュレートしかできないのですわよ!

エリシア:
使えないのには変わらない。

花恋:
あのっ! どうにかこちらで補正しますので!
こんな時に姉妹喧嘩しないで・・・

鈴音:
咲夜無事か?

咲夜:
スマン…

梨音の声:(外部スピーカー)
そうですよ! 咲夜さん何やってるんですか!

咲夜:
梨音さん?

梨々衣:
間一髪でしたわね。

梨音:
鈴音隊長、咲夜さんを連れて退避を。
梨乃、リアクタープールの残量は?

梨乃の声:
残量80パーセントですお姉さま。

梨々衣:
随分と無理な動きをしましたからね。

梨音:
初の実戦やれるね梨乃?

梨乃:
勿論ですお姉さま!

ゴンゴンゴンゴンっ!

梨音:
不意打ちで量産型一機は花恋お姉ちゃん達が仕留てくれた。
あとはボイベーとあの量産型。 ニューロチップブラスターを使わせないようにするには
・・・

梨々衣:
追い詰めると自爆で使ってきますわね。 ブラスターしかもたない量産型はともかく、ボイベーが動ないのも不気味ですわ。

梨音:
すみれ先輩が到着するまで時間を稼がないと…。
 
來奈:
これが私専用のコンバットスーツ・・・?

來奈:
何故、私専用のスーツがここに? それに以前に新規にすでに開発配備されているんですか?

すみれ:
「備えあれば憂いなし」 何事も準備しておかないとね。

アンジェラ:
最初から來奈を戦力として投入するつもりだったと。

ミーナ:
こんなご主人様でスイマセン。

フレデリカ:
サイテーだ、このご主人様。

ソニア:
これは間違えなく化け物ですね。

ノーラ:
流石に…これは…ドン引きです。

來奈:
化け物!? お願い!引かないでよ! トモダチだよね? 私のメイドだよね

ノーラ:
別にご主人様のメイドとトモダチであるからって引かないワケじゃないですからね。

ソニア:
「良い意味」で人間辞めていても、ご主人様のメイドとトモダチは辞めませんから心配しないで下さい。ドンビキはしますけど。

來奈:
あぁ・・・! 人間辞めてる…。

里穂:
ご主人様って人間じゃ出来ないし。

ロッテ:
そうそう化け物でナンボだから。

來奈:
先輩達、そんな事無いですから!

ノーラ:
まあ化け者なら安心して送り出せます。ご主人様、さっさと咲夜と悠名ちゃんでしたっけ? 新しいうちのクラブのメイドになるんですから、ちゃんと連れて帰って来て下さい。

すみれ:
里穂特務大尉、ロッテ大尉、守人で現地仮設指揮陣地の防衛お願いします!
フレデリカ、ミーナ、アンジェラ、ソニアはもしもの時、哲也博士とノーラとこの船の防衛をお願いします!

里穂・ロッテ:
了解しました!

フレデリカ・ミーナ・アンジェラ・ソニア:
はい!

ノーラ:
すみれオーナー、ご主人様をよろしくお願いします! ご主人様、ご無事にお戻り下さい! いってらしゃいませ! お帰りお待ちしております!

來奈:
うん行ってくる!

SE:
うぅ~ん♪
里穂とロッテを乗せたリフトが上がって行っている。

ノーラ:
里穂先輩達が乗るこのアーマーメイド、もりと?って言ってたよね。

ソニア:
そう、これが月空アームドインダストリーが開発した量産型アーマーメイド『守人』よ。現在は、すみれ先輩の機動部隊ロンゴミリアドに先行配備されている機体。
オリジナルの専用機に比べると性能は劣るけど、その分扱いやすく量産も可能。しかも、パイロットメイドなら操縦できるようになっている。将来的には、各国のメイド部隊にも配備されるかもしれないね。

ノーラ:
これがご主人様の会社で造られているって言うの? あるいみこれが商品…。

哲也:
すみれ、真理愛くん、ランドブラスターと変形機構はあくまでウーラノス用で今回は推力は規定値は出ているが機動性や反応速度は本来の性能の10パーセントも無い。その点を留意してくれ。

來奈:
変形?

すみれ:
解った!

真理愛:
了解いたしました!

真理愛:
ブリッチ退避確認、最終起動チェック終了。問題ありません

くま太:
すみれ、こっちもチェック終了だぞいつでも行ける

すみれ:
來奈ちゃん。本当に良いのね?

來奈:
はいっ! お願いします!

すみれ:
前部コックピット起動位置へ、続いて後部コックピット起動位置へ

SE:
うぃ~ん!

來奈のコックピットシートが首元へ引き込まれている

來奈:
おぉ…

ガシャン!
 
來奈:
はわっ!♪ くまさんのぬいぐるみが乗っている! きゃあ! かわぃいいぃぃぃ!

くま太:
お嬢さん、忙しくて挨拶が後になってしまってスマンな。オレはアーマーメイド・ウーラノスのメインバイオコンピュータユニットで、すみれの腐れ縁の戦友の通名くま太だ。 よろしく頼む。くま太と呼んでくれ。

來奈:
しゃべった! それも渋いオジサン声…あっスイマセン。月空來奈と言います。本日はよろしくお願いします。 來奈とお呼び下さい。

真理愛:(サイドのARディスプレイに映る)
くま太ズルイぞ!

くま太:
真理愛、ズルイとは何だ。

真理愛:
來奈さん! ずっと挨拶できなくてごめんね! まずは日本へようこそ、すみれのパートナーの真理愛よ。

來奈:
真理愛さん! お世話になります! お逢いしたかったです! いえこちらこそなんかニアミスばかりで挨拶遅れてすいません。 あの今クラブが大変お忙しいは理解しているんですが、カリブルヌスへちゃんとご挨拶に参りいたいですが、ご予定などはどうでしょうか?

真理愛:
マリは今はお屋敷業務だからいると思うんだけど。祥子メイド秘書とウリエルメイド長は確認とらないと予定が…

來奈:
皆様、お急がしいですものね…

すみれ:
真理愛、來奈ちゃん、気持ちは解るけど、そのウリエルお姉ちゃん達を助けに行かないといけないから。そういうのは戦いの後で!

くま太:
このお嬢もこの状況でコレとはかなりの大物だな。

來奈:
ひぃぎゃ!

真理愛:
はいはい、発進位置へ前進!

ゴンっ!ゴンっ!ゴンっ!ゴンっ!
(ゆっくりユーラナスが歩いている)

ノーラ:
アニメとは…迫力が違うね…

ソニア:
まあね…

ガシャン!

ひゅ~ん!

グイっ
(少し前傾姿勢になる前を向く)

真理愛:
ユーラナス仮設MkII 発進!

すみれ:
ランドブラスター!偏向電離リフレクターリアクタークラフト最大出力!

真理愛:
飛べぇ!

ごぉおおおおおお!

ガシャン!
(変形している)

すみれ:
BGMオン!

No Reply~♪ 琥珀(きん)の砂時計♪
人はこぼれた砂よ~♪
Say MarkⅡ 優しさが生きる
答えならいいのにね!

真理愛:
エルガ〇ム・・・MkIIってそういう意味…
すみれのアニメの趣味は元ご主人様の哲也博士のせいか…
子供ころからの洗脳教育…まあ博士が好きそうだけど。

風のノーリプライ

來奈:
なんなんですか? この曲…すみれ先輩歌ってるし…

くま太:
來奈お嬢、気にしたら負けだ。


SE:
ギギギギギッ!

梨音:
コイツ、こちらが手加減しているからって好き勝手しやがってぇ! 本気でシバイタロウか!

梨々衣:
梨音落ち着いて下さい! ニューロチップブラスターを使える暇を与える隙を与えないダケで良いですからね!

梨音:
解ってるわよ!

ガキンっ!  ギギギギギッ!

ぶぅ~ん! 

ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!

花恋:
なぜ遠距離攻撃専用機体で接近戦することになるかな。 こっちは銃や弓矢専門だっていうの。

エリシア:
まあ初陣の時と違って作業用ナイフではなく、今回はリフレクターサーベルになっているし。それに牽制だけだし

花恋:
今はあっちも動かないけど、本気で攻められたら防御できる気がしないだけど。

エリシア:
動かないようにお祈りでもする?

花恋:
誰に祈るのさ…

エステル:
ニケとか? 勝利の女神だし? あと後ろで戦ってる戦いの女神のアテーナーの梨音とか?

花恋:
あっちも余裕無いと思う。

パイロット:
こちら戦略自衛軍。これより対アーマーメイド用特殊FAEB()による攻撃を行う。戦闘中のエンパイアクラブミリタリアのアーマーメイドは緊急に指揮陣地まで退避されたし。繰り返す緊急に指揮陣地まで退避されたし。


注:FAEB
Fuel-Air Explosive Bomb=燃料気化爆弾

燃焼性の高い専用爆薬を用いた無誘導の投下型爆弾。
着弾地点を中心に大爆発を起こし、超広範囲の目標に対しダメージを与える。
多数の目標が密集している地点に投下する事で、大きな効果を発揮する

梨音:
馬鹿死にたいわけ?! 戦略自衛軍の戦闘機なんかでアーマーメイドに近づいたら! 梨々衣ただちに全力離脱するように自衛軍に伝えて!

梨々衣:
今の通信は一方通行でこちらからは通信できませんわ!

カシャ!(ミサイルハッチが開く)

シュパーー!
シュパーー!

シュパーー!

うぃぃぃぃん!
(ミサイルがさく裂してエネルギー波が襲う)

きゅぃぃぃん!
(緊急回避しようとしている)

ゴガァァン!

梨々衣:
リフレクターミサイルの爆発反応の後、友軍機二機の反応ロストですわ・・・。ベイルアウトは不可能だと…

バンっ! 梨音が拳で操作球を叩く

梨音:
くそっ! 無駄にパイロットを消費しやがって! 萌香准将に緊急連絡。 戦略自衛軍に作戦行動の邪魔になるから介入するなと正式に抗議するよう上申して!

梨々衣:
連絡いたしましたわ。 しかし戦略自衛軍も松崎市街が危険に晒されているのに何もしないわけにもいかないのは解りますが…

梨音:
だからって自軍の兵士を無駄に殺して良いじゃ無い!

ソニア:
長官! ユーラナス予定座標に到着です!

アンジェラ・ノーラ:
長官?

哲也:
ディバイディングドライバー射出!

ノーラ:
ナニソレ…?

アンジェラ:
まさか…

ソニア:
!!
(ソニアがガッツポーズする)

注:当然BGMは以下で!

ディバイディングドライバー


カタカタカタ♪

ミーナ:
了解! ディバイディングドライバー準備完了!

ミーナ:
リニアカタパルト開きます!

フレデリカ:
座標軸固定オーケー!

フレデリカ:
ミラーコーティングスタート。


フレデリカ:
射出!

しゅぅ~ん♪

ミーナ:(無線)
座標軸固定して下さい!

すみれ:
ミーナー、オーケー!

真理愛:
待ってたわよ!

しゅぅぅうううん!

カシュ♪

カシュ♪

真理愛:
ディバイディングドライバぁ~~!

しゅばああああああ!

パンっ!

パンっ!パンっ!パンっ!パンっ!パンっ!

シュバアアアアアアアアアア!

フレデリカ:
リフレクターフィールド固定!

ミーナ:
ニューロチッップブラスターニュートライズフィールド安定、成功です!

フレデリカ:
ユーラナスDDモード解除、戦闘モードに入ります!

哲也:
よし!

アンジェラ:
おおおおっ!

ソニア:
すみれ隊長! 真理愛副隊長! くま太さん! ご主人様! ヤっちゃえ!

ガシャン!
(後ろのラウンドブラスターが外れる)

真理愛:
すみれ、量産型とボイベー、一気に無力化するわよ!

すみれ:
おう! 負ける気がしない!

くま太:
指揮本部、こちらくま太。 今、敵アーマーメイドのニューロチップブラスターの無効化に成功した。
こちらも戦闘に入る、敵前哨基地になっているコンテナ船への突入部隊はアーマーメイド同士の戦闘を回避できる地点まで前進されたし。ただし咲夜少佐は悠名の回収に協力されたし。

來奈:
今ので問題となってるニューロチップブラスターを無効化したの?

くま太:
來奈お嬢も悠名を救い出す為に出るんだろ? 気持ちの準備をしておけ。

來奈
はいっ!
 
真理愛:
いけぇ! ブロークンマグナムっ!

しゅるるるっるう! ガシャン!

振り向いた量産型アーマーメイドにユーラナスから放たれた回転するリフレクターフィールドをまとった下腕外面部が命中して、量産型アーマメイドの右腕ごと破壊する。

しゅるるるっるう! ガシャン!

そのまま軌道を変えボイベーの死角よりレフレクターサーベルとパワーランチャーが装備された右腕を破壊する。 その衝撃でバランスを崩すボイベー。

ガシャン!プシュ! 
(腕部外面が飛んで戻って来て、腕の元の位置に結合する)

來奈:
腕が飛んで行って一瞬で二機のアーマーメイドの武装を破壊した…ロケットパンチ‥無茶苦茶だよ・・・コレ私の知っているアーマーメイド同士の戦いじゃない…

くま太:
偏向電離リフレクターフィールドをまとった円柱を高速回転させ射出し、すみれが操り敵に当てる新型兵器、ブロークンマグナム。 真理愛とすみれが哲也博士に某アニメDVDを視聴させ洗脳して開発させたものだ。

來奈:
洗脳…アニメ見て本当につくる櫻糀博士も無茶苦茶だけど!

ガシャン! ウィーン!

ニューロブラスターのあった左腕を破壊されバランスを失った量産型アーマーメイドに蹴りを入れて押し倒し、バスターランスで頭部ユニットを破壊して量産型の動きを完全に止めるイシュタル

梨音:
梨乃、たぶん衝撃でパイロットの意識は奪ったと思うけど、自爆にそなえ周囲にリフレクトアーマーを展開できるように準備して

梨乃:
はいお姉さま!

梨々衣:
指揮本部、こちらイシュタルですわ。 敵量産型アーマーメイドを無力化しましわ。敵パイロットメイドを保護する為の回収部隊をよろしくお願いします。

ガシャンっ!
セレーネがボイベーを押し倒しプログレッシブナイフをコックピットハッチへ突き立てる

エリシア:
別に押し倒す必要無いよね? これはボイベーを通して中の悠名を間接的に押し倒したのと同じ…この変態ご主人様…アリエル姐どうする?

アリエル:(声のみ)
あらあら~これはアナエルに報告するしかありませんわね。

花恋:
そんな意図はまったくありませんので! お姉さま方、アナエルへの報告はヤメテ下さい!

アリエル:
わたくしは、悠名さんの救出の指揮をしますので。エリシアにセレーネの後の制御はお願いすることにします

エリシア:
お姉ちゃん解った。がんばって。

ぐい~ん、ガシャン!

アリエル:
指揮本部、こちらセレーネですわ。 アーマーメイド・ポイベーの無力化が完了いたしました。敵コンテナ船への突入の指示をお願いします。こちらはこれよりボイベー内に格納されている橋本悠名の救出に移ります。 咲夜少佐と來奈さんにボイベーに来るように連絡をお願いしますわ。

ソフィア:
來奈ぁ!

來奈:
ソフィアが多脚知能戦車に!? 日本に来てたの?

レイラ:
ドクターソフィア、私とレギオスは対電子戦防御を行いながら、ここからバックアップしますので。

ソフィア:
大尉、レギオスくん頼むね。

レギオス:
ハイ、マカシテクダサイ


咲夜:
お嬢様ぁ!! こんな危険な所に何故来ているんですかぁ! それにその恰好はナンデス! まるで話に聞いた普段「お嬢様」に擬態している「お嬢様モドキ」そのモノの姿じゃないですかぁ!

ルフィナ:
あの咲夜さん、真後ろで怒鳴らないで!

來奈:
咲夜ぁぁ イヤこれは‥‥その…

咲夜(無線)
言い訳を許した覚えはありませんよ!

來奈:
ひぃい!

梨音:
おい、なかなか、エエ度胸シトルナ。メイド「モドキ」の咲夜さんよ~。

梨々衣:
あはっ♪ ちょっと「押離死」(おはなし)しましょうか♪

咲夜:(無線)
あの‥‥これは違いまして・・・

梨音:(無線)
あぁ~? ドウ違うんだ?

梨々衣:(無線)
ぜひお聴きしたいですわ~♪

咲夜:(無線)
ひぃぎぃ!

來奈:(無線)
あのEHDENのオーナー様方々に対し大変失礼な事を! クラブを代表して心よりお詫び申しあげます!

梨音:(無線)
クラブとして詫び入れるちゅうんか? 

花恋:(無線)
あはははっ、これはオーナーの來奈ちゃんの塩漬けの首案件?

來奈:(無線)
ひぎぃっ! どこの時代の詫びの仕方ですかぁ!

にゃん太:
おい。 お嬢様方、少佐や花恋小隊長まで、まだ作戦中だぞ。

五人(無線)
申し訳御座いません!

アリエル:
來奈さん、咲夜さん、ソフィアさん、すでに作業を進行させておりますのでボイベーのアッパーハッチの所へお願いしますわ

しゅぅ~ん、來奈達が降下してくる。

來奈:
猫さんのぬいぐるみ? このぬいぐるみさんも・・・

咲夜:
こちらはEHDENのメイド長のアリエルさん。そしてロンゴミリアド・ドローン小隊副長の・・・

ソフィア:
にゃん太、どこまで進んでる? もう解除できた?

にゃん太:
ドクターソフィアは相変わらず猫使いが荒いな。 まだプロテクト第六層まで解除した所だ。

來奈:
やっぱりしゃべった! EHDENのアリエルメイド長さんにローン小隊のにゃん太副長さん・・・來奈です、よろしくお願いします!

アリエル:
挨拶などは悠名さんを回収してから後から改めてにしましょう。 戦闘はすでに終りつつありますが、ここも戦場ですので。 

ソフィア:
おし、そこだ、良い子だからコードを私にみせて…そうそう! おい、これは素数配列だからどうだ! おうそうくるか! でも~所がどっこい今のソフィアにはレイラ大尉とレギオスくんがついているのだ、よし突破!

來奈:
こんな時でもハッキングしているソフィアは愉しそうだね…

咲夜:
独り言多いですしね。

ソフィア:
よし、咲夜、來奈、さっき説明したようにそれぞれのニューロチップIDを読み取らせて。咲夜は第一チップの方だからね? 新しい方じゃなくて。

咲夜:
わかった。 これでこうして…

SE:
ぴっ!

アリエル:
パイロット、ナビゲータ双方のIDとロック解除命令、認証。 命令受付けされました

ソフィア:
さて咲夜の姫様がお目覚めよ!

うぃ~ん(したの円が開いてカプセルがせり上がってくる)

咲夜:
悠名!

ソフィア:
咲夜、触ったら駄目! 今触ったら最悪な事態もあるからね!

レイラ大尉、悠名のカプセルの摘出終了。すぐにカプセル移動用シリンダーの手配を指揮本部にお願いします。

アリエル:
これがボイベー制御用アドバンスド・バイオメイド、橋本シスターズのロストナンバー、橋本悠名さん

來奈:
………

エステル:
初めまして。わたくしはエンパイアクラブオーナー連合評議会で議長を務めております、エステル・フィルサイド・ド・ヌヴェールと申します。

橋本製のバイオメイド、個体番号 SN:36480 さん。もしくは、番号以外の名前やニックネームはございますか?

仁香(SN:36480):
……仁香(にか)……橋本仁香です。貴女がエステル評議会議長様?

エステル:
はい、そうですわ、仁香さん。

貴女がわたくしと会談できれば、永遠さんに対し、貴女が製造されたプラントの場所を特定するために必要な「製造後の位置情報ログ」を渡すと聞きましたので、急いで参りましたのよ。

まぁ、今まで戦場におりましたので、コンバットスーツ姿で失礼いたしますわ。

仁香:
戦場……って、もしかして我が軍の攻撃ですか?

聞いた話が本当なら、私は今の評議会本部になっている日本に運ばれて囚われているんですよね?

悠里:
その本部がある日本、しかもこの本部の近くに、エンパイアクラブ正統評議会は ニューロチップブラスター を装備させたアーマーメイド部隊を直接送り込み、攻め込んできたのですわ。

……まぁ、今回の侵攻は失敗しましたけれどね。

エステル:
戦闘中、どうにかニューロブラスターを無効化することには成功しましたが、それ以前に無力化されていた ブラックハウンドのバイオメイド達 を救うことは……できませんでした。

心よりお悔やみ申し上げますわ。

悠里:
ですが、無効化した後にこちらで保護したブラックハウンドのバイオメイド達は、この本部に運び込みました。そして現在、仁香さんと同じように 洗脳チップの切除 と 生体機能の回復施術 を行っております。

その数、52人――みんな元気になりますわよ。

仁香:
……本当に 敵のメイド を回収して再利用しているの……。

その子たちは、今度は元仲間だった 正統評議会側のメイド達 と殺し合うことになるんですね……?

エステル:
いいえ。

回復したメイド達の ほとんど は、普通のメイド……この場合は エンパイアクラブの一般メイド として、戦いとは関係のない日々を過ごしておりますわ。

ですが、中には メイド解放のために戦いたい と強く希望し、ミリタリアに志願するメイドもおります。

しかし、それは保護したメイドの ほんの一部 に過ぎませんわね。

仁香:
信じられません……。

メイドの価値は 戦闘 か、さもなくば 一般軍人や協力者の性的慰め になることだけ――そう、ずっと教えられてきましたから……。

エステル:
信じられないなら、ご自身で 実際に見て、体験し、確認してみる しかないと思いますわ。

……さて、話が脱線してしまいましたが、仁香さんが わたくしに会いたいと希望した理由 は?

仁香:
この永遠という尋問官が、「製造プラントの位置が分かるログを提出しろ」と、あまりにもうるさいので……

だったら 評議会議長を出せ と、無理を承知で言っただけです。

なのに、代役として 前線で戦うアサルトメイド を連れてくるとは……捕虜を 愚弄するにも程があります。

エステル:
ぐっ……ぬぅっ……デスワ……。

悠里:
ほぉ~、そうですわよねぇ?

だって、普通 評議会議長がコンバットスーツを着て最前線に立つ なんて 考えられませんからねぇ~♪

永遠:
悠里ちゃんも、やってることは エステル様を全然批判できません からね。

仁香:
それに……そんなに座標を知りたいなら、さっさと 私のチップを破壊して、ログを強制的に取り出せばいいじゃないですか。

さっと コンバットスーツのグローブ を外すエステル。

エステル:
これは失礼いたしましたわ。

ここは AURORA などの電子通信が使えませんから、チップIDの確認 ができませんものね。

しかしこのようにニューロリンクラインに直接触れれば チップ情報を読み取れますわよね?

指先で触れてみてくださいな。

仁香:(あっけにとらている)
……はい……。

仁香:
エステル・フィルサイド・ド・ヌヴェール…… 我が軍の敵のトップ……本人……。

エステル:
はい♪ これで証明になりましたわよね?

仁香:
……(呆然)

悠美:
失礼いたします。

議長、ただいま 浦賀水道沖 で行われている 森崎少将指揮のロンゴミリアド海上打撃群  と 敵第二打撃群の武装タンカー船団 との 海戦 について、至急説明を求めたいと 戦略自衛軍・統合幕僚副長 が直接お越しになっております。

悠里:
メンツを失って 怒鳴り込み ですか……。
戦略自衛軍も 情けない ですわね。

エステル:
……面倒くさい ですわね……あ、あぁ。
わたくしは今、仁香さんと会談中 ですの。
少将、統合幕僚副長のことは 適当に待たせておいてくださいませ。

仁香:
……海戦?
東京湾って……日本の首都の湾ですよね……?

永遠:
エステル様! まさか、逃げるおつもりではないですよね?
瑠莉閣下も栗田閣下もスエズ奪還作戦で不在 なんですから、ここは対応してください!

……仁香さん、私とお話しする形でも構いませんか?

仁香:
はい……。
捕虜として囚われ、その上命を救っていただいた わけですから。
座標のログや、私が知っている情報はすべてお渡しいたします。

エステル:
ぐぬぅっ……そうですか……。
……それでは、また日を改めて お茶でも飲みながら ……

悠美:
議長ぉ~、行きますよ!

來奈:
ねぇ……咲夜……。
悠名が意識を取り戻したら……やっぱり…… わたしとの恋人関係は終わり…だよね……?

咲夜:
はっ? 何でそうなるんですか?

來奈:
だって……ソフィアが言った通り、咲夜の姫は悠名 でしょ?
咲夜は悠名に仕える 守護騎士 だし。
私は悠名がいない間の、ココロの隙間に入り込んだだけの "代わり" だし……。

咲夜:
!! 私は…お嬢様をそんな風に思ってませんから!!

來奈:
でも……悠名が戻ってきたら、元の関係に戻すんでしょ?

咲夜:
そ…そうなるかは 分かりません から。
なんせ、今の私の 身体 は、悠名が知っている 大人の男の咲夜 ではなくて……
お嬢様と同じ歳の女の子の咲夜 ですし……。

來奈:
あのね、こないだも思ったけど……
女は、容姿や声といった表面的なものじゃなくて、中身で惚れるの。
咲夜の 外見 や 表の性格 が 男 でも 女 でも、本来の咲夜の中身は変わらない でしょ?
悠名だって、中身の咲夜に惚れているんだから。
だから悠名も、女の私と変わらないと思うよ

咲夜:
………

悠名が戻ってきても……
お嬢様と元の関係に戻るとか、考えられません。
悠名を失って、ボロボロだった私を 献身的に支えてくれた ……
お嬢様のことを、愛しています。
……でも、悠名のことも 愛してるし……
でも……二人同時に付き合うなんて…

來奈:
ほぉ?
つまり、咲夜がハーレムを築いて、悠名と私を妾として囲いたいと……?

咲夜:
い、いやいや!!
断じて! ハーレムなんて、そんな 大それた考えは……!!

來奈:
でも、「悠名も私も付き合う」 って……
それ、ハーレム だよね?
それも、結婚しないんだし。
一人だけなら恋人、二人同時なら妾……もしくは愛人?

咲夜:
お、お嬢様を 妾 とか 愛人 とか……!
何を言い出してるんですかぁ!?

來奈:
でも、咲夜はそうしたいんでしょ?
悠名も、私も……どっちも付き合いたい。

咲夜:
ひ、ひぃぃぃぃ!!

來奈:
……ハーレム、認めましょう。

咲夜:
えっ!?

私は 咲夜の妾 でいいよ。
悠名なら、咲夜の言うことは何でも聞くだろうし。
た・だ・し! 条件がある。

咲夜:
条件……?

來奈:
「咲夜の妾は、平等に相手にすること。」

それと、

「私を慕うメイドで、深い関係になりたい子がいれば、咲夜も平等に愛すること。」

つまり……

「咲夜は、そのメイドとも関係を持つ義務を背負う。」

要するに――

「私と咲夜と深い関係になりたいメイドは、私と咲夜の共有とする。」

咲夜:
……お嬢様が言っている意味が分かりませんけど!?

はっ!?

悠美、ふざけるのもいい加減にして!
作戦行動を放棄して、海域を戦略自衛軍に明け渡せですって?
そんなこと できるわけないでしょう! 戦闘は終結しているけど……!

優香:
こっちは今、撃沈した敵艦の乗組員と敵戦闘員のバイオメイド、
それに……アーマーメイドを積載している敵艦に、勝手に手を出して、勝手に撃沈された戦略自衛軍のイージス艦の乗組員の救助で手一杯なのよ!

そんなことより、メイド達はこちらで回収する から、一般乗組員の救助は、戦略自衛軍でも海上保安庁でもいいから手伝うように要請して!

しゅぅぅぅう~♪
ユーラナスが着艦してくる

真理愛:
うわ~……どんな時もニコニコして温和な優香司令が……。

すみれ:
あんな優香お姉さん、見たことないよ……。これ、八つ当たりされないかな?
艦橋、上がりたくない……。

真理愛:
わたし 副官 だし……。隊長、一人で行ってきて。
マリはくま太と待ってるから。

すみれ:
イ・ヤ・ダ! 真理愛も来る! 総隊長命令!

真理愛:
不当な命令は拒否します!

すみれ:
お願いだから……! すみれを 見捨てないで……! 一人で行きたくない……!(涙)

真理愛:
……泣かないの。 ……わかったわよ。

來奈:
沖合で……海戦になったの?

ソニア:
ご主人様たちが出発された後、偽装したタンカー群 が、アーマーメイドとリフレクターミサイル を使って こちらの艦隊を攻撃してきました。
まあ、そもそも 優香艦隊司令 も 攻撃を予期していて、事前に 艦隊を出航させていた みたいですね。
……港に停泊している船では、機動力が意味を成しませんから。
こちらは イージス艦二隻、攻撃潜水艦、さらに 里穂特務大尉 と ロッテ大尉の守人 で、
ホワイティーガーデン と 航空母艦EHDEN を防御しながら戦闘を行いました。

途中、警告を無視して戦略自衛軍のミサイルイージス艦が攻撃に参加……敵の反撃を受けそのまま轟沈しました。

こちらの被害はそれのみ。敵艦船群とアーマーメイド部隊は、すべて撃破・轟沈です。

ノーラ:
船が燃えて人が海へ飛び降りてました‥‥怖かったです。

ソニア:
それで、戦闘が終わったので、フレデリカたちと一緒に VTOL でここに来ました。
フレデリカたちは、海上の救助活動 があるため、航空母艦EHDEN へ向かいました。
ホワイティーガーデン は、アーマーメイドの回収 のために 松崎人工島 へ向かっています。 もうそろそろ、現地に到着しているはずです。

來奈:
報告、ありがとう。

ノーラ:
……わたし……震えているだけで……何もできませんでした。
じっとしていることしか……。

咲夜:
ノーラ、よくパニックにならずに頑張ったな。

ノーラ:
でも……ご主人様のメイドなら、こういう時にお手伝いできないと……。

來奈:
そういうのは、私やプロに任せておけばいいの!

ノーラ:
……でも……。

ソニア:
メイドだって適材適所。
たとえば、私がノーラの代わりにメイド長やクラブの一般業務をすることはできない し。
それと同じよ。

ソニア:
一般業務といえば、ご主人さま、咲夜に由美恵の事、お話しました?

ノーラ:
そう! ご主人様の専属侍従メイド!

咲夜:
専属・侍従・メイド…?

來奈:
まだそこまでは話…してないかな…?

咲夜:
ほう……。
先ほどのハーレム云々の話は、ご自分のハーレムを作るための前振りだったと?
理解しました。

來奈:
由美恵は、咲夜にとっても、性格も容姿も好みだと思うよ?

ノーラ:
咲夜! とりあえず写真見よう?
可愛い子だから!

ソニア:
写真、出しますね。
ちゃんと保存してあるので。


咲夜:
そんなに……優秀なんですか……?
それが……お嬢様に……そんなに……?

ソニア:
ええ、本人の強い希望で……。

ミリタリア本部の特務隊、それも 詩織さんの部隊のスカウト を蹴ってまで、ご主人様に惚れ込んで専属メイドになりたい って。

すべてを捧げて、お仕えしたいそうです。

ノーラ:
新人の仲間たちにも 好かれている みたいで……。
この写真は、仲間が撮ったものなの。

來奈:
クラブとしても、私としても、由美恵は優秀だし、必ずプラスになると思うんだ……

咲夜:
そういう性格の子なら、悠名とも相性が良さそうだな……。

……いいですよ。

來奈:
良かった……!
朝になったら、さっそく由美恵に連絡するね。

(シュンッ…… ドアが開く)

ソフィア:
あっ、みんなも来てたんだ。
もうすぐ悠名が目を覚ますから、入って。

來奈:
うん! みんな、入ろう。

ソフィア:
悠名の 脳波に外部から干渉し、ボイベーに基本パターン命令を出させていた制御システムの影響が、悠名自身に及んでいないかのチェックに時間がかかってたけど……。
結果として、一部「ボイベー」として行動していた時の記憶を除けば、他への影響はなし。
つまり、問題はないってこと。

ソフィア:
それと、長期間カプセルに閉じ込められていて身体を動かしていなかったから……。

特殊生命保護溶液を使っていたとはいえ、筋肉や神経系、反復運動記憶の活性化処置 が必要だったけど、すでに終了しているよ。

來奈:
じゃあ、もう目を覚ませばすぐに動けるってこと?

ソフィア:
そう。 問題はないはずだけど……数日は、ここで経過観察するつもり。

ノーラ:
ソフィアがそう言うなら、心配ないね。
はふぅ~……安心した……。

ソニア:
ねえ、ノーラって ドクター・ソフィアと面識あるの?

ノーラ:
うん。私が 月空のお屋敷でお世話になってた時に、ソフィアが來奈お嬢様のところに泊まりがけで遊びに来てて、仲良くなったの。

來奈:
ソフィアは、大学の研究室の長期休暇の時は、うちのお屋敷で過ごすのが普通だったからね。

ソニア:
大学の研究室……?
でも、ノーラが ご主人様のお屋敷にいたのって、かなり前の話ですよね?

ソフィア:
今、特殊生命保護溶液をゆっくり抜いているところ……。
これが終われば、悠名は目を覚ますから。もう少しだけ待って

それで、私さ……。
幼年学校とか全部すっ飛ばして、いきなり大学院に入っちゃったから……。
当然だけど、周りと歳が違いすぎて、友人どころか誰も話しかけてもくれなかった。
だから、幼馴染みの來奈と咲夜、そしてこの悠名だけが、当時の唯一の友達だったの。
それで……長期休みになると、カナダの來奈のお屋敷に逃げ込んでたんだよね。

ノーラ:
性格はフレンドリーなんですけどね。
私とも、すぐに 遊びトモダチ になったし。

ソフィア:
今の保全機関や、ロンゴミリアドのバイオメイド保護活動に積極的に協力している、若き天才バイオメイド博士にも……そんな悩みがあったとは……。

咲夜:
そうでしたね、ソフィアお嬢様。
懐かしいです。

ソフィア:
お嬢様つけるな!
呼び捨てで言えって、いつも言ってるでしょ!
このイジワル執事!

他:
くすくすっ♪

ソフィア:
それで~、咲夜「ちゃん」。
アンナと私が共同開発した、史上初のデュアルニューロチップ式「咲夜の完成形」の素体……どうかな?

咲夜:
えっ……? 共同開発……? ……完成形……?

ソフィア:
容姿は、悠名と來奈のお相手としての理想の女の子になっているはずなんだけど?

來奈:
なるほど……。
最初から私と悠名の女性の好みで調整されてる、と……。
なるほど……私の好みなら、当然……。

ノーラ・ソニア:
………(唖然)

咲夜:
ソフィアお嬢!!
オレが女になったのは、貴様のせいか!!
さっさと元の身体を再生して、オレを男に戻せ!!

來奈:
……咲夜が「オレ」って言うの、久々に聞いた。

ノーラ:
私は初めて聞きました。

ソニア:
咲夜って、メイドでも執事でもない時は、本当はこんな感じなんですね……

ソフィア:
無理!
アンナから説明受けてないの?
今の技術じゃ、女型の素体で実現するのが限界なの。
それに、元の素体はあと数か月でテロメアが暴走して破綻してたし……。
死んだパパもかなり研究してたみたいだけど、結局頓挫したしね。

ソフィア:
ということで、将来的に男型の咲夜の素体を開発するためにも、研究対象としてデータを取らせてね。

ノーラ:
……研究対象……。

ソニア:
……人体実験……。

ソフィア:
それに、男チップで構成された意識体が、女脳の影響でどれくらい変化するのか とか、興味深いテーマがたくさんあるじゃない?

ほら、意識体の女性化とか。

身体と意識、心は不可分 だからね。

來奈:
身だけじゃなく、心も女の子に……

咲夜:
……(真っ青)

ソフィア:
それに、この研究のこともあるし……。
バイオメイド回収の処置を担当する保全機関とロンゴミリアドの本拠地が、日本のここになったから、來奈のクラブが近くて都合がいいのよね。
だから、しばらくお世話になるわ! よろしく!

來奈:
……やっぱり、そうなるよね。

悠名:
うぅ……ん……。

なんか……とても騒がしい……。

悠名:
……ガラス?

咲夜:
悠名!!

來奈:
……良かった……。
本当に、良かったよ……。

ソフィア:
悠名、おはよう。
今ポッドを開けるから、ちょっとそのまま動かないでね。

悠名:
……ソフィア?

ソフィア:
ゆっくり動いてね。

悠名:
うん……。
お嬢様と……、ノーラ? 遊びに来たの?

ノーラ:
悠名、久しぶり!

悠名:
お嬢様……なんで泣いて……?
それに……コンバットスーツ……?

來奈:
悠名が無事で……安心したら、つい泣いちゃっただけだから。

ソフィア:
來奈の、いつものやつ。

ノーラ:
うん!

ソフィア:
今、自分の状態をどう認識してる? 話してみて。

悠名:
私……ボイベーに乗っていたのは覚えてるんですが……。
でも、記憶が曖昧で……。
もしかして、私、何か失敗して……事故を起こして……みんなに迷惑かけました?

あっ……そういえば、ボイベーの外から咲夜が声をかけて……「ハッチを開けてくれ」って……。
それで……私は暴走させて、お二人を放り出してしまった……?

とにかく、ボイベーの動きを止めなきゃって思っていたら……。
他のアーマーメイドが……評価試験で模擬戦中だった……のかな……?

それなら、お嬢様がパイロットスーツを着ているのも納得できます……。
試験中にボイベーが暴走して……咲夜さんとお嬢様を放り出した……?
暴走は……あのアーマーメイドが止めて……そしてソフィアが、私の治療を……?

ソフィア:
なるほど、今のところはそう認識しているのね……。

悠名:
咲夜!? ソフィア、お嬢様、咲夜は……無事なんですか!?」

來奈・ノーラ:
…………

ソフィア:
……それは……見てもらったほうが早いかもね……

咲夜
悠名、私は無事だよ……まあ、見た目も性別も変わっちゃったけどね。でも、これは悠名のせいじゃないから、気にしないで

悠名
この……美少女が……咲夜? 本当に?

ソフィア
後でちゃんと説明するけど、咲夜が言ってることは本当だよ!

悠名
それで、あなたは?

ソニア
私は今、月空來奈様の護衛メイドを務めております、ソニア・ベーデンブルグと申します……

悠名
ソニアさん……お嬢様の新しい護衛メイド……。私は咲夜の専属侍従メイドであり、來奈お嬢様の補佐メイドを務める橋本悠名です。悠名で構いません、呼び捨てでお願いします

咲夜
それより……まずは何か服を着ようか。悠名が気にするだろうし、私もどこを見たらいいのか困るからね

ソニア
うむ……お風呂場でもないのに、こんな美少女が裸なのは、さすがに私でも少し困惑するな……

悠名
……裸?

悠名
きゃああぁああああ! 咲夜のエッチ! 変態! やっぱりさっきから感じてた、あの舐めまわすような視線……犯人は咲夜だったんだ!

咲夜
ちょっ……違う! 悠名、そんな風に見てないから!

來奈
嘘は良くない。咲夜なら見る。

ソニア
性別がどうであれ、そのような視線はセクハラです。警備部として見過ごせませんよ?

ノーラ
クラブや学園でも、注意が必要ですね……。

ソフィア
もう! 今すぐ患者着持ってくるから!

來奈:
ねえ咲夜、悠名の病室に泊まっていかなくていいの? 付き添い用のソファー、ベッドにもなるって説明されたし。

咲夜:
ソフィアからきちんと説明を受けた上で、悠名には少し考える時間が必要だと思いますので。

來奈:
……ほんと、女心が分かってないよね。

ノーラ:
こういうところ、ありますよね。男って。今は中身だけですけど。

來奈:
こういう時こそ、女の子は一緒にいてほしいのに……ダメだ、この執事。

咲夜:
ふんっ……。

ソニア
ご主人様、見てください! レイメイド秘書がお迎えに来ています!
さすがに私も疲労がたまっていて、運転に不安があったので……助かりました。

來奈
そうだよね? レイメイド秘書! こんな深夜にお迎え、ありがとう!

ノーラ
うふふ♪ 先ほど現状の報告をしたついでに、ソニアの疲労も心配だったのでお願いしておきました!

咲夜
さすがノーラ…メイド長。頼りになるな!

ノーラ:
ふふっ、元執事の「メイドモドキ」には負けていられませんから♪

咲夜:
ひぃぐっ! 聞いてたの!?

來奈:
ひぃっ……塩漬けの首……

ソニア:
あの会話、作戦中のロンゴミリアド全体に流れてましたから♪

ソニア
さあ、我らが家――シェルムーンに帰りましょう。


第二話「Red Liberation」おわり