第二話「Red Liberation」その2

桃子:
ちょっと眩しいだろうけど目を一杯に開いてお姉さんに見せてね。

來奈:
はいっ!

來奈:
じぃ~‥‥

桃子:
もう瞬きして良いわよ。

桃子:
まぶしかったよね? ねえ本当に來奈ちゃんは具合悪い所とか無い?

來奈:
はい、なんか何時もよりも調子が良いくらいで…身体が軽いというか…頭もスッキリしてますし。 気分も良いです。

桃子:
そうか…まあ数値的にも実は問題無いんだけどね。

ヴェル:
咲夜さんの方はポッドで寝かせておけば夕方までには全快する。シンクロナイザーシステムのアフターショックも数値的には異常は範囲値内。 全機能正常の範囲内で覚醒しているね。 

桃子:
そう幸いね。

來奈:
咲夜は大丈夫なんですね。良かった。

ヴェル:
ヴェルは別室の処理をしてくるから。 來奈ちゃんとノーラちゃんへの説明は桃子お姉ちゃんに任せる。

桃子:
うん解ったわ。 あのね咲夜さんの事はヴェルも私もどこからでもモニタリングできるから、ちょっと場所かえようか。

來奈:
はい。

桃子:
はいどうぞ。

來奈:
ありがとうございます。 あの桃子先生が日本に来てると思わなかった。フランスの研究所かエディンバラ(英国)の櫻糀の本屋敷に居ると思ったのに。

桃子:
色々あって、今この研究所の主任博士しております…

ノーラ:
ご主人様、桃子博士とお知り合いなんですか?

來奈:
知り合いというか、桃子先生は私の主治医の一人だよ。

ノーラ:
ご主人様御病気だった…あっ!? 前にお屋敷でお世話になってたとき、たしかに執事の方に車椅子押してもらってお部屋に来てましたものね・・・お屋敷の中しか行った事が無いとか…

來奈:
うん。子供の頃からね。 でもあの後、桃子先生と櫻糀先生とフィッツジェラルド先生が手術して下さって健康になったんだよ。

ノーラ:
そういえば私、ずっと気になっていたのでついでに聞きます。 あのご主人様をお世話していたお付きの執事の方はどうされたんですか? 

來奈:
・・・…

ノーラ:
名前はたしか…咲夜…まさか…あの…今の咲夜はあの執事が…‥あのイケメン執事が美少女メイドに…ここならたしかにそれくらいは出来る・・・

來奈:
やっぱり咲夜の事、覚えてたんだ。 その通りあの執事の咲夜が、色々あって今の女の子の咲夜になった。 でもこれ重要機密なんですよね。 桃子先生どうしましょう?

桃子:
脳に電極ぶっ刺して、脳を真っ新に

來奈:
やっぱりそれしか無いですよね…

ノーラ:
イヤイヤイヤ! それ廃人になりますから! 秘密は守りますから! 許して下さい!

桃子:
そういうのって信じられないのよね。保障ないし。

來奈:
私も同感です。

ノーラ:
ひぎぃぃい! お助け下さい!

桃子:
まあ咲夜くんの秘密くらいは、これから説明する事に比べれば大したことないのよ。

ノーラ:
それってご主人様と咲夜の瞳が、桃子博士や…梨音先輩達やフランソアさん達みたいなった事と関係があります?

來奈:
えっ? 私?

桃子:
來奈ちゃん、スプラメイドと言う単語知ってる?

來奈:
スプラメイド?


その3 へ続く