Shell moon のえんぱいあな日々 第四話 UNDER/SHAFT その9

 
梨芽:
あむっ♪ ん~っ、おいしっ♪

良二:
……ソフィーさんの立場からしたら、
ほんとに冗談じゃ済まされないんですけど。

ソフィー:
あははっ、悪い悪い。スマンスマン♪

梨芽:
ねえ、梨音お姉ちゃんはパフェ食べないの? 

梨音:
うん、梨音はこっちの方が好きなの。

久美:
ふふっ、梨音オーナーは肉まんが大好物なのよ。

梨芽:
へぇ~、そうなんだ!

梨音:
(過去にクロトの子の総師である黒澄玄徳が開発してた、全てのバイオニューロチップへ強制命令を出せる統合指揮電脳機能を持つ258体分のニューロチップ意識構造体の融合個体。アヴァロンと各国メイド部隊の急襲によりクロトの子が壊滅した時に回収されたものの意識が戻らなかった。 しかし今から三カ月前にアンナ博士を中心とする人工生命科学研究所の治療チームが目覚めさせる事に成功していたと。 人工的なグランドマスター権限をもつメイド。 それが橋本梨芽…この子。)



この時に萌香達が発見したプラント地下の融合装置の中心部のシンリンダー内に格納されていた固体。

久美:
はいお口拭けましたよ。

梨芽:
美味しかった!

久美:
なにか忘れてないかしら?

梨芽:
ご馳走さまぁ!

久美:
はい、お粗末さま♪

梨音:
(彼女には元になった個体、φ07001の記憶は存在せず基本人格と基本知能と知識。そしてこの三カ月の記憶しか持ってない。 現在は保全機関極東本部ソフィー・バルリエ本部長預かりで保坂良二のクラブにて外界適合試験を実施中…梨芽がいった「お試し」というのはこの試験の事か…)

梨芽:
ねえ梨音お姉ちゃんって……
「オーナー」ってことは、ご主人様になれる人?
あと、その……クラブも持ってるの?
久美お姉ちゃんのホワイティーガーデンみたいな……
メイドさんがたくさんいるお屋敷のご主人様?

久美:
そうよ。梨音ちゃんも立派なご主人様。
梨音ちゃんのクラブは「EHDEN」っていって、
複数のご主人様が一緒に運営してるクラブなの。
もちろん、たくさんのメイドさんが働いてるわ。

梨音:
うん。梨音のところには、向日葵や梨花、それにクロートー……
優しいメイドさんたちがたくさんいるよ。
この国際会議場も、実は梨音のお屋敷の一部なんだ。
クラブは、その隣の建物の上にあるの。

梨芽:
えっ……じゃあ、ここも梨音お姉ちゃんのお家の中なの?

梨音:
そうだよ。
大きな会議のときは、ここでみんなを迎えるんだ。

梨芽:
ふぅ~ん……そっかあ。なんかすごいね。

久美:
梨芽、もしかして……梨音ちゃんに興味あるの?

梨芽:
うん。
久美お姉ちゃんも、良二お兄ちゃんも優しいけど……
梨音お姉ちゃんも、すっごく優しいなって思って……

ソフィー:
ふふっ、なるほどね。
梨音に、なにか惹かれるものがあると。

梨芽:
「ひかれる」……って、どういう意味?

そうね……
梨芽は、梨音のこと――好き?

梨芽:
うん、好き!
梨音お姉ちゃんと一緒にいると、なんだか――
「ほっこり」するの。
安心できるっていうか……ほわ〜ってなる感じ!

ソフィー:
……なるほどね。

久美:
これはもう……良くん、見事にフラれたわね。

良二:
うぅ……それは……
梨音の方が歳も近いし、ご主人様としても頼りがいがあるし……ね……

ソフィア:
梨芽については……さっき読んでもらった資料の通りで、ちょっと特殊な子だ。
今のところ、マスターになれるのは――梨芽自身が「この人」って認めた相手だけ。

で、どうやら梨音を気に入ったみたいだし……
お願いしてみてもいいかな?「お試し」を。

梨芽:
うんっ!
梨芽を――試食してください! 梨音お姉ちゃん!

梨音:
……それ、試食されるのって私の方じゃないの?
つまり――ご主人様候補が私ってこと……よね?


その10 へ続く