第三話 moving soul その7
信久
レディー、どうぞ。
悠名
ありがとう、信久お兄ちゃん♪
咲夜
うぅ……む。
來奈:
くすすすっ♪ まさか咲夜、これくらいで信久お兄ちゃんに妬いてるの? 咲夜にもちゃんとエスコートしてくれたじゃない?
咲夜:
そうではありません! 鹿苑寺卿、今後は私をエスコートしないでください。 貴方は私の素性をご存じでしょう?
信久:
しかし今の君は立派なレディーだ。男として、それを無視するわけにはいかないな。
悠名:
そう、咲夜は立派なレディー♪
咲夜:
二人とも! あのですね!
咲夜:
あっははははっ! 楽しいぃ! 咲夜がレディー! 笑える! お腹痛い♪
咲夜:
楽しくも面白くもありません! お嬢様まで……!
ソニア:
悠名と合流してから、お嬢様も随分と素を出すようになったな。そうか……今までは悠名の分までお嬢様が支えていたんだ。それが必要なくなったから、自然と素に戻れたんだな。
SE:
ひゅんひゅん♪(オスプレイが降下してくる)
里緒奈:
みんな! 我がクラブ、Forestに着いたよ!
愛理:
Forestコントロール、こちらショートケーキ 今から着陸する
おい里緒菜、エンジンを止めるまで気を抜くなと何度いったら‥‥
里緒奈:
愛理、気は抜いてないからね!
千沙:
コレが…里緒菜先生がメイド長する…Forest? コレがエンパイアクラブ? 軍事基地じゃない?!
菜乃:
千沙、そんなことより、座り直してシートベルトを直せ。 怪我するよ。
千沙:
ねえメリー、見て! 信久様、旦那様がお迎えに来てる! それに來奈ご主人様も! えぇええ!? なんでここに!?
メリー:
なんでワシントンD.C.にいるはずの信久さんがここにいるの…? 嫌な予感しかしない。もしかして、数日の残りの講習と派遣式が安全の為に急遽、エンパイアクラブ本部で行う事になったのって…信久さんが無理を言って、エステル議長に頼み込んだんじゃ…
來奈:
由美恵~、みんな~! よく来たねぇ!
咲夜:
お嬢様、はしたないですよ。もう少しご主人様らしく…
ソニア:
咲夜、ご主人様としては、新人メイドにも親しみやすいフレンドリーな方が士気が上がるって、昨日メイド学校で話し合ったんですよ。ほら、ノーラメイド長もフレンドリーでしょう? その方が新人メイドたちも委縮せずに済むって方針が決まったんです。
咲夜:
そういう考えか…なるほど。
(ひょこっとソニアの背後から顔だけ出す悠名)
悠名:
おぉ…あれが新人メイドさんたちか…
由美恵:
ご主人様!
菜乃:
ちょっとでも早く会えてよかったね、由美恵。
由美恵:
うんっ…
優:
愛理隊長、これってやっぱり相当切迫した状況ですよね…ニュースを見て覚悟はしてましたけど…。
まさか、最前線に送り込まれてから操作マニュアル読んで即実戦するような、アニメみたいな展開にはならないですよね?
愛理:
メイドならガンバレ。気合だ。
優:
気合だけで何とかなるものじゃありませんから…。最低限の訓練は希望します。いや、させてください。
その8 へ続く